ほんとにあった! 呪いのビデオ61のレビューですが、投稿映像の恐怖度はパワーダウンしている感があります。
メインエピソード【人形ノ家】はストーリー重視という印象が強く、スタッフの露出も多いことから割と楽しめる物には仕上がっていますが・・・。
ちなみに奇異なキャラであった増本竜馬が登場する最後の作品でもあります。
ほん呪61の各章のレビュー
野鳥観察
カメラに向かって怪物の様な形相の男の首が飛んでくるというインパクト的には申し分ない投稿映像です。
恐怖度もそれなりに感じるものであり、Part61の最初のコーナーでありながら、No.1の映像であると感じます。
野鳥の声と別に違う声が入っていると話す投稿者の恋人がつぶやく様子から、間髪入れずに問題の映像が映り込むというシークエンスが秀逸であると感じます。
当然、あまりにも露骨すぎる描写なので、リアリティは完全に欠如しているので、素晴らしいコーナーであるとは言えませんが・・・。
終焉
以前に同じシチュエーションの様な投稿映像がありましたね。
ほんとにあった! 呪いのビデオ41のネタバレです。 これまでほん呪を長らく牽引してきた児玉和土の最後の作品となります。 …
Part41のクラシックバレエは非常に仕上がりが高いものでしたが、今回のは取材映像などもあり長い尺を使っていながら、どうも薄いわけですよ。
どこか芝居がかった投稿者の話し方や投稿映像に映り込む彼らの様子。
そして、肝心要の映像は特にインパクトも恐怖度もないという具合に思います。
唐突に映画【ファイナル・ディスティネーション】をなぞる様な投稿者の発言も、イマイチ納得いかないものでもあるし・・・。
人形ノ家 前編
私も実は東北の生まれなのですが、おしら様信仰というものがあるとは、このコーナーで知りました。
それをレクチャーする演出補の川合尚美の解説も非常に分かりやすいもので、勉強になった感があります。
森澤透馬の大学時代の同級生が依頼人というか投稿者の立ち位置ですが、特に何か深く関わっているわけでもないというオチでしたね。
ストーリーは何となく引き込まれていくような感触はあるものの、問題の音声というのが、『ふ~~~~ん・・・。』程度の代物で、全くパンチ力が無いのですよ。
敢えて音声だけというものって、余程、作り込まなければ、怖い物好きの視聴者に、恐怖を与えることは出来ないと思います。
この位であると、耐性があまりない子供くらいしか怖いと感じてくれないと私は思うのですがね。
作り込んだ音声はそれだけで凄まじい威力があるわけですが、そこに到達するのはなかなか難しいと言えるでしょうね。
そんなホームから落ちた萩谷さんの前妻が怪しいと思われる描写があったのですが、これは要するにフェイントであったということなのでしょうかね・・・。
後編の感想はのちほど。
露天風呂
湯気の中に顔が現れるという問題の映像ですが、微妙ですね・・・。
全く怖くないし、むしろ、湯気そのものが映り方によっては顔に見えるなんてことはよくあるわけで、生々しさも何もない映像です。
ストーリーの土台として小鳥池という名称を出していましたが、長野県の湖のことですかね?
あそこは小鳥ヶ池という名称ですが、素晴らしい絶景で美しい場所です。
シリーズ 監視カメラ コインロッカー
どこか都市伝説っぽい印象があるコーナーですが、心霊映像というよりも衝撃映像の類に入るものですね。
心霊の様なものも映り込みますが、赤ん坊とナレーションしていますが、どうもそうは見えないわけで、何が何だか分からんものが現れているという印象しか持てません。
ですが、バッグの中身は邪魔になった子供であり、それをコインロッカー内で殺してそのまま遺棄をする〇ソ母親という様なものを表現している映像です。
更に他の客がコインロッカーに入ってくるときに、そんな母親の姿を見て尻込みしている様子も捉えられているという光景は、生々しいですね。
肝心要の映像などが怖いものであったならば、この映像が間違いなくPart61の白眉であったのでしょうが・・・。
色々と惜しい一本と言えます。
BBQ
投稿者の男性と後輩の容姿とか雰囲気とは、少々、つり合いがとれないと感じる、女友達二人の顔立ちの良さが変に気になりましたが、それはおいておいて。
問題の映像が撮られた場所は、本当にそんな場所があるのだとしたらヤバすぎると感じるくらいにインパクトがありますね。
首吊りの沼?とか林?という具合で、その場所そのものに異様なものを感じます。
肝心要の映像はどっからどうみても合成であり、全く怖くない代物ですが、ここまで取材映像などを作り込んだのならば、肝心の投稿映像ももっと怖く出来なかったのかな?って首を傾げたくなる一本です。
なんで、こういう仕上がりにしちゃったのでしょうね・・・?
入学式
Part61で他と比べて一番、仕上がりが良いと感じるコーナーですね。
特に設定上も違和感がなく、微笑ましい家族の様子も生活感が漂っていますし、問題の映像もインパクト&恐怖度が高いものに仕上がっていると感じます。
私は全く怖いとは思いませんでしたが、完成度は申し分ないくらいのレベルには達していると言えるのではないでしょうか?
それにしても、投稿者の妻の女性は、妙にそそるものがあるのですが・・・(ぶw
人形ノ家 後編
このコーナーで笑えるのが、やはり外人の客引きホステスですね。
増本にガチギレする客引きホステスが菊池達を警戒して、デカイ声でテレビ番組の警察24時の名前を出すあたりは、センスあると感じます。
更に呪いのビデオを知っていて、中村義洋のナレーションの定番となっている台詞『おわかりいただけただろうか。』を森澤に言うこの客引きホステスの存在は濃すぎますね(笑)
それが切欠となりスナックのオーナー・津川さんから聞く貝守順子の過去話は、なかなか壮絶な人生であり、ヤバめの話でもありますね。
更にホームレスにまで身を落とし、誰の子かも分からないような子供を自ら堕胎していたであろうストーリーは、最底辺な女の生き様を思わせる内容ですね・・・。
セッ〇スワークに身を費やす女性というのは、悲惨な状態である場合が多く、このコーナーで語られた貝守順子と似たような状況は確かに現実に起きているんですよ。
もはや、ストーリー的には、子供が見ても分からない位のおぞましさがあるわけです。
ですが、Part61で出てくる投稿映像の数々は子供だましのものばかりというのも、何だかなぁ・・・という具合です。
そして、廃墟についた菊池達が見たものは、オシラサマ信仰を模したと思われる人形。
ウジがたかる人形を開ける増本が気の毒に感じますが微グロな展開と、本気で嫌な顔をしている様に見える森澤と増本の表情は生々しいと思いました。
最後の映像は特に怖いものではなく、どこか無理矢理、作品にねじ込んだ感が拭えないお粗末なものという印象が強いです。
ですが、【人形ノ家】そのもののストーリー展開は非常に戦慄を覚えるに値する内容であり、そこは評価できるところではあります。
総評
ほんとにあった! 呪いのビデオ61は、これまでと違って少々、全てにおいてパワーダウンしている印象が拭えません。
と、いうか、菊池政権下の作品はどこかストーリー重視のものが強く、グロテスクな描写を盛り込んでいる気配が強いですね。
ところで、この巻をもって非常に異彩を放っていたスタッフの増本竜馬の最後の作品ということだったんですが、その後、どうなったんでしょうね?彼は。
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・ほんとにあった! 呪いのビデオ61の内容
・ほんとにあった! 呪いのビデオ61のネタバレ