ほんとにあった! 呪いのビデオ59のレビューですが、目立つところはメインエピソードに対してのネガティブ寄りのもの。
ですが、各コーナーは前作同様、なかなかの仕上がりを見せているという点に注目したいところです。
ほん呪59の各章のレビュー
現場
初っ端に視聴者に向けてインパクトをカマすという意味では、非常に仕上がりの良い一本であると言えます。
ただ女の顔が現れるというだけではなく、その顔は見るも無残に潰れているという様子は、耐性があまり無い方ならば戦慄を覚えることは間違いないでしょう。
マンションの傍に供えられた花束という時点で、そこが自殺現場であったと推測するのは容易ですが、投稿者たちのバチアタリとも言える素行に喝を入れているかの様な構成は非常に完成度が高い一本であると言えると思います。
人形
肝心要の人形が塗り替える、その瞬間は背筋がゾク!っとする恐怖が起きてしまいます。
ですが、あまりこのコーナー、そのものが怖くないと感じるのは、娘が父親に向けて気持ちを述べる様子からくるものです。
明らかに子役が台本通り、暗記した内容をそのまま喋っているというようにしか思えずに、『ああ・・・こりゃ、台詞だな。』とすぐに分かってしまうからですよ。
子役が優秀だからこそ、ドキュメンタリータッチで構成されるこうした作品のリアリティが全くないものに仕上がってしまうという例ですね。
大雪
以前にも似たような投稿映像がありましたが、今回はカマクラの中に顔が映り込むというものです。
ほんとにあった! 呪いのビデオVer.X3のネタバレですが、鬱陶しい細かな演出が点在しています。 どこか白石晃士の実験的…
特に怖いと感じるものではありませんが、しっかりと映りこむ女の様な顔はどこか不気味なものに感じるのは抑えられませんね。
ちなみにこの日は私、以前に勤めていた会社から自宅まで帰宅するのに、通勤手段がバイクであったことから、片道3~40分の筈が、2時間30分かかってしまったという痛い思い出がある日でしたよ。
バイクも何回も転倒してしまい、今考えるとよく命が無事であったな・・・と、いう別の意味で怖い自分が思い起こされるわけで。
そんなことをこのコーナーを見ていて思い出してしまいました(笑)。
邪心 後編
菊池政権のほん呪になり、大活躍している森澤がどうも調子こいていると思える箇所が随所に見えるメインエピソード。
あまり活躍のない川居の進言により、増本が目立つ存在に躍り出るシークエンスは、どこかギャグの様にも見えてしまうのは私だけでしょうか?
そんな形で進むわけですが、現れた死神は弱々しい女性であり、それに掴みかかられて倒れ込む増本の様子も酷く滑稽に映ってしまうわけです。
しかし、死守?したDVDに入っている映像こそ、見た者を不幸にする映像であるということで、この時点でそれが公開されるというのは、斬新な展開です。
これまでのパターンではこれは最後に持ってくる構成であるわけですが、敢えて、巻末ではなく中盤に公開するというのは理由があるわけですよ。
続・邪心 後編の感想は後ほど。
シリーズ 監視カメラ 介護
肝心要の映像は特に怖いというわけではありませんが、非常に大胆な描写のある映像として見えて、個人的には好きな一本です。
介護中の老人の前に現れたのは、真っ黒い着物(喪服?)を着た女性であり、それが正座しながら宙を浮いて、老人を覗き込んでいるという様子が斬新に見えます。
ストーリー的には覗き込まれた老人は命が助かるわけですが、女が消えた後、もがき苦しんでいるような老人の様子は生々しいと感じます。
ショートコーナーでありますが、非常に仕上がりが良い完成された一本であると私には見えます。
海水浴
海水浴場や水場に関する投稿映像コーナーは、あまり良質なものがないわけですが、今回は首が落ちているという流れ。
あまりインパクトも恐怖度も薄いコーナーであると私は思うのですが、人によっては怖いと感じる方もいらっしゃるのかも知れません。
どこか雰囲気的に昔の心霊写真本などに出てくるような古典的なものという感じがしてならない、そんな一本です。
テープ
Part59の中で白眉的コーナーであり、内容的にはかなりのコンボ技が取り込まれている一本であるといえます。
まずは紹介される心霊映像そのものが衝撃的であるということ。
真っ黒くただれた片目が潰れている女性の顔は、何をどうみてもヤバすぎる絵面です。
設定的にはもう飽きたよ・・・と感じる、こちらも廃墟探索系ですが、そこにも意味をもたせることが内容から想像できます。
更にそこで見つけたカセットテープの音声は、男が女を拷問しているようなそんなものが連想できるやり取りであるわけで、その情景が頭に浮かんでくる。
恐らくは風呂場で熱湯を浴びせ続けられるというような拷問であることが伺えるわけで、絶叫している女の声とは対照的に、男の落ち着いた声が更にリアリティを増幅させている気がします。
そして絶命したであろう女性が問題の映像に映り込んだというものであり、そんな拷問が行われた場所が潰れたキャンプ場の事務所であったということと理解できる内容です。
凄まじく怖いというわけではないですが、ハッキリ言ってこのコーナーは危険物レベルにまで仕上がっていると断言できます。
そういう意味では非常に仕上がりが高い良作であると言えるのではないでしょうか?
しかし、こういった拷問という類のジャンルには私は何の快感も娯楽感も得られないわけですが、そういったものを好きな業の深い人間というのは、世界中には多いというのは、よく知っています。
そんな意味も込めて、怖いと言えるのですが・・・。
続・邪心 後編
ネタバレでも指摘していますが、明らかに脚本のミスなんでしょうかね・・・。
倉本さんの兄が登場し、自殺をする半年前に相原さんと供に山で自殺をした、その半年前に倉本さんが死んでいるという矛盾点があります。
人は二度死ぬことはできませんから、これは少々、いただけないミスと言えるのではないでしょうか?
更に最後のトリとなる誠さんの紹介テロップには、これまで一回も出てきたことのない赤木千香子という名前が出てくるのも、何と間違ってしまったのでしょうかね?
誠さんの嫁は赤木美穂さんであったはず。
そんな製作者側のミスが目立つメインエピソードです。
巻末のトリで、誠さんがガチギレを起こして、菊池に掴みかかり、カメラマンを突き飛ばす様子はスリリングであり、それは死神の映像よりもインパクトがあるものではあります。
しかし、それで終わることがなく増本の隠し撮りのカメラに実は死んでいる筈の倉本さんの姿が映り込んでいるというものですが、この映像は少々、パンチに欠ける。
更に死神となった相原さんは、人知れずまだ復讐を手伝っているという後味の悪さを最後にして終わるわけですが、どうも消化不良に思うわけです。
一応、ストーリーはまとまっているとは思いますが、イマイチ、見終わった後に不足感があるのですよ。
何となく素人ながら私が思うことは、納期がギリギリで細かいチェックが行えなかったのかな?と、感じて止みません。
総評
Part59は私の個人的感想であれば、本来のメインエピソードよりもショートコーナーが優れているという前作同様の展開に、少々、首を傾げる巻であったという具合です。
ですが、非常に仕上がりが良いコーナーもあるので、これはこれで良しとしなければならないとは思うのですが。
☟ネタバレや内容は以下のリンクから☟
・ほんとにあった! 呪いのビデオ59の内容
・ほんとにあった! 呪いのビデオ59のネタバレ