
ほんとにあった! 呪いのビデオ Special4は個人的にシリーズ中、全作品の中でも最高傑作であり、不動のNo.1であると思います。
私の中では反論を認めないくらいの域に達しているものであり、ほん呪作品の中でも何回も繰り返してみた異例中の異例の作品であります。
実際にコンテンツを書いているときも、他作品と比べて異様に時間がかかりましたが、楽しんで書けました。
と、いうわけで非常に長くなるでしょうが、感想の方を述べてみます。。
もくじ
ほんとにあった! 呪いのビデオ Special 4 各章のレビュー
夜の海
投稿者の高田さんは広いおでこが特徴的で狩野英孝に似ている雰囲気もありますが、結構、イケメンです。
高田さんの恋人はどこか田島陽子に似ているけど、非常に声がセクシーな感じの良い女性。
夜の海を見に行きたいという投稿者カップルの気持ちは非常に分かります。
誰もいない真っ暗で月あかりしかない海岸って、非常にロマンチックですからねぇ。
ですが、そんなカップルを見つめる霊がおり、それをカメラが捉えた瞬間、恋人は足を掴まれるということに。
恋人が驚くその様と悲鳴は非常にリアリティのあるものであり、苦笑しながらも声に焦りを感じる高田さんの様子も非常に生々しい。
問題の霊の映像も明らかに不思議な状態と感じるわけであり、心霊写真や心霊映像などに耐性の無い方は、これだけでゾッとすることでしょう。
衝撃的という程ではないですが、初っ端、視聴者のエンジンを温めるには完成度の高い仕上がりを見せています。
尾行
元探偵の尾行映像というのは、斬新なものであります。
本来ならば、辞めたとはいえ守秘義務があるので、これはありえないわけですが、それでもこれまでにどこにもないアプローチの心霊動画として秀逸。
ターゲットの女性は正面の顔は映っていないですが、後ろ姿を見る限りでは非常に綺麗系であると想像つくわけです。
それを隠しカメラを回しながら尾行するわけですが、不意にまかれてしまう投稿者。
ところがその後、所長から電話があり突然、中止になるわけで、その後に何故か投稿者の前に現れるターゲットの女性という展開。
問題の箇所は現れた女性の顔が消えているということに注目していますが、それ自体は全く怖くはありませんでした。
ですが、そもそもこれは非常に考えてみると不気味な話にも思えます。
何故、所長が突然、数日間にかけて尾行をしていた女性の尾行を急に中止したのか?
そして、女性が何故、その日に限って別の道を選んで、消え去ったのか?
ダメ押しに中止命令が下って帰ろうとしている投稿者の前に何事も無かったかのように現れたのか?
このストーリー展開が妙に後味が悪く怖さを連想させるに充分です。
また映像に時折、呟かれる投稿者がホント、新米の探偵みたいな感じの垢ぬけてないレポートがリアリティがあります。
この位のクオリティであれば、フェイクだろうがガチだろうがどうでもいい感じに思える位に完成されていると思います。
屋根裏
肝心要の映像も非常に不気味さを感じさせて怖いものであると思います。
映像に映る住人のチンピラは明らかに〇ャブ中のそれであり、出てくる女性の霊もタダゴトではない恐ろしさを醸し出しています。
しかし、このコーナーはその骨太な演出やストーリー展開に注目したいところです。
まず屋根裏に何かがあるという設定が非常にミステリアス。
今までに怪談で屋根裏に仏壇が隠されていたとかという話はあったのですが、フェイクメンタリーであろうがドキュメンタリーだろうが、そういったテーマを映像化したというものは私は今まで見た事がありません。
少なくとも私はこのコーナーが最初です。
そして、今までも他に見た事はありません。
更にその屋根裏を散策すると、誰かが生活していた痕跡が数年間、気づかれずに放置されていたという事実。
これだけでも霊云々を抜きにしても恐ろしいことです。
更にこれだけでは終わらずに、投稿者の坂崎さんの恋人に訪れていた悲劇は絶句以外の何物でもないわけです。
まるでそれは問題のアジア系の女性がされていたことが、そのまま恋人におきていたことであり、更には髪の毛までも全部、抜け落ちていたという病み様。
何かこれだけでも一本のコーナーが作れてしまいそうな展開であると感じます。
更に問題の映像に出てくるチンピラと女性の霊のことを良く知る岡林さんも個性的な証言者であり、生々しい。
どこかだるそうに語る岡林さんも決して演技っぽくなく、むしろ自然に当時のことを思い出す形で語っている様子も見ていて斬新に感じます。
アジア系の女性は密入国者であり、それにたかるチンピラがGメンをやり過ごす為に女性を天井裏に隠すという設定も、考えて見ればそれしかないだろうなと納得のいく展開です。
たった16分の尺の中に、これだけのエピソードを盛り込む手腕は、ただただ脱帽であります。
非常に見応えがある一本であると断言できます。
シリーズ 監視カメラ コンビニエンスストア
シリーズ監視カメラはすぐに終わる超短編でありますが、確かにこの映像も怖いものに仕上がっていると言えます。
なんというか箸休め的なものであり、視聴者を飽きさせないくらいの質には収まっていると思いました。
ヒッチハイク
どっからどう見ても投稿者の岩田さんたちが引っかけてしまった車は秘密裏に活動する宗教組織のそれであると連想させます。
スナック菓子を食べる岩田さんたちに説教をする運転手の女性。
そもそも人の車で飲食をするという常識のない投稿者たちは別の意味で怒りを覚えますが、問題はそれではない。
添加物まみれのスナック菓子を食べて身体がおかしくなるということに注視している運転手のその思考というのが、もはや普通ではないのです。
私もスナック菓子はあまり良いものではないと感じていますが、人がそれを食べてることには別に説教を垂れようとは思いません。
そこに色々、ケチをつけるあたり、洗脳の前段階の『対象を否定』と感じられる行為そのものです。
更におかしいと感じる岩田さんたちに対して、何事もないようにフレンドリーにやり過ごそうとする運転手の言葉掛けは、どっからどう見ても宗教の勧誘の女性によく見られるものです。
『だめぇ・・・みんな待ってるから・・・。』
『この子の様子もあるしぃ・・・』
『ちゃんと着くしぃ・・・』
『あなたたちのためだからぁ・・・』
『大丈夫だからぁ・・・』
この言葉掛けは、もはや確信犯的なものであり、何も言うことはないくらいに、その魂胆は丸見えであります。
そして不気味なのは一言も声を発さない助手席の少女の存在。
何故、ジャージ姿なのか? 何故、何も言葉を発せずに、うつむいたままなのか?
問題の映像はこの少女が真っ赤に爛れる顔が映り込んでいるというものですが、その点はあまりにもグチャグチャ過ぎて逆にリアリティにかけていたわけです。
が、それでもこれまでの展開が異常すぎるもので、このコーナーも見応えが充分にあると感じるものです。
シリーズ 監視カメラ 地下駐車場
特に語るべきところも少ないわけですが、柱に浮かぶサングラスをかけた中年男性の様な顔。
普通に何かの心霊映像オムニバスで使われても差し支えないレベルには仕上がっているものであると思います。
無名の投稿
肝心要の問題の映像に映っているのは、終始ボカシをかかっている投稿者の顔そのものであるのかな?と感じました。
この投稿者の行動、そのものがもはや常軌を逸しているものであり、社会人の洗礼を浴びて過度なストレスに冒されて非日常に逃避したいと願う若者がどんどん壊れていく様が克明に記録されているものです。
スタッフに向けて自分自身の最期をヘタクソな解説しながら公開していく様子は、見ていて痛すぎるし、病んでいることは明白なものです。
正直、私は見ていて痛すぎて笑ってしまってましたが、それでも、『こいつ死ぬつもりだからここまで恥をさらせるんだろうなー。』と感じたり。
途中で敬老の日だから、親に電話するシーンがあるのですが、心配しているであろう母親に対してババア呼ばわりしてヒステリックになる投稿者は、それだけでも痛すぎます。
そんな性格だからこそ、社会でも適応できずに自分をどんどん蔑むようになってしまっていることが如実に分かるというものです。
あくまで私はこのコーナーがガチであったと仮定しての感想を述べているわけですが、フェイクであったとしても、逆にここまでよく作ったなーと感心するわけです。
それだけこの投稿者に対しては同情心が出るわけでもなく、ただただ痛いというものであり、それを感じさせるだけでも見事かと。
謎の女
個人的にほん呪史上、最高のコーナーであると思っています。
と、いうよりは私は非常に似たような体験をしているからです。
私の場合は霊ではなく、本当にガチの女性だったんですけどね。
こんなに怖い感じではありませんでしたが、夜の自動販売機で男友達とジュースを買いに行くと、ちょっと頭のおかしい女性に絡まれてしまい(そこそこ可愛いけど危ない雰囲気があった)、面倒だからジュースおごって逃げたってだけなんですけどね(笑)
投稿者の佐原くんと三好くんに、当時の自分と連れの友人の面影を感じてしまい、メッチャ、感情移入してしまったわけです。
パッと見、不良っぽく、バンドマンっぽい二人なんですが、非常に言葉遣いも丁寧であり、垢ぬけているイケメンであるというのもポイントですね。
取材に丁寧に受け答えをする二人の様子は非常に好感がもてるものであり、決して嘘をいっているようには見えない。
フェイクメンタリーであったにせよ、このやり取りはやたら自然であり本当に信頼しあっている友人同士であることが伺えます。
そしてお互いに配慮し合いながら喋っているというのが現れていて、見かけとのギャップにまいってしまう感じですよ。
要するに滅茶苦茶、感じいいんですよね。
問題の映像も確か当時は動画共有サイトなどに不法にアップロードされていたことからも、見た人間の誰もがインパクトを感じたから故のことであると感じます。
物凄い怖い映像に仕上がっているし、また、実は佐原くんは既にカメラを回していた時には気づいていたけど、やり過ごそうとしているというのも生々しい。
そして、全くそれに気づいていない三好くんの自然な動きも不気味そのものであり、そんな三好くんを睨みつけている血塗れの女性はインパクト絶大です。
私は初見の時に何度もみて、『面白いなぁ・・・』と感じており、絶対にこのコーナーは続編でてくるだろうなと思っていましたが・・・。
と、いうのも、前述した通り、三好くんを睨みつけている女性という展開、そしてそれに全く気づいていないという点。
これは伏線としては充分すぎるもので、作り物であるならばいくらでも発展させられると思っていたからです。
残念なことに続編は全くなかったわけですが、と、いうことはガチなのか?とも勘ぐってしまったわけです。
実際にはこれだけのクオリティの高いものっていうのは、作り物でなければありえないとも思うわけですが、どうなんでしょうね・・・。
何にせよ個人的な思い出なども加味して、今までのほん呪の全作品、全コーナーの中で一番、大好きなコーナーであります。
採点をするのであれば、99点、SSS級であると思っています。
1点減点しているのは何故かと言えば、三好くんが一瞬、女性をよけているように感じる部分があるからです。
にしても、映像の怖さ、投稿者たちのリアリティ、生活感、設定、全てが完璧に仕上がっていると思い、不動の一位といえます。
実は映像の怖さという意味では、ぶっちぎりで一位の作品はあるのですが、それはいずれ・・・。
ちなみに私はこれを見て、構成・演出をしている坂本一雪が大好きになりました(笑)
シリーズ 監視カメラ 無人のオフィス
シリーズ監視カメラで紹介された心霊映像の中では、かなり上位に食い込むくらいの恐ろしい映像であると思います。
すーっと移動する霊の様子ですが、何故かカメラをガン見しながら笑っているように見える、その霊の表情はちょっと破壊力がありすぎると感じます。
小さい子供が見てしまったら、きっと暫くは一人でトイレにいけなくなるくらいの恐怖度は誇っていると思います。
消えた友人
ほん呪の特徴として続編ものは、意外にしらけるものも多かったりするわけですが、これは更に進化させていることに成功しているものであるといえます。
しかし、このコーナーの良さは大槻くんと石和くんと沼川くんのやり取りが、もはやコメディというかバラエティのノリ。
そして、真面目なんだけど容赦ない言葉を吐く仁科のチクチクさが面白いんですね。
ストーリー展開も実は大槻くんが信じていた地元に纏わるフォークロアは、嘘であったということであり、それを沼川くんは全て知っているという繋がりも生々しい。
更にこの彼らのやり取りは決して芝居がかっている様子もなく、逆にこれがアドリブの作り物であるならば、素晴らしいくらいの出来であると思います。
高校生というかガキの頃によくありそうなシチュエーションは何となく共感がわくものであり、男でないと分からない面白さと言うか何というか・・・。
メインのランドセルの少女の繋がりは、ちょっと無理があるようにも思えますが、実際にはPart11を製作している段階から、ここに繋げるつもりだったならば、素直に素晴らしいと言えます。
結局、ランドセルの少女はその真相は分からないまま終わってしまった感じですが、要するにあとは視聴者が各々、決めていいってことなんでしょうね。
故マメと呼ばれたゆうちゃんは実は地元の子供たちの間では死んだと思われてたけど生きていた。
しかし行方不明になっていたのは間違いなく、戻って来てからは精神を病んでいて、それが切欠で一家は東京の方に引っ越したという。
その後、ゆうちゃんが亡くなってしまったが、その霊はポスターがまだ現存する祠にやってきて、怪異を引き起こしているという具合でしょうかね。
しかし、11でのランドセルの少女は『鍵っ子』で虐められて水死したと思われる少女の霊であるということで、共通しているのは、鍵っ子もゆうちゃんも行方不明になっているということ。
ということは、実はこれは同じ少女であったってことでしょうかね?
ゆうちゃんは行方不明になっていたときは、2年ほど別の土地でランドセルを背負っていたけど、そこで虐められてしまい水に落とされて流されてしまった。
結局、その土地にいれなくなり帰って来たけど、精神を病んで東京にいって、その後亡くなったという感じでいいのかな?って個人的には考えちゃうんですがね。
総評
ほん呪スペシャル4についてのいつにも増して長いレビューを書かせてもらいました。
ここまで読んでくれた貴方はもう気づいていると思いますが、スペシャル4のコーナー、どれ一つとっても全てが見応えがあり高評価であるということ。
悪いコーナーが作品中、一つもないという究極の完成度を誇っていると思います。
いくら好きな作品シリーズであったにせよ、あまり贔屓目で見ない私ですが、逆に悪いところを見つけるのが難しいくらいのクオリティに仕上がっているのがスペシャル4であるかと。
やっぱり坂本一雪、横田直幸、北川さおりのこの3人の時期のほん呪はリング編でもそうでしたが、非常にストーリー展開が秀逸。
私の好みというものもあるのでしょうが、桁違いにデキが良いと自信をもって断言できます。
現行(2018年夏現在)のほん呪は、川合尚美が中心となって福田陽平も制作に加わっていて、凄く面白いものであると感じています。
それ以前にもまだ追って書いていない児玉、岩澤、ほん呪フリーク大好きの菊池時代、寺内時代も良作は多いですが、一本の質と言う意味においては、スペシャル4を超えるものはおそらくは今後も出てこないであろうと個人的に思っています。
☟ネタバレやレビューは以下のリンクから☟
・ほんとにあった! 呪いのビデオSpecial4のの内容
・ほんとにあった! 呪いのビデオSpecial4のネタバレ
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