ほんとにあった! 呪いのビデオ64のレビューです。
メインエピソードの【スケープゴート】の完結に加えて、各コーナーの個人的な感想などを記述していきます。
ほん呪64の各章のレビュー
怨讐
これまでの巻の始めのパターンとは少々、違うものですね。
何か人間の霊が映るということではなく、人間の力では持ち上がらない様な大きなものが動くというポルターガイスト現象が記録されているという映像は斬新です。
衝撃度や恐怖度は決して高くないとは思いつつも、意外なものを最初にチョイスしてきたという点では、評価に値するのではないでしょうか?
トイレ
Part64の中で一番、個人的に怖いと感じたコーナーであり、白眉といえる一本です。
心霊映像を撮ることを趣味にしている投稿者の彼氏が撮影したものは、フェイクの召喚儀式。
ところがそれが原因で本当に不可解な霊を呼び出してしまったというストーリーは面白いですね。
問題の映像も心霊スポットである公衆トイレで、凄いことが起きるのではなく、自宅のトイレで起きてしまうという展開は印象的。
真っ赤な顔の子供の様な顔は、非常におぞましく感じますし、映像からはタダゴトではない雰囲気が伝わってくるようです。
完成度はだいぶ高い代物であると断言できます。
スケープゴート 後編
心霊現象の専門家・山本幻覚?という人物が間接的に登場する展開には、少々、眩暈を覚えるのですが、それはそれとして・・・。
少々、複雑なストーリー展開であり、結構、これはまとめるのがきつかった様な感じが本編から見て取れます。
改めて順を追ってみると、結構、堂々巡りをしている感じであり、そもそも庵堂准教授の周辺を再三、調査していたのにも関わらず、ようやく元同僚という近しき人間を探し当てることが出来たという展開はイマイチ納得ができません。
ですが、明らかになる『山神信仰と生け贄』の話というのは、よく出来ている話です。
だとしたら、巫女の瀬戸山さんという設定は、あまり必要ではなかったのでは?とコチラとして思ったりもするわけでして・・・。
とりあえず、続きの感想は後ほど。
赤い傘
唐突に現れる赤い傘とそこに倒れ込む女の姿は、かなりのインパクトと恐怖度を醸し出していると感じます。
赤という色は血や危険を連想させますから、簡単にインパクトを見ている人間に与えることが出来る素材といえます。
ストーリーも雨の日に過去、踏み切りで亡くなった女性がいるということで、不自然に映り込んだ状況を暗に説明することにも成功しているといえます。
こちらも完成度が高いのではないでしょうか?
ちなみにこのコーナーを見て、過去作の雨女を思い出してしまいましたよ。
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シリーズ 監視カメラ 覗き穴
人によっては、これがPart64の中で一番、怖いと感じる方もいるのではないでしょうかね?
おそらく私も前コーナーの【トイレ】が無ければ、これをPart64の中では一番と挙げていたかも知れません。
映り込む男性のその顔が、もはや尋常じゃない雰囲気を醸し出しているわけで、かなり刺激の高い投稿映像に仕上がっていると言えると思います。
続・スケープゴート 後編
『ヒダルイ』という新たなキーワードが登場し、墓の近くの山村で崇められていた山の神の伝承が語られます。
ますます、巫女の瀬戸山さんは何であったのか・・・?と首を傾げてしまう展開ですが・・・。
演出補の山下洋助の身体を張ったアクションシーンが挿入されていますが、これって一歩間違うとヤバいですよね。
ガチだったらガチで、それはそれで良かったね・・・と感じる部分ではありますが。
それにしても、菊池がやたらと『何やってんだよ!』と叫ぶのが、少々、突っ込みどころ満載というか何というか・・・。
まるで【藤岡弘、探検隊】を見ている様な雰囲気にさせられますが、何にせよ山下が異様に目立っていますよね。
そして始まるデュアルムービーは、さながらホラー映画の様な状態になっています。
木箱から御神体が姿を現すと同時に、寝ていた沙希ちゃんが目を覚まして暴れまわる。
御神体が火にくべられると、沙希ちゃんが恐ろしい形相で叫ぶというシークエンスは、それはそれでインパクトのある映像には仕上がっています。
しかし、これだけでは終わらないわけですが、その感想はやはり後ほど。
寺跡
やたら菊池が偉そうなのは、何なんでしょうかね?
腕組みをしながら、投稿者には敬語を使ってはいるものの、まるで睨みつけるかのように接しているのは、正直、見ていて不快感を生み出してくれますよ(笑)
この時の菊池は疲れ果ててて、眠かったんでしょうかね??
とにかく怠そう・・・と、いうか、いかつい雰囲気の投稿者に舐められない様にしていただけなのかも知れませんが・・・。
それはそうと問題の映像ですが、こちらもかなりインパクトがあり、恐怖度が高い代物であると感じます。
お地蔵さんを触ってしまった女性に標的を絞ったと言わんばかりの霊の様子は、それはそれで背筋が凍るくらいのレベルには達しているかと。
人身事故
この投稿映像の駅の様子はガチモノでしょうね。
映像の様子からして、これはとてもフェイクで作り出せるものではないので、非常にレアなものであると思います。
肝心要の映像は、私は特に怖いとは感じないものの、スーツ姿の女性がブルーシートを見つめてしゃがみ込む様子は、生々しく自然な様子。
ショートコーナーの完成度は抜群に高いと私は感じています。
終・スケープゴート 後編
どこかまとまっていない感が拭い去れない【スケープゴート】。
ストーリーは非常に私は好きなのですが、イマイチ、こちらで色々と意味づけしないと具体的にスッキリしないわけです。
結局、田丸さんはどうなったのかはハッキリとしないまま終わってます。
沙希ちゃんの予言めいた絵では田丸さんは首を吊っていると思われますが、それを描写している様子も本編にはありません。
そんな沙希ちゃんも病院から脱走したまま、どうなってしまったのかも分からないまま。
加えて瀬戸山さんの印象が薄いままで終わってしまっているという具合です。
私が感じたスケープゴートは以下の通り。
庵堂准教授が自分の論文を完成させたいが為に、田丸さんたちの協力を仰いで、瀬戸山さんを騙くらかして、墓の場所を聞き、木箱を盗んだ。
ところがその木箱は山神信仰と生け贄に纏わるものであり、その山神とは『ヒダルイ』。
瀬戸山さんは山神信仰と生け贄を行っていた巫女であり、墓守の立場でもあったってことなんでしょう。
木箱が盗まれた瀬戸山さんは怒り狂い、庵堂准教授たちを呪う為に『ヒダルイ』を呼び寄せて、呪いをかけた。
ところが、仲間や自分に不吉なことが起こり始めた田丸さんは誰にも内緒にして、入院中の瀬戸山さんを尋ねて詫びを入れる。
しかし、許さないと言わんばかりの瀬戸山さんに何とか許してもらう為に、ゼミの教室に保管していた木箱を盗み出して、元の位置に戻した。
瀬戸山さんは退院後、庵堂准教授たちにかけた『ヒダルイ』の呪いを解く為に祈祷をするが、そのまま体力を使い果たして絶命。
結局、残された『ヒダルイ』は媒体を必要になったが、丁度、そこで沙希ちゃんの遺体があった為にそれに宿ったという風に私には見えました。
しかし、そんな沙希ちゃんが何故、ゼミの教室に侵入したのかとかの理由も明確ではない。
加えて、この時点では既に田丸さんによって元の位置に戻されていたわけで、話の辻褄が合わないような気もしますが・・・。
まあ、あまり詮索しないで、ただ出されたものを鑑賞するってだけの方がいいんでしょうけど、ストーリーが凄くいいと感じたから何となく色々と詮索してみたくなっちゃうんですよね。
細部にまでもっと拘って、完璧な状態にして欲しかったなーと私は思うのですよ。
このメインエピソードは部分的に非常に素晴らしい展開があったわけですが、全体がどうもまとまりが薄いという惜しい作品に感じてしまったので、敢えて色々とつづってみました。
総評
メインエピソード【スケープゴート】は前編、中編といい展開でありましたが、最後はどうも微妙な終わり方をしてしまっているのが残念。
中途半端な終わり方にしている場合は、後作のネタにも使えるという展開にももっていけるので、製作委員会的にはいいのでしょうけど、まとめてスッキリさせてくれよ・・・と視聴者側からみて思ってしまったわけですよ。
ですが、各コーナーは非常に面白いと感じるものが多いです。
☟ネタバレや内容は以下のリンクから☟
・ほんとにあった! 呪いのビデオ64の内容
・ほんとにあった! 呪いのビデオ64のネタバレ