
ほんとにあった! 呪いのビデオ8のレビューです。
新体制になったことによる作品の雰囲気は確実に変わっている印象はあります。
そして、非常に見ているこちらとしても嫌な気持ちにさせるコーナーもあるのですが・・・。
ほん呪8の各章のレビュー
死者から返却されたビデオ
初見の頃は非常に怖く感じて、夜も寝付けないくらいに感じた個人的に超ド級の映像と感じたもの。
そもそもこれを見た当時はほん呪シリーズに対しての耐性が皆無に近い状態でしたからねぇ~。
現在、改めて見ても然程、怖いと感じませんが、それにしてもインパクトある映像だなぁと感じます。
問題の怖い顔はよく見ると劇画タッチのイラストの様にも見えてくるわけですが、それは果たして?
テレビ
本作のトリになってくるコーナーですが、いわゆる、ピカチュウ事件を彷彿とさせるものです。
しかし、どうも芝居がかっているんですよね・・・。
投稿者のお父さんはどこか無理に役を作っている感じで、不自然。(息子を極度に心配しているところとか)
息子が倒れているシーンも、当の彼は身体に力が入っているのが映像からも分かるくらいに直立不動をキープしつつ、顔はただ目を閉じているだけというもの。
しかし、お父さんと息子が遊んでいるシーンそのものは自然そのものであるわけで。
これは私の勘ぐりですが、素人で出演許可が出た家族に対して、その場で演技指導のようなものをしていたのかな?って思っていたり。
ちなみにほん呪8はあまり見たくないと感じるのも、続くトリの終わり方が不快感だけ終わってしまうからですが、それは後ほど。
遊園地
非常に古すぎる映像なわけですが、だからこそ雰囲気が映像から感じ取れるものです。
しかし、投稿者の友人の顔に被る黒いモヤも、映像が古くてテープに劣化やノイズが入りまくっている質感が悪いからこそのものでないのかな?と感じたりもします。
ガチであってもおかしくはないと感じるわけですが、これを心霊現象を捉えた映像であると断言するのは早計のようにも感じたり。
ですが、やはり笑顔でカメラに視線を送る人間の顔が黒くなっていくというのは、理由はどうあれ、気持ち悪いと感じるのは否めない。
運動会
娘の生前の元気な姿を捉えたどこか切ない映像という感じですね。
そのエピソードが本当であれば、こういう映像を見るのは忍びないとも思うわけですが、問題の箇所は全くそれが心霊映像にも思えない。
画質があまり宜しくないというのも手伝って、映像で矢印スーパーなどで指摘されている箇所は全く顔には見えません。
投稿者が心霊映像と感じて、そのまま投稿してしまったものを、そのまま作品に使ったということなんでしょうかね?
ラブホテル
非常に怖い映像であると、初見の時は思いましたし、今見ても怖いと感じる仕上がりです。
ラブホテルという場所の特性上、そこは性欲が発散される男女のエネルギーが満ちているわけです。
だからこそ、そういう場所ではトラブルも多く、事件も起きやすいわけですから、どのラブホテルにも曰くの一つや二つがあってもおかしくはないわけです。
しかし、このコーナーで初登場する演出補の中西さんがラブホテルに取材依頼する様子ですが、この時点から既に嫌な予感がする感じでした。
取材依頼の仕方がまるで押して押して押しまくれば何とかなるという感じに見える。
さながら、マルチ勧誘や宗教勧誘のレベルの低いセールスレディという感じで、物腰は丁寧ではあってもイヤぁな印象を感じます。
一生懸命さは伝わってくるんですけど、この時点から不快感が沸々とわきあがってきていたのは初見の頃からです。
動物園
こちらも映像は極めて劣化しているかのように古いものであります。
だから、肝心要の心霊映像がよく分からないという具合です。
お情けの様に編集で霊と思われる物体にラインで分かりやすいようにマーキングしてあります。
が、いまいち、そう見えなくもない程度であり、人のカタチとしてハッキリしているとはとても思えないわけですが・・・。
団地
投稿者の榎本さんはずっと長い間、住んでいた団地から別の場所に引っ越す際に、思い出としてビデオ撮影をした。
団地の入り口付近に備え付けられている水場の蛇口に向けてカメラを向けてアップすると、その左側にアゴを突き出した様な男の不気味な笑い顔が映っている。
更にはその顔が現れたと同時に、小声で何事かを呟いているような人間の声も同時に収録されていた。
鏡
問題の映像は投稿者の岩淵さんが、友人の徳元さんの家の鏡のある部屋で遊んでいた際に撮られたもの。
岩淵さんが鏡の前にいる徳元さんを撮影していた際に、鏡に反射している岩淵さんの身体が残像を残すかの様にうつっている奇妙なもの。
その映像を撮影してから、徳元さんは体調を患ってしまい、それを心配しているという岩淵さんがそこにいた。
河原
こちらも古い質感の映像である年代を感じさせるものである。
家族が河原でキャンプしている際に、キャンプに参加した男性が河原を横断し向こう岸に辿り着いた様子のシーン。
その男性の後ろには森林がうつっているが、そこには一瞬、家族連れと分かる人々の上半身がくっきりと映り込んでいた。
映画館
投稿者が映画館の受付で仕事をしている際に監視カメラでその模様を捉えていた。
人がいないロビーで人の気配を感じた投稿者は映像内でもそれを気にしている。
白黒の映像内にはお客用のベンチの傍で白く点滅するかのように現れる人影が映り込んでいたのだった。
続・テレビ
シリーズ中、個人的に一番、不快感があるといってもいいコーナー。
なので、コンテンツを書く際に改めて見返すことも嫌に感じるのが、この【続・テレビ】だったりします。
と、いうのも、あまりにも理不尽と思える当時のほん呪チームの面々と、息子を想うが余りに不安に駆られてアクションを起こしてしまう頼りない父親。
それに巻き込まれる何の罪もない投稿者の妻とその母親という構図。
コーナーだけ見て、内容を把握していないのならば、投稿者の妻であるユキヱさんが物凄い嫌な女にも見えてしまうわけですし、その母親もどこかスタッフを馬鹿にしている様にも見えるわけですけどね。
しかし、それは彼女たちの立場にたってみれば、ごもっともな話であります。
そもそも、発端は投稿者の父親にあり。
息子の視力が落ちた原因を、妻の実家にある亡くなったユキヱさんの兄の生前をうつした思い出のフィルムにあると関連付け。
スタッフを巻き込んで切欠を作っておきながら、妻が怒りを露わにしている際は、息子の面倒にかまけて自分の主張しない父親。
まずこの父親の不甲斐なさ、非常に嫌悪感をおぼえます。
更には演出補の樋渡、中西の両人がユキヱさんに言う言動も口調は穏やかであるものの、よくよく考えると傲慢そのものであるかと・・・。
ユキヱさんからすれば、知らない間にいきなり見知らぬ人間が作る映像制作に巻き込まれる。
更に可愛い息子が突然、目が悪くなったりして今後に不安があるのに、いきなり現れた樋渡に実家の兄の思い出のフィルムに関係して失明の危機にあると言われる始末。
スタッフの頭である松江には熱くビデオを制作する意図や真意を語られるが、そんなことはユキヱさんや母親にしてみれば、突然沸いた知ったことではない事柄。
ここまでで訳が分からずに不安感を増幅させられてしまったユキヱさんだが、更に追い打ちをかけるのが中西が楽天的に考えてもいいというニュアンスの発言を浴びせられる。
何故なら裕貴くんは元気溢れる子供だからというお粗末な理屈が炸裂。
最大限に不安を煽ることを言われて、それを撤回するかのような発言をされて、それを受けてるユキヱさんがガチギレするのは無理もないでしょう。
とどめには樋渡が中西に向けて無責任な発言はやめてもらいたいと指摘するものの、それはアンタも同じだろ?と思うわけです。
とにかく何が見るに堪えないかというと、こうした自分の正義をおしつけあっているかの様なスタッフや父親のやり取りが気持ち悪すぎるということです。
が、それにしてもユキヱさんやユキヱさんの母親の表情は芝居がかっておらずに、ガチの雰囲気が伝わってくるわけで、だからこそ見ていられないというコーナーになっています。
これ自体がフェイクである可能性は充分、ありますが、構成の松江さんは何を表現したかったのか?という疑問も感じます。
肝心要の映像はインパクトあるのですが、このあまりにも身勝手な人間たちのやり取りは、何を伝えたかったのかが全く分からないという後味の悪さも感じます。
視聴者をそんな気持ちにさせるコーナーという意味では、類を見ない出来ではあるとは思いますが、もう一度みたいという気持ちにもならないというのは作品としては失敗しているのではないかとも思ったり。
前作や後作で思うのは、演出補の面々にも視聴者は感情移入が出来る人間味があったり、その人となりが気になったりするポジティブな気持ちになることが多い。
しかし、松江哲明時代のほん呪の演出補にはそういった気持ちが湧き上がらないのも、これを初っ端に見たからなのかも知れません。
総評
続・ビデオでは個人的に感じた不快感を頑張って出来る限り文章にしてみました。
だからといって作品そのものが不快に感じることはなく、むしろアンコ増量している感じにも思えます。
淡々と進行していて、肝心要の心霊映像はインパクトあって怖いという具合で。
それも、この作品から後に坂本一雪さんが携わっているからだと個人的には思っていたりするのですが・・・。
☟ネタバレや内容は以下のリンクから☟
・ほんとにあった! 呪いのビデオ8の内容
・ほんとにあった! 呪いのビデオ8のネタバレ
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