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ほんとにあった! 呪いのビデオ リング編を視聴した感想レビューにうつります。

ドキュメンタリーと言う設定ながら、もはやドラマに近い内容になっていますが、個人的に非常に好きな回であります。

それでは早速、いってみましょう。

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ほんとにあった! 呪いのビデオ -リング編-レビュー

リング編と名付けられていることから、タイトルだけを見れば非常に痛々しいと感じて、言うのもこっ恥ずかしいと思ってしまうわけです。

しかし、その内容は非常に細部にまで計算されつくしていると感じるところがあります。

取材映像そのものは坂本一雪さん特有の色彩が映像そのもの込められていて特徴的。

キタノブルーを意識しているのかな?という風にも見て取れるのですが、キタノブルーよりもより青色が強調されているようにも思えます。

レポーターの北川さおりは女優兼ダンサーの女性で、そのせいなのかは分かりませんが、撮影の仕方が彼女をプロモートしているかのように映されているのもポイントです。

初っ端から16分くらいまでは、ダラダラと進む感じであり、全く必要がないと思われる再現イメージ映像なども挿入されていたりしています。

投稿者の青年や少女に執拗に関連性を見つけようとする北川さんのインタビューは、進展がなく少々、てんぱり気味の制作者サイドの心情をうまく表現できている様にも思えます。

演出補の横田直之さんは個人的には結構、好きなキャラクターなのですが、このリング編では大活躍だったりします。

初見の時は『すげえデブだなぁ・・・ハードな現場スタッフとかできるのかな?』と思ったりもしていましたが(笑)。

下川一家の問題児といってもいい智之くんはそこそこのイケメンでノリもいい如何にも若者!という感じ。

ニコニコしている笑顔もホントいい奴という印象をこの時は感じますが、これもある意味、後の展開にインパクトを与える為の役作りと言えないことも無かったり。

しかし芝居がかっているわけでもないわけであり、普通に引き込まれてみてしまいますね。

北川さんの時々、たどたどしい投稿者たちとのやり取りも、リアリティがあるわけで、この辺から既にドラマに引き込まれやすくなっているというところでしょうか。

投稿者の安藤さんが出てくるわけですが、その部屋においてある大量の本がやたらとマニアック。

かといって部屋そのものは古い築40年くらいの安アパートという感じで、印象的には安藤さん自身は危険人物なのでは?と感じさせる人間。

しかし、それは人は見た目などで判断してはいけないということを示している一つの仕掛けのようにも見えます。

結局、この安藤さんがスタッフも気づかないノイズを解析したことから、進行していくということになる。

この後、登場する下川さん一家の長である正幸さんと晴子さん。

正幸さんと智之さんのさりげないやり取りと冷静な晴子さんは、本当に信頼し合っている絆が深い家族という印象が見て取れるわけで、素直にいい家族と思えるわけです。

ドラマであると感じているわけですが、智之さんと晴子さんの顔は本当の親子のように似ていたりします。

そんな中、撮影したビデオは呪いがかかっており、映っている人間の誰かが自殺するという主題が打ち明けられると、下川さん一家が暴走していくわけです。

このへんの展開も微妙にうまいと感じます。

どっからどう見てもいい家族だと感じる正幸さんたちを見ているからこそ、当人たちの立場になってみれば、その家族を守る為に何でもするようになってしまう具合。

深読みしないと見えてこない部分もあったりするのですが、単純に怖いものを見たいというだけの視聴者が気づかないであろうところにまでシナリオを組んでいるというのは凄いと思います。

更には一見、不愛想で怪しい人物と感じさせて、敢えて視聴者に下川家の祖父の存在を見せつけるという演出や映像の撮り方も分かりやすくはありますが、うまいと思います。

平和で明るい家族を守る為に敢えて約束を破り、北川さんを拉致同然に連れて行くという暴挙にでる下川さん一家。

考えて見れば彼らの立場になって考えれば、呪いや怖いものの専門家という先入観があるからこそ、おかしなビデオを投稿したのに、自分と同じ立場の投稿者である安藤さんが解析をするという展開は怪しいと思っても不思議ではないですよね。

平和な家族がおかしなことに巻き込まれそうだから、不幸になるまえに未然に食い止めるという心情が表現されています。

北川さんを連れて行った下川さん一家を追跡するために、どこかカーチェイスアクションばりの演出もみられている。

それは、視聴者からすると本来の目的である心霊映像や音声の謎が知りたいという目的から、下川さん一家とスタッフのその後がどうなっていくのか?という目的へ変わってしまうわけです。

拉致された北川さんは自前の靴も無い、携帯電話も財布もない状態でカメラだけは回しているというのも無理があるとは思うのですが、二つの視点で一つの物語をみていくというデュアルムービー的な表現は非常に凝っているし、どこかオカルト系にはあまりないスリリングな気持ちを与えることに成功している気もします。

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結局、即興で行われた下川さん一家の計画も頓挫して、それは無意味なものになってしまったわけです。

ですが、この際に自分たちの思っていた気持ちを全部、吐きだし、演出補の横田さんも約束を破って結果的に振り回されたことに自分の感情をぶつけるという展開に。

だからこそ、この後の展開がまるでアドベンチャー映画をみるように、演じる一人一人に感情移入が出来るようになっていくための前段階のような気がしています。

結局、人が集まればよくありがちな単なる誤解で大きく争いになるというというものを表現していたりするのです。

結局、お互いに和解せざる得ない状態であることに気づくわけですが、途中で北川さんが本心を暴露するかのように下川さん一家に対する皮肉を言ってしまう辺り、実際に本当にこういうことがあったとするならば、誰もがそう思うだろうなと感じさせてくれる。

そして突然、スタッフや下川さん一家の訪問にも冷静に対処してくれた安藤さんが実に凄く良い人にみえてしまったりしていました。

結局、納得せざる得ない状態になった下川さん一家だが、そこに祖父が倒れたという新たな展開が。

ようやく今まであのおじいちゃんがどう関わってくるのだろう?という視聴者の気持ちを外すエピソードに入っていくわけですが、思っていたよりもおじいちゃんの物語上の価値は大きかったわけです。

それは今まで実体がない帽子の男がずっと下川さん一家につきまとっていたということを、登場人物のみんなに気づかせたということ。

最終局面に向かうための切欠を作ったのが、謎の存在であった祖父の役目であったわけですね。

更にここで気づくのは実はその帽子の男に気づく機会というのは、視聴者にもあったということですね。

その事実自体が怖いと感じさせる要素があったりとして、非常に作りこまれていると素直に感じるわけです。

帽子の男という謎に気づいたスタッフと下川さん一家が、ここから一丸となっていく様子がたまらない。

誤解と目的が違う為に噛み合わずにすれ違っていたのが、帽子の男が現れたことで一つになるという心理状態をうまく終盤で表現できています。

とにかく作品中の登場人物の高揚感が見ているこちらにも伝わってきてしまうという形で、これは初見の時も現在、改めて見ても感じるわけです。

そして太っている横田さんが帽子の男を追跡していく中で脱落していくというのも、ドラマにリアリティをもたせる分かりやすい演出であるようにも見えます。

もしも、この辺のことを省いているようであれば、まんま作り物であると気づく人も多いでしょうしね。

そして、その世話を買って出る晴子さんや、石垣を登れない北川さんに手を差し伸べる正幸さんの細かい描写が一つのパーティーになっていると完全に見ているコチラも感じさせることになるわけで、この編集構成は絶妙であると感じているわけです。

最後に現れた廃病院のシーンというのが、映像描写も手伝ってのことでありますが、とても大元の映像に込められた呪いが人間に解明できるものではないと間接的に暗に思わせることにも成功しているという見せ方も秀逸に感じます。

結局、肝心要の呪いの正体が何であるのかが分からないままというのは、ここまで見て無責任に感じる視聴者もいるのでしょうが、あくまでこれはありのままを作品にしたというスタンスで公開されているので、それを伝えることもないと言えるでしょう。

総評

これはあくまでフェイクメンタリーであり、ドラマとして作りこまれたものであるというのは間違いないと思います。

そもそも、ほん呪で紹介されるコーナーの殆どがそういう感じで構成されたショートムービーとして見ているので。

ですが、その中でも非常に緻密に細部まで作りこまれている作品であると思います。

ほん呪は作品そのものを量産し続けていた時期であるし、リング編は特に実際に作っているスタッフや登場人物なども非常に少ないことから、低予算、短い期間の中で作られたものです。

そんな中でこれだけ緻密に細かいところまで作りこまれて、それを出来るだけ表現していることに成功しているというのは、素晴らしいの一言。

結構、何回もみてしまった回であって、個人的には大好きなエピソードです。

ちなみにこの回で更に坂本一雪さんが凄いなぁ・・・と強く思った作品でもあったりします。

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ほんとにあった! 呪いのビデオ リング編の内容とネタバレ

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