ほんとにあった! 呪いのビデオ76のネタバレになります。
これまで演出補であった川居尚美が、監督となって構成される一巻完結のメインエピソード【誰がために】に注目できます。
もはやドラマであると感じるわけで、そのテーマも痴情怨恨と見えざる手、集団心理が織り交ざった、少々、難解なストーリーになっているのが特徴です。
ほん呪76の各章のネタバレ
おことわり
本作品は、投稿された映像をそのままの状態で紹介しているため、画像の乱れやノイズなどが生じる場合がありますが、あらかじめご了承ください。
これからご覧いただくのは、一般の視聴者より投稿していただいた映像です。
ご覧いただいた後、不可解な出来事や霊的現象が起きた場合、こちらでは一切の責任を負いかねます。
本作品はお祓いを済ませております。
インディアン水車
投稿者の金子さんが北海道旅行をした際、インディアン水車を採用している施設で撮影したビデオ。
インディアン水車とは川を渡る鮭などを捕獲できるものであるという。
問題の映像は捕獲された鮭を貯めている水槽の中を撮影した時に現れる。
金子さんが水槽のガラスに接近して、鮭の頭部のアップ映像を撮影していると、その背後から逆さの状態で腐乱したかの様な人間の頭部が近づいてくる。
近年、この近辺では山の管理が行き届かなくなっている為に、麓に降りてきたヒグマによって、人間が襲われることがあるという。
過去にある男性がそんなヒグマの被害に遭い、バラバラにされて亡くなるという痛ましい事件があったというのだが・・・。
孤独死
このコーナーは普段と違う構成になっている。
唐突にナレーションで投稿者の紹介があり、インタビュー取材の様子になる。
問題の映像が公開されるときに、コーナー名と投稿者名が出されるという変則的なものである。
インタビュワーは男性であるが、誰なのかは不明である。
投稿者の奥村さんは大学時代、音楽サークルに所属していたという。
その時の仲間がインディーズレーベルからデビューを果たすということで、久しぶりに会ってお祝いをしようということになった。
映像が撮影された場所は、デビューを果たすという仲間の自宅アパートであり、撮影した理由はお互いに社会人になり、なかなか集まることが出来ないので、記念に共有しておくつもりでのことであった。
問題の映像は狭い和室の中で、酒やつまみを並べて賑わう奥村さんたちの飲み会の様子の中に現れる。
撮影している中、部屋の窓が開けられているが、向かいのアパートの窓に何かが蠢いている。
それに気づいた奥村さんがズームをすると、すりガラスの向こうに誰かがまるで助けを求めているかのように、手をガラスに付けて何かを叫んでいる様子が現れている。
怯えながらもそれを撮影している奥村さんが、一瞬、カメラを上に傾けると、部屋の窓の上部に逆さの状態で部屋に入ろうとしてきている黄色味がかった老人の姿が映し出される。
その後、スタッフが調査をすると、向かいのアパートの部屋では数か月前に、老人男性が孤独死していたという。
以来、アパートでは怪現象が起き続けているということであった。
雪道
近畿地方在住の投稿者・栗林さんが、豪雪の際、同僚を車で送っている最中に撮影した映像。
大雪が降る夜間の雪道を注意しながら走っている栗林さんたち。
そんな中、カメラは電信柱の後ろにたつ半袖姿の男性の姿を捉える。
その後、同僚の女性が車から降りる際、同じ男性と思しき者が、助手席に座る同僚の女性の足元から見上げるかのように映り込む。
男の顔は血塗れであり、目には黒いクマが出来た状態。
栗林さんはカメラを撮影している時には、全く男性には気づかなかったが、車内にはどういうわけかガソリン臭がしていたということであった。
後にスタッフが調査をしてみると、同僚の女性の婚約者であった男性が不審死していることが判明。
三年前、登山の最中、崖から転落死しており、事故か自殺かは不明なのだそうだ。
更にその男性は生前、彼女に裏切られたと周囲に洩らしていたという。
誰がために 前編
約四年半前にカラオケボックスで遊ぶ男女混合の高校生たちの様子を捉えた携帯カメラの映像。
投稿者はこの映像を最近になって、見たところ奇妙な変化が起きていることを発見したという。
スタッフルームに招かれた投稿者の稲羽博美さんと宇陀杏花さんの二人が、演出の川居尚美と演出補の山本屋歩に映像が撮られた経緯を語る。
投稿映像の撮影者は稲羽さんであり、高校生時代によく遊んでいたグループを撮影したものであるという。
映像にも映っている友人達が結婚するので、その記念のDVD作成の為に、昔のビデオ映像などを編集しようと稲羽さんと宇陀さん確認した。
結婚するのは仲居優里さんと鈴木良太さん。
二人が一緒に映っているビデオであった為に、素材として使おうとしていたのであった。
投稿映像に映っている女性は全部で五人。
その中の樋口佳苗さんが映っている箇所に、奇妙な変化が起きているのだが、現在は佳苗さんは病気で亡くなっている。
取材の中、稲羽さんと宇陀さんは、学校を卒業してからは、佳苗さんとは連絡を取り合ってはいないと、演出の福田陽平に語る。
最近まで四年半前に撮影した問題の映像は見ていなかったということで、いつ映像が変化したのかは分からないと語る稲羽さんと宇陀さん。
稲羽さんは川居に映像のお祓いと、自分自身と宇陀さんのお祓いを催促する様な言動を述べる。
佳苗さんが亡くなっていることが、映像の変化と関係があると感じており、それに対して怯えている稲羽さんと宇陀さん。
川居は問題の映像などを調査をした上で、判断させてもらうと告げると、稲羽さんと宇陀さんは、これから結婚する仲居さんと鈴木さんの二人の幸せのことを考えると気掛かりであると言い、お祓いを早くして欲しいと催促をする。
稲羽さん達の今回の投稿の目的はお祓いにあった。
そして、結婚を間近に控えている二人に影響があることを懸念して、お祓いを急いでいるということでもあった。
ここで問題の映像が公開される。
撮影者である稲羽さんを含めて、女性は五人。男性は三人。
カラオケボックス内で、高校の制服を着た状態で盛り上がっている様子が映し出されている。
稲羽さんの向かいの席に鈴木さんと佳苗さんが隣り合って仲睦まじそうに座っているのだが、映像が進むにつれて、佳苗さんの姿が跡形もなく消えている。
しかし、その数秒後、佳苗さんの姿は再び何事も無かったかのように、現れているという投稿映像であった。
投稿映像に映る女性の一人、福田瑞帆さんに話は変わる。
稲羽さんと宇陀さんによると、LINEで連絡を取り合っている瑞帆さんが返事がなく、既読すらつかないと語る。
仲居さんと鈴木さんの結婚式の招待状の返事も返ってこないということであった。
瑞帆さんは現在、東京で福祉系の仕事をしているということであった。
稲羽さんと宇陀さんに投稿映像に映る他の人物に取材する為に、協力を仰ぐ川居であったが、二人の返答は歯切れの悪いものであった。
とにかく稲羽さんと宇陀さんは、お祓いを早く望んでいた。
結婚式が始まる前に、投稿映像のお祓いを済ませたいという稲羽さんと宇陀さんの気持ちを理解しつつも、何故、映像が変化したのかの根本の理由を解明できなければ、お祓いをしても解決には至らないとスタッフは感じていた。
稲羽さんと宇陀さんが帰ってから、福田と川居と山本屋、そして演出補応援の大塚裕司の四人で、調査の方向性を決める話し合いが行われる。
川居は映像を見た上で変化が起きている佳苗さんの身辺や、現在、行方が分からない瑞帆さんの周りを調べることが先決であると提案する。
福田は樋口さんが亡くなってから映像が変化したのか、映像が変化した事で亡くなってしまったのか?にも注視していた。
順番によって、投稿映像の意味が変わることを話し合っていた。
映像が変化した後で、登場人物が亡くなるなどの不幸があるならば、映像そのものが予告映像である。
川居は今、真っ先に調査するべき人物は行方が分からない瑞帆さんであると言い、まずは瑞帆さんの行方を探る調査を開始する。
カメラを回す川居と、山本屋は演出補の寒川聖美と供に、瑞帆さんが学校を卒業してから就職した介護施設の上司・杉山満さんに取材を敢行。
杉山さんは現在、瑞帆さんは実家の方で療養中であると証言。
瑞帆さんはトラブルもなく、利用者たちにも人気があった女性であったと言い、職場の人間関係も良好であったという。
2月に瑞帆さんは資格の試験を控えており頑張っていたのだが、急に長期休暇を取る様になったという行動は、杉山さんは不可解であると感じていた。
杉山さんがメールを送っても、瑞帆さんからは現在、返信が無い状態が続いているという。
その後、編集中、投稿映像に更に不可解な点があることを発見する。
最初の段階では佳苗さんの姿が消えているということであったが、それとは別の箇所に手の様なものが映っている箇所を発見。
更に女性のような人影が映り込んでいる箇所も発見。
新たに発見した二点の現象は、いずれも映像内の瑞帆さんの近くで起きているということだった。
川居は連絡がとれない瑞帆さんに対して、危惧を強めていた。
その後、川居たちは瑞帆さんの実家を訪ねることにするが、療養中であると言うことで取材は拒否される。
連絡先を残して、ひとまず瑞帆さんの実家を後にする。
ここで、新たに発見された不可解な箇所が公開される。
佳苗さんが消えている映像の中、隣に座る瑞帆さんの肩の辺りに、彼女を指差すように現れている手がハッキリと映っている。
更にその後、カラオケを歌う瑞帆さんの様子が流れる際、その背後に女性の頭部らしきものが映り込んでいる。
映像が変化している状況を重くみたスタッフは、稲羽さんと宇陀さんの要望を受け入れて、二人をお祓いに向かわせることにする。
ここで一旦、コーナーは停止する。
シリーズ 監視カメラ 彷徨う
投稿者の瀧さんは劇団に所属する女性であり、投稿映像は本番前の最後の稽古中の模様を記録したもの。
瀧さんは当時、違和感を感じており、劇場内の防犯を兼ねた複数の監視カメラの一台を確認した。
問題の映像は稽古中の役者たちの様子を捉えた際に、不意に現れる。
一人の役者が倒れ込み感電するという設定の芝居をする。
それに合わせて照明が点滅を繰り返すのだが、その時に、舞台奥を移動する女性の姿が映り込んでいる。
舞台左側に現れたその女性は両手で何かを持ち上げる様な仕草をする。
そして、中央に移動するのだが、その時には首を吊っている様にも見えるのだった。
瀧さんによると数年前、劇場が入っている雑居ビル内のスナックを経営していた女性が自宅近くの山林で自殺をしていたという。
その後、雑居ビル近くでは原因不明の事故などが頻発するようになり、公演中にも照明からの漏電によってボヤ騒ぎがあったということであった。
温泉旅行
投稿者の北井さんが年末に歳下の恋人と海辺の旅館に宿泊した際に撮影したビデオ。
北井さんによると宿泊した翌日の朝、恋人が窓の外に広がる海辺に知人の女性が居ると言い出し、口論になり窓の外を撮影していた。
カメラを回しながら、怯える恋人の姿と、彼女が指し示す海辺を交互に撮っている北井さん。
恋人は『いないよ?』と言う北井さんに対して、憤りを見せるのだが、立ち上がり海辺を再び見回す。
立ち上がった恋人の背後には、黒い人影がまとわりつくように動いている様子が映り込む。
その女性はショートパーマをかけた髪型をしており、真っ黒い人影であるものの、うっすらと面長の女性であることが分かる。
更にその顔は右上に歪んでいる。
北井さんによると、恋人が言った知人の女性というのは、会社の後輩であるのだが、一年前に自殺している女性であるという。
恋人はかつて指導係として、その後輩の育成を担当していたのだが、彼女は仕事上のストレスからうつ病となり、自宅マンションで首を吊ったという。
料理
投稿者の坂口さんが遠距離恋愛中の彼氏に向けて、好物のレシピを解説している映像。
Webカメラで撮影されているが、調理中の模様が流れる中、映像は激しく乱れる。
音声もブツブツと途切れがちになるのだが、カメラから坂口さんの身体がズレた時、背後の白い壁に人間が現れる。
その人間の頭部はザンバラ髪で、カメラを睨んでいる様に見える。
更に、頭部の上に右手、頭部の下に左手が、壁から飛び出ている様に映り込んでいる。
そして、調理中の坂口さんの姿だけが消失してしまうように映り、すぐに現れる。
投稿を受けてから、スタッフが坂口さんに部屋の調査以来の為に連絡をとると、その時には既に坂口さんは行方不明となっていた。
映像が撮影されてから一か月後、坂口さんは彼氏にも何も言わずに、自宅マンションも解約していたのだった。
投稿者の坂口さんが本作品を見ていたら、早急に連絡して欲しいというナレーションが加えられて終了する。
誰がために 後編
投稿映像に映っている鈴木さん以外の男性である飯嶋純輝さんと加藤光さんに取材を敢行。
飯嶋さんと加藤さんによると、四年半前の投稿映像が撮られた時、佳苗さんと鈴木さんは交際をしていたが、高校卒業間近に別れてしまったという。
二人は高校一年生の時から両想いであり、高校二年生の頃に交際が始まった。
結婚しそうな雰囲気を感じるほどに仲睦まじかったが、卒業間近に別れると知って、皆、驚いていたという。
川居は鈴木さんと結婚が間近に迫っている仲居さんのことを、飯島さんと加藤さんに聞く。
仲居さんは高校時代は高嶺の花であり、大人と付き合っていそうな雰囲気があったという。
山本屋は細かく仲居さんと鈴木さんが交際した経緯を聞く。
しかし、グループ内では仲居さんと鈴木さんが交際した経緯は知らなかった。
仲居さんと鈴木さんの関係性が、佳苗さんとの別れに繋がったと言うことではない様であった。
飯嶋さんと加藤さんへの取材後、瑞帆さんから連絡があった。
瑞帆さんに公園でインタビューをする川居。
亡くなっている佳苗さんと瑞帆さんは親友同士であり、高校を卒業してからの佳苗さんを良く知る人物でもあった。
瑞帆さんと佳苗さんは高校入学後、席が近かったこともあり、親密な関係になった。
その頃からずっと親友同士であったが、佳苗さんは実は仲間内でイジメられていたという。
高校時代に佳苗さんは鈴木さんと付き合っていたが、同じグループ内に鈴木さんを好きな女性がいた。
それが切欠で佳苗さんと鈴木さんを別れさせようという動きになり、その作戦を練るLINEグループが結成されたという。
鈴木さんに想いを寄せる同級生の為に、ありもしない噂を流したりしていた。
そういったことが原因で、佳苗さんと鈴木さんは別れてしまったと瑞帆さんは語った。
別れさせるグループを作り、主体となっていたのは稲羽さんと宇陀さんであったと瑞帆さんは言う。
川居がその後、仲居さんと鈴木さんが交際したということを佳苗さんは知っていたのか?と瑞帆さんに尋ねると、佳苗さんは知らなかったと語る。
仲居さんと鈴木さんの結婚式の招待状が届いた時期、佳苗さんから瑞帆さんにメールが届いた。
その内容は恨みつらみを書いているものであり、メールの最後には『私がいなくなったら・・・次は誰かな』と書いてあった。
川居は佳苗さんは病気で亡くなっていると聞いていたと話すと、瑞帆さんは少しの沈黙の後に自殺と話した。
佳苗さんは仲居さんと鈴木さんの結婚式の招待状が届いたことで、高校時代に陰で受けていた周囲の行動に気づいてしまったということであった。
川居は瑞帆さんに投稿映像を見てもらおうとすると、既に瑞帆さんは映像の内容を知っていた。
自分の背後にいる女性や指をさす者の正体は、佳苗さんであると感じており怯えていたのだった。
また瑞帆さんは佳苗さんの親友でありながら、高校時代に陰で行われている事をバラすと、自分自身がイジメの標的になることを恐れてしまっていたという。
佳苗さんが相談してきても、話を聞いてあげるだけで、本当のことを言えなかったと語る。
その後、川居たちは佳苗さんの実家を訪ねる。
母親である樋口佳恵さんに生前の佳苗さんのことを聞く。
佳恵さんは涙ながらにして、佳苗さんのことを語り、生前使っていたスマホを川居たちに託す。
佳苗さんは自殺しているのだが、遺書も無く何も言わずして死を選んだことで、佳恵さんはその原因を探していると言うことであった。
その為、佳苗さんが自殺をした原因についての確証を得る為に、仲居さんと鈴木さんに取材を敢行することにする。
鈴木さんは既に仲居性となっており、婿養子として入っていた。
仲居夫婦には映像のことを伏せながら、山本屋が高校時代のことなどを詳しくインタビューする。
鈴木さんは当時、佳苗さんが自分の悪口を言っているという噂を聞いた。
それによって二人の関係がギクシャクしだしてきたので、佳苗さんと話し合ったことがあるという。
佳苗さんも逆に鈴木さんが自分の悪口を言っている噂を聞いていたと言うことが分かった。
そこで一度は解決したのだが、その後、佳苗さんが一度でも鈴木さんを疑いの目で見たことが、自分で許せないと感じて、鈴木さんに別れを告げたということであった。
仲居さんは鈴木さんと交際してから、佳苗さんと過去に別れた原因を知ったということであり、現在、自分と鈴木さんが交際していると言うことは佳苗さんも知っていることであると感じていたという。
仲居さんと鈴木さんが結婚に至るまでの経緯は、最初はお互いの相談相手であったが、気づいたら恋人同士になっていたと言うことであった。
鈴木さんは仲居さんと結婚したということで、佳苗さんとの過去は引っかかることもあったが、今は佳苗さんにも感謝の気持ちで一杯であると山本屋に告げる。
この取材から仲居さんの為を思って、グループの同級生たちが佳苗さんと鈴木さんの関係を壊すことをしたということではなかったことが分かる。
と、いうことは誰の為に、何の為に仲の良かった同級生の二人の間を壊すようなことを企てたのかという謎が残った。
再びスタッフルームに稲羽さんと宇陀さんを招いて、詳しく話を聞く川居。
川居は稲羽さんと宇陀さんから聞いた話と、瑞帆さんの証言との食い違いを確認する。
まず投稿映像は既に瑞帆さんは見ており、それは稲羽さんと宇陀さんから送られてきたと言うこと。
そして、佳苗さんと鈴木さんが当時、交際しており、それを別れさせるグループがあったことを問い質す。
稲羽さんと宇陀さんは、それに関して思い当たることが無いと語ると、そこに瑞帆さんが現れる。
佳苗さんと鈴木さんを別れさせるLINEグループを作ったのは、稲羽さんと宇陀さんであると言う瑞帆さん。
しかし、逆に宇陀さんは、そのグループを作ることを言いだしたのは、瑞帆さんであると言い始める。
食い違う両者の言い分に、福田が割って入り、LINEグループはそもそもあったのかを尋ねる。
しかしそれは、佳苗さんと鈴木さんを別れさせるLINEグループではなく、クラスメイトたちが参加して適当なことを言い合うグループであったと語る稲羽さんと宇陀さん。
だが、福田は稲羽さんと宇陀さんはさっき知らないといっていたことを突っ込む。
すると稲羽さんと宇陀さんは、今、言われてみて、当時、そういうグループがあったことを思い出してきたと語った。
あくまで周りに合わせる形で、そうしたことをLINEグループのトークで書いていたという。
だが、瑞帆さんはLINEグループの結成の主体は稲羽さんと宇陀さんであったことを強く主張する。
『なんで言い切れるの?!』と、激しく憤る稲羽さん。
宇陀さんは『瑞帆ちゃんは今まで何してたの?』と切り返し、式前の仲居さんと鈴木さんを気遣う言葉を、瑞帆さんに投げかける。
福田が更に割って入り、稲羽さんと宇陀さんに『でも実際に樋口さん(佳苗さん)別れたわけですよね? で、そのグループLINEは目的を達成したとして、どういうリアクションだったんですか? みなさんの中では。』という質問をする。
宇陀さんは、皆、そういう噂話は好きだったので、LINEの中では当時、ちょっと盛り上がったと語る。
稲羽さんは瑞穂さんを睨みつけながら、『佳苗の話だけで思い出せっていうのは・・・』と呟く。
その時、大塚が話し合いの場に飛び込んできて、佳苗さんが自殺していることを、稲羽さんと宇陀さんにぶちまける。
更に大塚は稲羽さんと宇陀さんに『なすりつけ合いとかしてますけど、申し訳ない気持ちとか、そういうのないんすか?!』と言い放つ。
稲羽さんと宇陀さんは大塚に憤りを露わにして、話に入って来るなと追い返す。
収まりがつかない大塚を山本屋が引きずりだして離す。
川居が大塚の言動を謝罪するも、佳苗さんが病気で亡くなっているのではなく、高校の時のそういったやり取りが原因で、好きだった人と別れて傷心して自殺したという事実を改めて稲羽さんと宇陀さんに語る。
瑞帆さんは佳苗さんの最後のメールの内容を語る。
『怨んでる・・・皆んなを恨んでいる・・・許さない。』
『私がいなくなったら・・・次は誰かな?』
と、稲羽さんと宇陀さんに打ち明ける。
瑞帆さんは、自分に何かあったら、その次はどうなるんだろう?と考えていたという。
稲羽さんと宇陀さんは、投稿映像で瑞帆さんが指をさされていたり、後ろに女性が立っているという箇所には気づいていなかったと語る。
再び福田が語り掛ける。
『でも、今、なんだろう・・・ホントに嘘つかないで話してもらえた方がありがたいなと思うんだよね・・・その、お祓いをしたけど、それでこう・・・全てが済んだっていう風には、僕たちは思ってなくて・・・その大切なのは色々と皆の真実を話してもらって、その・・・樋口さんに対して、どう向き合えるかな?と、僕らは今ちょっと思ってるんですよ。』
福田の言葉に、目を閉じながら何度も頷く川居。
『事実がどうだったかとか、発端が誰だったかとかではなくて、その・・・傷つけてしまった事実はあったかも知れないって・・・そこに対しては・・・ま、こういうことに関してはいけないとか、相手の・・・その樋口さんに対しての気持ちを汲んであげるようなところを、お友達だった皆さんが思っていただくかどうかっていうことが、やっぱり大切かな?って思うんですよ。』
と、川居も稲羽さんと宇陀さんを見つめて、語りかける。
稲羽さんが泣き出して、山本屋が目の前にティッシュを置く。
宇陀さんが『こんなことになるとは思ってなくて・・・ひとりの命を奪っちゃった事は、ホントに・・・やってはいけない事をしてしまったなって気持ちは・・・すごい・・・あります。』と呟く。
彼女たちの話を聞いても真相が見えてくることは無かった。
本人たちの意志ではない為に、自覚も無く、ただ、周りに合わせていただけであった。
しかし、佳苗さんを傷つけることに加担してしまったのは事実である。
山本屋に連れられて、瑞帆さんもお祓いをする様子が流れる。
スタッフたちの解釈として、彼女たちもまた巻き込まれてしまったように見えたという。
便利なコミュニケーションツールの裏に隠された強要される強調性と無関心によって生み出される交流によるものによって。
その後、山本屋が川居にある事を報告する様子が流れる。
それは、佳苗さんが生前、使っていたスマホのパスワードを解読したということ。
パスワードは鈴木さんと交際した記念日の12月21日をヒントに、1221を入れて見ると閲覧可能になった。
そして、佳苗さんのスマホに残っていたのは、瑞帆さんとのメールのやり取り。
堅い表情で山本屋は口を開く。
山本屋が読む限り、そのメールの内容は瑞帆さんが佳苗さんに鈴木さんが気があるということを書いており、関係を修復出来るように思わせる文面を書いていた。
それは瑞穂さんが事実と異なることを伝えていたということであった。
山本屋は瑞穂さんが嘘つき続けている意味も理由も分からず、本当のことが分かったら佳苗さんが傷ついてしまうはずなのに、何故、瑞帆さんがずっとそういうことをしていたのか?という疑問を呈する。
ここで、過去の取材映像が流される。
それは佳苗さんが高校を卒業してから入社した際の会社の先輩である山元千尋さんの証言であった。
山元さんは佳苗さんに再三、合コンの誘いをしたが断られていた。
男性が苦手なのかと思っていたが、ある時、佳苗さんは山元さんに『大切な人がずっといる。』と打ち明けていたという。
更に『今度、会える・・・』ということも言っていたというのだ。
川居がそれはいつ位であったのかを山元さんに聞くと、佳苗さんが亡くなる直前であったと証言。
再び山本屋の報告映像に戻る。
瑞帆さんが佳苗さんに嘘のメールを送り続けていたが、その始まりは鈴木さんと別れてから始まっているということであった。
最初は佳苗さんは鈴木さんを傷つけてしまったから、付き合う資格がないと言っている。
しかし、諦めきれないという佳苗さんに対して、瑞帆さんは応援するという内容のメールを送っていたのが始まりであった。
卒業して、就職をしてからも、瑞帆さんは佳苗さんを応援するようなメールを送り続けていたのが判明している。
メールのやり取りは明らかに佳苗さんと鈴木さんが復縁できそうな内容に見えるものであった。
このことを再度、瑞帆さんに確認をする。
スタッフルームに来た瑞帆さんは神妙な面持ちで全てを打ち明ける。
瑞帆さんが事実とは違うことを、佳苗さんにメールをし続けていた理由は、他の友人たちからのお願いがあったからだという。
稲羽さんと宇陀さんとは別の同級生たちは、鈴木さんと別れた佳苗さんを心配しており、それをフォローする様に瑞帆さんは頼まれていた。
その他の友人たちという中には仲居さんも含まれている。
嘘をつき続けることで佳苗さんは喜んでくれていたわけだが、瑞帆さん本人はそれは自分の意志ではなく、周りに流されて従わざる得なかったと語った。
川居『本音の部分では、今はどう感じていらっしゃるんですか?』
瑞帆『騙し続けてた、すごい苦しいなと思うことは、ほんとに沢山あって・・・でも、従わないと誰もいなくなっちゃう・・・佳苗にも嫌われるし・・・と、思うと、やっぱり続けるしかなくて・・・全部、私が悪いんです。』
福田『樋口さんのことは、ホントに・・・一番の親友とは思っていましたか?』
瑞帆『それは変わらないです。』
福田『大好きなお友達?』
瑞帆『・・・はい。』
川居『切欠は・・・樋口さんのことを心配した・・・その周囲の方たちが彼女のフォローをって、福田さん(瑞帆さん)に言ったことだったって、言うことでしたけど・・・でも、誰が?ってことじゃなくって皆さんだったって仰いましたよね? その方たちに対しては今、どういう風に感じてらっしゃるか教えていただけますか?』
そう言う川居の質問に、瑞帆さんは力強い眼差しで言い放った。
『怨んでいます。』
瑞帆さんは誰の為でもなく、四年間、グループの指示に従い、親友を騙し続けていた。
それは親友を想う気持ち以上に、自分が従わなければ標的にされてしまうという恐怖からくるもの。
投稿映像に出てくる人物たちの何気ない言葉
瑞帆『主体となってやっていたのは、博美と杏花。』
宇陀『え?それ元はと言えばさぁ・・・瑞帆ちゃんが言い出したことじゃないの?』
飯嶋『周りの奴が狂言で面白がって、思っても無い奴を、そういう風に書きだりする場合もあるんすよ。二人で見た。』
仲居『私は全然知らなくて・・・当時は・・・彼と付き合った後に・・・』
鈴木『やっぱ他の友人だったりとか色んな方々に感謝してるんですけど、今でももう彼女には感謝の気持ちでいっぱいです。』
そして再び投稿映像が流される。
他に気になる箇所が発見されたということであり、それが公開される。
稲羽さんが撮影者でカラオケボックスで談笑する皆を捉えているのだが、佳苗さんは隣り合って座っている宇陀さんと仲居さんを指差している。
佳苗さんの正面に向かい合って座っている加藤さんを指差す。
そして、ゆっくりと飯島さんを指を差す。
最後に佳苗さんが指を差していたのは、撮影者である稲羽さんであった。
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