
ほんとにあった! 呪いのビデオVer.X4のレビューです。
Version.Xシリーズもこれで最終作品ということで、今、見返してみると初期のほん呪は更なる可能性を見つけようと試行錯誤していたのだなぁ・・・と、感じたりします。
もくじ
ほん呪Ver.X4の各章のレビュー
前作以上のオープニングムービーの出来栄えには、素直に素晴らしいと感じます。
BGMも凄くセンスを感じる物であり、映像のエフェクトや動きなども秀逸であるのは揺るぎ無い事実です。
オカルト作品のオープニングで、この位のクオリティのPVをみたのは過去には一度しかありません。
(ちなみにそれはクリエイティブアクザ販売の田川幹太 監督作品の本当にあった!!都市伝説シリーズのオープニングムービーです)
差出人不明の投稿ビデオ
この頃になると、だいぶ『ホントにプロ??』と言う位に酷かった宮川宏司のナレーションもだいぶうまくなってきたと感じます。
ほん呪のような作品の場合、下手くそなナレーターはそれだけで致命傷になりかねないわけでして・・・(ならばSpecialの時の様に無い方がマシ)
残念ながら宮川宏司はこれを最後にその後の作品のどこにも起用されていないようで・・・。
検索をかけると元々はどうも俳優さんの様ですが、同一人物でしょうか?
前置きは長くなりましたが、本編の感想を続けていきます。
吃驚したのはテープとともに入っていたルーズリーフに書かれた気持ち悪い手紙ですよ。
もはやあそこまで書かれていると芸術品といってもいいくらいの代物ですね。
これがもしもフェイクならば尚更、素晴らしいと感じますし、あんなものが実際に送られてきたならば、何がどうあれ気持ち悪すぎて気になってしまいますよね・・・。
そしてVersion.Xシリーズ最終章となる4の最後を飾る演出補は栗林忍ですね。
個人的な印象では白石晃士のお気に入りの女優さんという感じがしています。
ほん呪シリーズとは別の同じブロードウェイ発売のシリーズ・【怪奇アンビリーバブル】で、白石晃士が監督した際の作品にも起用されてましたし、その後の監督作品などにも、栗林忍が起用されていましたし。
人の良さが滲み出ている好感がもてる印象があります。
そんなわけで送られてきたビデオを分析する過程で、新しく登場するのが足立さんというスーツ姿の好青年。
登場したその瞬間から何かしらのフラグめいたものがあったわけですが、その後の展開でやはりという感じに・・・。
映像に映り込む微かな電車に目をつける辺りの展開は素直にうまいと感じます。
そして、電車が何処なのかを鑑定する人間に選んだのが、鉄道カレー店のナイアガラの後藤さん。
こういう方をチョイスするというのも奇抜な演出と言えます。
この辺は白石晃士のセンスが光っていますね。
そして調査を終えてスタッフルームに戻ってくると、足立さんの凄まじい狼狽ぶりが炸裂・・・。
初見の頃は足立さんに何か起こるとばかり思ってましたが、実際は足立さんの〇モの様に仲が良い友人に不幸が訪れるという捻りの効いた展開。
と、いうか足立さん、本当に動揺していて悲しんでいる様に見えることから、この人はプロの役者さんでしょうね。
何にせよ今回のVer.X4は前作と比べても一味違う・・・と、いう気分に初っ端からさせてくれます。
ライブハウスに異形の物体が・・・
Ver.X4では投稿者の明記が実際に取材をするコーナー以外は全部、端折られているんですね。
ところで、映像に出演している3ピースのバンドのライブ模様はないわけですが、何となく一瞬見ただけで個人的にはどうも鼻につく印象が・・・(なんでだよw)。
それはそうと、肝心の映像の方は『うーん』・・・と、いうよりも、暗がりで誰かの手が一瞬、映っただけなのかも知れないしわけで、右手でカメラをもって左手を出したというシンプルなヤラセにも見えます。
社内の宴会に謎の光球が・・・
会社の会議室で宴会というのも、どこか間違っている気もしますが、更に吃驚したのがブルーシートを敷いていることですよ・・・。
宴会がコンセプトだったにせよ、それはどうなのかなぁ・・・って、ちょっと色々な意味を込めて絶望的な気分に(笑)
そして問題の流れ星のようなものが映るという心霊映像ですが『ふーん・・・』って感じでそれ以外に何も言葉が出てきません。
野良猫の体に何ものかの顔が・・・
私、猫大好きでそれだけでもう非常に微笑ましいコーナーだなと感じます。
問題の箇所の黒い縞模様の可愛い猫の横っ腹の部分に映り込む顔ですが、怖いとは感じますが合成にしか見えないんですよね。
合成だなぁ・・・とか作り物だなぁ・・・と分かってもゾッとする位に怖ければいいのですが、この程度では片手落ちにしか見えません。
廃坑をさまよう霊
実際に起きた足尾銅山鉱毒事件をベースにしてるコーナーですね。
こういった本当にあった事件などを作品にまぶしてリアリティをもたすというのは、白石晃士が得意としている演出のようにも感じています。
そして、こういう作り方は個人的にはストライクであります。
このコーナー自体は然程、面白いものではないと感じますが、だからといって悪いところも見当たらない感じで無難に仕上がっている一本とでもいうべきでしょうか。
火事の煙の中に死神の顔が・・・
どう見ても合成と感じますが、怖いと感じます。
実際の火事の映像であり、建物全部にモザイクがかかっていることから、投稿そのものはガチ物であとから合成素材として使った?と感じてしまいます。
芝居の稽古の最中に・・・
ロッカーと壁の間から、チョロっと黒い手が出てくるという肝心要の映像ですが、しょっぱい(プロレス的な意味で)ですね。
どうせフェイクにするならば、もっと拘れなかったのかな?って思いますが・・・。
お化け屋敷に本物の霊が・・・
お化け屋敷にカメラを持ち込んでいる時点で、微妙な気もしますが、暗闇に映り込むノイズの後に現れる大口を開いたような男の顔。
怖いと素直に思いますけど、これもガチの投稿映像にフェイクまぶした?って感じちゃうのですが、どうでしょう?
砂嵐のTV画面から
ダビングを繰り返されているから、肝心要の部分に何が映っているから、分からないというようなニュアンスで投稿者の元を尋ねる細かい演出がGJに思えます。
懐かしいですね・・・現在はコピーといえばデジタルなので、劣化全くしない状態ですからねぇ。
時代を感じさせるわけですが、それが今となってはノスタルジックな気持ちにさせたりします。
ストーリー的には栗林と白石が芋づる式に、どんどん確信に近づいていき、最終目的のマスターテープにまでたどり着く様がテンポよく進みます。
そして霊でありながらも、放電現象などを巻き起こして、そこらへんの電気機器などに異常を起こさせるという演出も今までにあまりない感じで新鮮です。
中盤の長編コーナーとして、視聴者を間延びさせない程度には仕上がっていると思います。
8ミリフィルムに奇怪な目が!
1970年代の沖縄と言えば暴動などが起きている状態ですよね・・・極道同士の抗争も激しかった時代だし。
そんな時のフィルムが残っているというのは、それだけでもかなりレアといっていいのではないでしょうか?
問題の映像のおかしな目が映る箇所ですが、全くオカルトコンテンツに耐性のない人は、おそらく一晩は眠れないくらいの破壊力は感じるのではないでしょうか?
私的にはフィルムの質感と目玉の質感があっていないことから、これは作りものだなぁ・・・としか思えなかったわけでして。
波間に現れた霊
このコーナーもしょっぱい・・・というか味が薄すぎるという具合でしょうか。
霊が出る部分はどう見ても合成にしか見えないのですが、どうせやるならばもっと凄いものにしてくれとしか思えないわけで・・・。
この程度ならば尺の短さも相まって、入れなくても良くね?って思ってしまいます。
結婚式に現れた怨霊
Version.X4の全コーナーを通して最強の破壊力があります。
加えて通常ルート、Specialルート、その他の派生作品の全コーナーの映像を合わせてみても、かなりの上位に食い込む怖い映像です。
問題の映り込んだ顔は、ちょっと凝視できないくらいのおぞましく凄まじい表情ですね。
脳裏に残るくらいのインパクトですが、これだけでも見る価値はあるかと思います。
呪われた椅子
本作のトリとなるコーナーであります。
ストーリー展開も良く出来ており、仲睦まじい家族が買った椅子が実は奇怪な現象を呼び起こしているという起点。
それからそれを購入したカッコイイあんちゃんがやっている古物商にいき、そこから非常に好感の持てる解体業者の監督からラストフロアとなる廃ホテルへという進行状況は飽きることなく見れるし、生々しい箇所はいくつもあります。
そして、廃ホテルの中では辺りで明らかに不自然な音が鳴りやまずに、栗林と白石の表情なども加味して、絶妙の不快感とリアリティを醸し出しています。
トドメに公開される岡村夫婦のとったポルターガイスト現象と椅子に映り込む首吊りしている霊は非常によく出来ています。
この短い尺で盛り沢山な内容をここまでまとめるというのは、凄い仕上がりであると思います。
差出人不明の投稿ビデオの映像
神奈川県横浜市鶴見区小野町のコンクリート河川敷であるということがネットの情報でも特定されていますね。
それはそうと問題の映像は要するに召喚術の模様を収録したものであったというのが分かるわけです。
焼いた魔方陣の中央に更にワラ人形ということで、これは要するに疑似生贄を供物として供えて、人ではないものを呼び出したということです。
呼んで現れた対象物がモジモジ君のような霊であったのは少々、いただけないですが、結構、この映像は好きであったりします。
総評
私は結構、Version.Xシリーズに関しては辛口であったりするわけですが、基本的にこのシリーズは結構、好きなんですよね。
通常ルートのコンセプトや基本演出は抑えていても、どこか別スタッフらによる実験的要素も含まれていて全般通して新鮮なんですよねぇ。
もう、Version.Xシリーズが作られなくなって16年くらい経っていますか・・・何となくもう忘れられているシリーズの様な気がしていますが、現行のほん呪スタッフでVersion.X5というのを作ってみて欲しいなぁ・・・と密かに思っているわけですがね。
☟ネタバレや内容は以下のリンクから☟
・ほんとにあった! 呪いのビデオVer.X4の内容
・ほんとにあった! 呪いのビデオVer.X4のネタバレ
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