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ほんとにあった! 呪いのビデオ76のレビューですが、熱烈なファンが多い川居尚美がディレクターとして、本格的に活躍する巻です。

メインエピソードに至っては、正直、完全にドキュメンタリータッチのドラマを見る感覚でないと、面白さは伝わってはきません。

が、その内容は深層心理を深く掘り下げている様なものに仕上がっています。

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ほん呪76の各章のレビュー

インディアン水車

初っ端のコーナーとしての仕上がりは微妙と言わざる得ません。

インディアン水車の水槽の中で、撮影されたという設定の投稿映像ですが、単純に鮭と供にカメラに寄って来る腐乱しているような顔というのは、パンチに欠けます。

例えば、水車の車輪の部分に鮭と供に生首が映っていたという具合の映像であったら、もう少しインパクトがあったと感じるのですが・・・。

ガチの投稿映像(つーか、投稿者のフェイク)を、そのまま採用したのかも知れませんが・・・。

孤独死

問題の箇所は非常に素晴らしいと思います。

インパクト、恐怖度供に、かなりのレベルに達していると思うのですが、残念ながらコーナー始まりの意味不明なカット割と、誰だか分からない男の演出補、そして投稿者が明らかに台本読みしているような言い回しにゲンナリとさせられます。

要するに材料は一級品なのに、それを調理する料理人が終わっているという、非常に勿体ない一本です。

このコーナーは一体、何だったのでしょうか・・・。

雪道

投稿者の車から同僚の女性が降りる際に言う『バイバイ』という言い方に、何か妖しい印象をもってしまうわけですが・・・。

それもその筈で、コーナーそのものの土台は、正にその女性の印象を表しているといえます。

雪道なのに血塗れの半袖の男が電柱の影から見ているという構図。

そして、その男が同僚の女性の足元にいるという流れ。

更に、その女性には、かつて、自殺した婚約者がおり、女性に裏切られた為であると暗に示しているストーリーが、物の見事に投稿映像とマッチしています。

短いコーナーでありますが、完成度はかなり高く、個人的にはPart76の中での白眉的一本であると私は評価します。

誰がために 前編

本格的にディレクターに昇格した川居尚美が放つ一巻完結のメインエピソードですね。

つーか、登場人物である女性がやたらレベルが高いんですよね・・・これ(笑)

投稿映像の最重要人物である亡くなった佳苗ちゃんが、ため息が出る位に可愛いですし、その親友の瑞帆ちゃんも容姿端麗の美女って感じです。

更に四年半前に撮られた投稿映像と、現在の登場人物たちに時間経過がうまく容姿に表現されているし、凄い力の入り方であることが伺えます。

それに引き換え男連中は・・・と、そんなことはどうでもよく、投稿者の稲羽さんと宇陀さんの胡散臭さが初っ端から現れているのがミソですね。

じっくりじっくりと話を聞いていると、この二人の胡散臭さが、どんどん浮き彫りになっていくわけで、『この子たちがクロなのでは?』と前編から感じてしまう描写は秀逸。

ただ見ている視聴者のミスリードを誘うかのような流れもあったりするわけで、かなり念入りに作り込まれていると感心出来るわけです。

しかし、肝心要の投稿映像は、ただ佳苗ちゃんが消えているだけという衝撃度も恐怖度も何もないものなのです。

ただ、ストーリーがやたら気になる展開であるわけです。

正直言って、思春期の身体だけは大人になったガキの小っちゃい価値観を浮き彫りにしているだけの矮小で惨めなストーリー。

結論から言えば、面倒くさいだけというシナリオなわけですが、個人的にはこういうのはストライクであったりします。

後編の感想は後ほど。

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シリーズ 監視カメラ 彷徨う

初期には割と目立つ形で、劇団の舞台中という設定の投稿映像が多かった気がします。

今回なんか、そんな原点というか懐かしの設定という具合でして、普通に何となく見れてしまう程度のもの。

特にショッキングでも無ければ、印象に残るということも無いわけですが、かといって、否定する箇所もないという一本です。

所謂、無難という仕上がりのコーナーであるのではないかと・・・。

温泉旅行

個人的にこのコーナーも割とインパクトと恐怖度が高いと感じます。

投稿者の彼女が外人?ハーフ?という感じで、自分の主張を分かってくれない投稿者に向けて、ガチギレる彼女の様子は、凄くリアリティがあります。

映像では彼女の主張する海辺の人間は映っているのですが、それを見落としている投稿者の会話内容も自然。

そして、立ち上がった彼女の背後には、かつての自殺した後輩がいるという問題の箇所はインパクトが高く、素直に怖いものであると感じます。

コーナーでは語られなかったわけですが、こういう短気な女性が会社で指導係であったという設定であれば、その後輩はイジメられていたと感じますし、それを苦にして自殺しているのならば、当然、祟られて憑りつかれていると想像に難くないわけです。

見ているコチラにしっかりとイメージさせる、このコーナーのシナリオは、非常に面白く評価に値します。

料理

Webカメラって微妙に画質が悪い為に、なんかほん呪で紹介される場合は、やたらと怖く感じてしまうのは私だけでしょうか?

それはいいとして、料理ビデオに映り込んだ心霊現象と言うことで、もしかしたら、こういう設定は初なんじゃないですかね?

問題の箇所は特に私は怖いとかショッキングとは感じませんでしたが、何となく不気味な雰囲気は伝わってきます。

ストーリー的には投稿者本人が既に消えているということも、不気味さを加味しているようにも思います。

だからこそ、特に怖くはないのですが、初見の時から印象に残っていたコーナーであったわけですが・・・。

誰がために 後編

例えばよくあるサスペンスドラマであって、犯人が必ずいると断定するのならば、このエピソードの黒幕は鈴木さんと結婚した仲居さんになるのでしょう。

何故ならば、結局、一番、得した女性だからですね。

『あなたには真実が見えましたか?』と、いうキャッチフレーズの放送禁止シリーズであったならば、そのオチであったとは思います。

しかし、そんな陳腐な内容ではないのが、このコーナーのストーリーですよ。

結局、黒幕も犯人もいないということであり、LINEという必須のツールの中で起きた集団心理が最悪の結末を迎えたという具合です。

経済用語で『神の見えざる手』という言葉があります。

これは、個々の私利私欲を目指す行動に任せておけば、社会全体の利益が達成されるという意味であり、アダム・スミスが提唱した言葉です。

要するに投稿映像の仲良しグループの私利私欲というのは、自分がハブられない為にということと、面白いネタが欲しいと言うこと。

それの対象となってしまったのが、佳苗ちゃんと鈴木さんであったわけですよ。

高校時代に高嶺の花であったという金持ちのお嬢様の仲居さんは、鈴木さんのことが好き。

その仲居さんの為に、LINEのグループトークの話題も欲しい稲羽さんと宇陀さん、飯嶋さんと加藤さん。

しかし、これも何気に適当に何も考えずにノリに任せていただけの投稿。

真に受けてしまって関係が壊れる佳苗ちゃんと鈴木さん。

しかし、傷心している佳苗ちゃんを気づかう為に、瑞帆ちゃんにフォローを入れるようにと頼む仲居さんと他の友人たち。

結果的に佳苗ちゃんと一番、仲がいい瑞帆ちゃんが、まんまと仲良しグループの私利私欲に利用されてしまったということ。

でも、そんな瑞帆ちゃんもハブられたくないという私利私欲が働いて、結果的に親友を裏切る行為をしてしまうという具合ですよ。

親友であった筈の瑞帆ちゃんに、嘘をつき続けられた佳苗ちゃんは、鈴木さんと脈があると感じ続けるのだが、数年ぶりに届いた仲居さんとの結婚式の招待状。

ここで全てが壊れて、自殺に至ってしまうというのが真相。

一番、悪いのは誰だ?ということは無く、些細な痴情怨恨と集団心理の中で、神の見えざる手が発動してしまったという話であると私は解釈出来ました。

しかし、呪いが発動しているということはなく、自殺した佳苗ちゃんに指はさされているものの、誰も実害が出ていないという点もポイント。

終わり方が意味深すぎるので、もしかしたら、この先、続くのかも知れませんけどね。

ところで、女の情念とか執着というなんかエグイ深層心理を描き出せているわけで、非常にドロドロしています。

これはやはり川居尚美の成せる業なのでしょうかね?

とは、言うものの、現実であっても、神の見えざる手の様に自然発生的に起きてしまうものは、沢山あったりします。

兎角、多くの人は結果が出てしまったら、原因を求めて、責任を誰かにとらせようとします。

しかし、実はそこに関わった人間の何気ないことが、小さな切欠になり、それが積み重なって重大な物事を引き起こすということが本来は多かったりするのですよ。

Part76のメインエピソード【誰がために】は、完全にドキュメンタリータッチのドラマでありましたけど、個人的には非常に満足しています。

総評

Part76は川居尚美が監督として本格的に携わっていくわけですが、ほん呪本来の怖い映像を見せるというコンセプトは薄くなっているような気がします。

怖い映像そのものも目新しいものがなくなってきている雰囲気もありますし、だからこそストーリー重視になっていくという流れは、ある意味、必然なのかも知れませんが。

ですが、ストーリーに滅茶苦茶、拘りを見せており、ディティールも緻密に計算している様な雰囲気がありますね。

 

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ほんとにあった! 呪いのビデオ76の内容
ほんとにあった! 呪いのビデオ76のネタバレ

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