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ほんとにあった! 呪いのビデオ9のレビューになりますが、印象は本当に無機質そのもの。

構成と演出は松江哲明であり、これが彼の持ち味ということに他ならないようですが、決してそれは悪くは無いと感じます。

しかし、特徴があったりするので、それを主体に感想を述べてみます。

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ほん呪9の各章のレビュー

屋敷

投稿者の平井さんたちの印象は、よくいる10代の向こう見ずな若者グループという軽さが際立っています。

だからこそ、そんな彼らが撮ってしまった映像には、どこか違和感があると言わんばかりの樋渡の挙動が軽くコーナーの印象を強めています。

冷たく低い声でハッキリと言う樋渡の態度は決して悪いものではないのですが、どこか不快感を感じるものであったりするのは何故でしょうか?

それを察したかのように松江も投稿者たちが霊であると言い張る問題の映像は作り物であることを暗に示しているかのような返答をするという変わった流れになるのもポイント。

決して何でも霊だの呪いだのと言っているわけではないというスタンスを示しているかの様にも思えるわけですが、実際に松江哲明はドキュメンタリーに強い思い入れがあるので、出来るだけ真実ありのままを残したいという気持ちの表れが演出に出ているのがよく分かります。

だからこそ、松江の手掛けるほん呪の各種コーナーは幽霊が怖いというよりは後味が悪さが残るものばかりになっているのではと。

このコーナーも結局、投稿者の若者たちのフェイク映像であったと暗に示しているようにも思える終わり方で締めくくられているわけですが。

問題の映像は全くもってインパクトに欠けるものであり、逆に投稿者がよくそれに気づいたなと思うものであります。

白い足というのも、夜の暗さに溶け込んでいてハッキリと認識することはかないません。

投稿者3人に取材をして肝心要の心霊映像がこの程度では、全く持って満足感などはもてないわけですが・・・。

この映像は少々、特殊なものであり、確かの問題の箇所には二つの大きな瞳が映り込んでいるのが分かります。

しかし、その瞳ですが、これはどう見ても一昔前の少女漫画で描かれる女の子の瞳であることが如実に判別つくものです。

それが何故、硝子にうつっているのかということが、そもそも意味不明なのですが、だからこそ合成の可能性が高いとも勘ぐれるわけで・・・。

白煙

ほん呪9のコーナーの中では白眉といっていいコーナーであると個人的に思ったり。

当然、フェイクと思って止まないのですが、コーナーそのものの流れが非常に良いと感じます。

花火が炸裂してフラッシュの際に、ギリギリ何かが見えたような感じがする映像を丹念にスローモーション映像を織り込んでいる丁寧さ。

そして判明したのは一昔前のダンディな男性の白黒写真(遺影と見ても差し支えない)ものが映り込んでいるという代物。

これは怖いものを見るということに耐性が無い人間からすると、非常に戦慄をおぼえるものであるといえます。

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大学校舎

古き昭和の時代を蘇らせてくれるかのようなコーナー。

学生運動がモチーフとなっているわけですが、そのフィルム映像に割り込んでいる人の顔の様なもの。

フィルムの質感にも溶け込んでいる様にうつっていることから、実際にそこにあったなにかが顔の様なものに映ってしまっているという気がするのですが・・・。

合成だとすれば、かなりうまく重ねたな・・・と思うわけです。

特に怖いという気持ちは全く初見の時も現在も思いませんでした。

廃村

当時、女房と見ていて、やたらと私が『おかあやん』というその言葉と言い方にハマって、連呼していたときのことを思い出しましたよ。

苦笑していた女房の表情が昨日の事のようです。

と、まあ、それはさておき、コーナー自体は心霊映像がとられた経緯を紐解くという取材なわけですが、実際は廃村の雰囲気を味わうという様な印象が強いですね。

その分、ダラダラ感が拭えないわけですが、一つのイメージビデオとして見るならば感慨深いものもあったり。。

しかし前作でありえない失態をした演出補の中西佳代子が髪を切って、大人しくしている様子というのは、別の意味でも違和感を感じたり・・・。

本作の白煙に続いての優秀なコーナーと思っているのが影ですね。

カード切りをしている最中に撮ってしまった幽霊の手の影ですが、作り物にしてはよう出来ているなーと感心する仕上がりを見せています。

それに加えて滑り台の子供たちが投稿者のカード芸をみて拍手をするという描写も、非常に生活感を映像に込めることに成功しておりリアリティがもてるものになっているのも魅力的。

ただ単純に怖いものをポンと表現するだけではなく、こういう何気ないところによくある情景を盛り込むことで全体が締まるというのを感じさせてくれる一本ですね。

学芸会

学芸会そのものはどっからどうみてもガチの映像であるのは間違いないでしょう。

その際に映り込んでしまった老人のような霊というのも、割と映像に溶け込んでいるし、投稿者の取材映像があるわけでもないので、それらを踏まえて判断すると、これは本当に投稿されてきたガチの映像かな?と感じるわけです。

しかし、こういうものは全体の数からすると極々、僅かなわけで、そういう意味ならば非常にレアな一本といえるでしょう。

女の声

何気ない人間たちの、何気ない模様の中に、突如としてその場に似つかわしくない子供の意味深なつぶやきが印象的。

特に怖いと感じることもないのですが、どこか得体の知れない何とも言えない気持ちにさせてくれるようなコーナーであったりします。

何故、『寒い』なのか?というのを突き詰めて考えると気持ち悪さが出てきたりもするのですがね。

アパート

ほん呪9のトリとなるコーナーでありますが、肝心要の心霊映像は確かに気持ち悪さが漂っている怖さがあります。

決してハッキリと投稿者のイラストのように映り込んでいるわけではないのですが、風呂場のすりガラスの向こうに何かがいるという映像が気持ち悪いわけです。

更に追い打ちをかけるかのように、視聴者を不快にさせるのが、問題の映像がとられたアパートを訪ねていった際に遭遇する隣の部屋の住人。

特にこの人間がアパートの曰くに関わっているということでもないのですが、不意に訪れた取材陣とはいえ対応の仕方が、あまりにも偉そうで見下しているところが丸分かりなわけです。

松江哲明が本来、テーマにしたいのは何気ない日常においての負の部分の人間性を暴くというところにあるのかも?と感じるわけです。

このコーナーに出てくる所謂、イヤな奴という人物を敢えてコーナーに加えることで、更に視聴者を不快にさせることに成功しているといえるでしょう。

もしも、これがガチであるならば、本来はこんなシーンはカットされるべきなのでしょうけど、それを見せてしまっている辺りに松江哲明のこだわりがあった様に見えます。

総評

総合的に見てほん呪の多くの作品群の中では、あまり面白さに欠けるランキング的には下から数えた方が早いというところに収まってしまう出来かと・・・。

ほん呪初期だったからこそ許された仕上がりであったわけですが、あまりにも別方向に偏ってしまっている印象が拭えないそんな作品となっていると言えます。

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☟ネタバレや内容は以下のリンクから☟
ほんとにあった! 呪いのビデオ9の内容
ほんとにあった! 呪いのビデオ9のネタバレ

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