ほんとにあった! 呪いのビデオ55のネタバレです。
スタッフの岩澤宏樹・最後の作品であり、菊池宜秀の二回目の復活、そして劇場公開版ということで大作となっています。
ほん呪55の各章のネタバレ
呪いのビデオ製作委員会は
1999年の発足以来
不可解な映像を一般の方々から募集し
調査検証を行ってきた。『ほんとにあった! 呪いのビデオ』とは
一般視聴者から送られてきた
心霊映像とその調査の過程を収めた
ドキュメントシリーズである。
今回は劇場公開版(要するに映画)ということなので、従来のおことわりはなく、こうした前置きから本編は始まる。
銅像
演出の岩澤宏樹が投稿者の葛城さんと問題の映像が撮られた公園を歩く様子から始動。
葛城さんが映像が撮られた経緯を岩澤に詳しく語る。
この公園には非常にリアリティのある銅像がそこかしこに点在している。
葛城さんは友人たちと供に公園の銅像を面白おかしく弄りながら楽しむ様子をビデオに収めていた。
投稿映像の撮影者である内村弘人さんは、そんな中、突然、その場から逃げるようにして去ってしまう。
公園に残った葛城さんたちが内村さんを懸命に探すも見つからなかった為に、電話をかけてみるが出ない。
ようやく内村さんに繋がったと思うと、先に帰るといいそのまま電話を切られたという。
一週間後、内村さんから動画付きのメールが葛城さんに届く。
その映像は皆が公園で遊んでいた時の映像であり、そこに不可解なものが映り込んでいた。
心配になった葛城さんは内村さんに電話をしても繋がらない。
自宅にも行ってみたが留守中であったので、実家の方に連絡してみても、内村さんは実家の方にも帰っていないということであった。
実家の方から捜索願いが出されたが、未だに行方不明であるという。
問題の映像は酒が入り女性を交えた葛城さんの友人たちが夜の公園で楽しく遊んでいる様子の際に現れる。
公園の広場の階段で葛城さん達がジャンケンをして、遊んでいる様子を内村さんが引いて撮影している。
傍には銅像があるのだが、階段の下の方にカメラを向けると、銅像の姿が手が異常に長い黒づくめの人型の者になっている。
それがゆっくりと階段を昇ってきて、カメラに近づいてくる様子がハッキリと捉えられている。
一瞬、別の銅像を映した後、そのまま内村さんが走って逃げ去る様子が流れる。
ロールシャッハ
雨の降る日、公園で演出補の川居尚美が岩澤を呼ぶ様子からコーナーは始まる。
川居が指す方向には元演出補の菊池宣秀と彼に連れられた投稿者の熊井さんがいる。
菊池は夏、関西にあるお寺に滝修行に行っていたのだが、そこで知り合ったのが熊井さんである。
大学生の熊井さんは映画研究会に所属しており、そのサークルの伝統として、ある映像を見せられるという。
その映像というのが、今回の投稿映像である。
映像は10年前に映画研究会に所属していた先輩たちが、ある廃墟で撮影したものであるという。
撮影者がそれを確認すると、自分の顔が映っていると言い出したが、他の部員には確認できなかった。
ところが、その映像を撮影した部員は数日後、事故で死亡し、その後、死んだ部員の顔が映像に浮かび上がってきたのだという。
そこから熊井さんの所属する映画研究会には、その映像に自分の顔が見えると不幸な目に遭うという噂が起き、それを新入部員に見せるということが伝統になったという。
実際に自分の顔が見えるいった新入部員はいなかったが、今年の夏に入り、映像には複数の顔が見えてくるようになった。
それは知らない人間の顔であったが、不安になった熊井さんは滝修行にいき、そこで菊池に会い相談したということであった。
菊池は取材の後、熊井さんを先に帰して、岩澤に自分の方でも個人的に調査するということを約束する。
問題の映像は廃墟を映しているのだが、突然、オレンジと赤とピンク色のサイケデリックなノイズ映像に切り替わる。
音声は早送りにした人間の声のようなものが流れている。
途中でノイズは黒い画面になり元に戻ったりし、音声も全く無音になったりするのだが、ノイズに交じり続けざまに、様々な人間の何かを叫んでいるような顔のアップが流れる。
スタッフルームで川居が問題の映像を霊能者に鑑定してもらった結果を岩澤に報告する。
鑑定結果は映像は熊井さんやそれを見た他の学生たちに直接、被害が及ぶ危険性はないということ。
しかし、何らかしら良くないことが起きる可能性があるという曖昧な返答をもらい、岩澤と川居が微妙な面持ちで居ると、そこに突然、演出補の井ノ上謙介が『出ました』といって焦ってスタッフルームに戻って来る。
最近、スタッフルームの周辺では怪奇現象が起きるようになっていた。
シリーズ監視カメラ 窓の外
井ノ上は缶ジュースを買いに外に出ると、窓の外から女の声がしたという。
川居も最近、窓の外に怪奇現象が起きていることを体験していた。
井ノ上はその女の声は『シネ』と言っている様に聞こえたといい、川居も自らの体験談を語る。
十日ほど前から窓の傍を通る度にラップ音が聞こえるようになったといい、その後、夜、コンビニから戻ってきた際、窓の外にぼやっと白い光が浮いていたという。
窓は三階に位置しており、隣のビルの壁に隣接しているので、何者かがそこで何かを出来るスペースは無い。
岩澤の指示で窓に対して監視カメラを仕掛けることに。
撮影4日後、深夜2時過ぎ、川居がスタッフルームから帰った後、ラップ音が数回、轟く。
その他、奇妙な物音がし、人影の様なものが現れ、数分後には窓にべたりと外側から手が張り付く様子が捉えられている。
その手はずり下がるようにして消えていく。
監視カメラの映像の紹介の後、岩澤がスタッフルームから下へ駆け降りる様子のシーンに切り替わる。
外では川居と井ノ上と演出補の阿草祐己がバングラディッシュの男性に話しかけられている。
話しかけられているが、どこの言葉か分からない為に返答に戸惑っているスタッフ達。
岩澤が話しかけ、英語が話せるとバングラディッシュ人がいうと、阿草が英語で会話し始めた。
阿草が帰国子女であり、英語が堪能である為に、彼の通訳で何が起きたのかを知ることになる。
バングラディッシュ人は、スタッフルームのあるビルの一階のカレー屋で働いているモハメド・ラジャさん。
ラジャさんは、三日前にビルとビルの隙間に女が立っていたのを見たという。
その女は身体全体が光っていたといい、その後、突然、その女は消えたのだそうだ。
川居と井ノ上と岩澤はその女がいたというビルの隙間に入って行くと、川居がそこに落ちていた傷だらけのデジタルカメラを発見する。
そのカメラは丁度、スタッフルームの窓がある箇所の真下の位置におちていた。
そのデジタルカメラは至る所が溶けた状態になっており、メモリカードも何もなく、電源もつかない状態のものであった。
悪戯電話
投稿者の柿崎さんは悪戯電話に悩まされていた際、その模様を映像に撮影していた。
柿崎さんをスタッフルームに呼び、話をきく川居の取材模様から始まる。
自宅に固定電話をひいている柿崎さんであるが、そちらの方に悪戯電話が入るようになった。
決まってそれは深夜、同棲中の恋人・松本睦夫さんがいない時にかかってくるという特徴があった。
女性の声で何かをブツブツ呟いているというものであり、当然、向こうは非通知。
松本さんに相談しても取り合ってくれない柿崎さんは浮気を疑ったが、ハッキリしないので、実際に悪戯電話がかかってきた際の様子をビデオに撮影することにしたという。
岩澤は映像を見てスピーカーフォンで悪戯電話の音声を流す様子を撮影している、柿崎さんに疑問を投げかける。
柿崎さんは電話の録音機能だけで、最初は悪戯電話の内容を収めようと思ったが、その時は不思議とノイズ音しか撮れなかったという。
受話器を握りしめて、スピーカーフォンにして、悪戯電話の音声を映像で録音している柿崎さんであるが、その時に松本さんから携帯電話の方に着信が入る。
ところが、悪戯電話の音声の方からも柿崎さんの携帯電話の着信音が聞こえてきた。
それは悪戯電話をかけている張本人が家の中にいるから、近くにいるということであると思った柿崎さんは、そのまま自宅から逃げ出した。
松本さんが帰ってくるまで、外で時間を潰した柿崎さんは、二人で自宅に入るが、特に誰か別の人間が自宅にいた形跡は発見できなかった。
深夜のアルバイトをしている松本さんが、そんな時に柿崎さんに電話をすることは珍しいことであったという。
松本さんは胸騒ぎがしたので、柿崎さんに電話をかけてきたということであった。
映像を二人で確認すると、そこには不可解な女性の姿が映り込んでいた。
不思議と映像が撮られてからは悪戯電話がピタリと止むようになったのだが、松本さんの方に今度は異常が出だした。
急にアルバイトを辞めて、自宅に引き籠る様になったという。
柿崎さんは昼間、派遣会社で働いているのだが、昼間、こっそりと松本さんは何かをやっている様子があるという。
スタッフに取材と言う形で、松本さんが何をしているのかを聞き出してほしいという柿崎さんの内密のお願いを受けて、柿崎さんと松本さんの住む自宅に取材に向かう川居と岩澤。
柿崎さんの案内で自宅に入った岩澤と川居の前にデスクに座ってうつむいている松本さん。
無愛想に応対する松本さんに川居が質問をしても、何も答えようとはしない。
その様子に徐々に苛立ちを見せる柿崎さんであるが、川居や岩澤は何故、アルバイトを急に辞めたのか?という質問をする。
次第にソワソワしだす松本さんに柿崎さんも質問をし出す。
昼間に何をやっているのか?とか、パソコンの履歴を消すのは何故?とか。
それでも全く何も答えようとしない松本さんに岩澤が他の女性と浮気をしているという様な問いかけをすると、松本さんは口を開く。
『勝手な詮索してんじゃねぇ! ふざけんな、マジで!』
岩澤は動揺しながらも憤る松本さんをなだめ様とするが、松本さんは怒りを露わにする。
『人のネタでメシを食うゴミクズが! 帰れよ、マジで! これ見てる視聴者も結局、同じでしょ? おまえらなんかぁ・・・おまえらなんか、呪われて死んでしまえばいいんだよ。』
柿崎さんがそんな松本さんを止めるが、松本さんは近くにある物を岩澤に投げつけて、追い出しにかかる。
次第に暴れ出す松本さんは止めにかかる柿崎さんを突き飛ばして、岩澤も払いのけて叫ぶ。
『また面白おかしくやるんだろうよ?! 勝手によぉ!』
と、カメラを指差して『帰れ!』を繰り返すばかりの松本さん。
部屋から追い出された岩澤と川居、二人に謝る柿崎さんであるが、松本さんの部屋からは大きな叫び声が轟く。
外に出た岩澤と川居と柿崎さんであるが、家の中から、松本さんの怒号が聞こえる。
そんなシークエンスの後に柿崎さんからの投稿映像が公開される。
固定電話の傍にカメラを置いて、受話器を握りしめて音声を聞いてじっと耐えている柿崎さんの様子が流れる。
電話からは女の声で何かをボソボソと呟く音声が流れる。
そこに柿崎さんのi phoneに着信が入ると、着信音が交差する。
激しく動揺をして、バッグを手に取り、引き戸を開けて部屋から出ていく柿崎さん。
引き戸を開けた廊下に髪の長い女性とおぼしき者が映像に映りこむが、それは次第にぼやけて消えていく。
タイムラプス
投稿者の荻野さんは一眼レフカメラを購入し、タイムラプス撮影(微速度撮影)という機能で夜空の移り変わりを記録していた。
そんな映像の中に不可解な女性の姿が現れる。
カメラを固定しているところの右奥の森に女性が現れて佇んでいる。
その女性は徐々に近づいてきて、ある箇所で一気にカメラの前にきて、笑いながら見ているという様子が流れる。
三時間ほど撮影した写真を一分ほどに圧縮した映像であるが、女性は一時間以上も森の前に立ち尽くしていたということになる。
しかし、荻野さんはこの時、カメラの傍に車を停めて仮眠しながら撮影していたが、そんな女はその時には全くいなかったという。
この映像を撮影した帰り道、荻野さんは交通事故に遭い、車が半壊するというアクシデントに見舞われた。
誰がいなくなった?
前コーナー【悪戯電話】の続きであり、松本さんの元アルバイト先の友人の桜井さんが取材に応じる。
以前、桜井さんと松本さん、もう一人仲の良い伊藤さんという男性のみで、肝試しにいったことがあるという。
松本さんは嫌がったが、桜井さんが無理矢理、それに連れて行ったという。
無理矢理連れて行ったのには理由があるという。
それは昔、松本さんは大きな交通事故を起こし、瀕死の状態になったことがある。
回復したが、そこから霊感が上がり見えないものが見えるようになったという。
桜井さんはそんな松本さんが肝試しにくれば、より面白くなると感じて無理矢理、連れて行ったということであった。
森の中で偶然、廃墟を発見した為に桜井さんたちはそこに潜入することにした。
廃墟は元々は牧場の厩舎であったが、そこを三人で散策していた時、松本さんが突然、消えたように桜井さんには見えた。
その後、激しい物音がして振り返った桜井さんと伊藤さんが見たものは、地面に倒れて暴れ出す松本さんの姿であった。
松本さんを桜井さんと伊藤さんは担いで逃げるようにしてその場を後にしたということであった。
その後、松本さんとアルバイトのシフトが一緒になったときがあった桜井さんは謝罪しつつも、何が起きていたのかを聞こうとする。
しかし、松本さんは一切、教えてくれなかったという。
桜井さんと松本さん、伊藤さんが行った肝試しの日付けは、柿崎さんの元に悪戯電話がかかってきた日と一致していた。
桜井さんはその後、肝試しの時に撮影した映像を見返してみると、そこに女性が映っていた。
また映像内には30分ずっと黒い画面が映り続けている箇所があるという。
肝試しの最中、桜井さんにはLINEのメッセージが数十通届いていたのを後で発見する。
そのメッセージが届いた時刻を確認すると、桜井さんが確認した時刻より後の時刻で送信されている。
要するに未来からメールが届いているという奇妙な出来事がLINE上で起きていた。
桜井さんは都市伝説の【きさらぎ駅】を川居に告げて、それと似たようなことが起きていたことを証言。
ロールシャッハの続き
桜井さんへの取材の数日後、スタッフルームに菊池が来訪。
菊池は熊井さんの投稿映像の出処を調べており、映画研究会のOBである小林須さんを見つけ出してインタビューを撮っていた。
小林さんによると、ロールシャッハの映像を撮った人物は曽根崎さんという男性であり、2003年くらいに撮影されたものであるという。
元々は風景を撮影する目的で廃墟を訪れたのだが、その時に曽根崎さんが突然、暴れ出して気絶してしまったという。
熊井さんの証言ではロールシャッハを撮影した人間は死んでいるということであったが、実際は曽根崎さんは最近まで生きていた。
しかし撮影した後、体調を崩して大学を辞めて、その後は鬱になって、今年(2013年)の七月に自殺によって亡くなったということであった。
更にロールシャッハが撮影された廃墟は、桜井さんが松本さんを無理矢理、連れて行った廃墟と同じであることを菊池は突き止めていた。
スタッフルームで菊池が岩澤、川居、井ノ上、阿草に自身の調査記録を報告しているのだが、二つの投稿映像が繋がったことを受けて、菊池を復帰させて合流という形にするという話し合いになった時、ロッカーの上から荷物が落ちてくる。
菊池の頭に荷物がぶつかり、それを心配する川居。
井ノ上がビルの隙間で拾ったデジカメを保管するようになってから、こういうことが起きるようなったと呟く。
更にコピー機も壊れたことを呟く井ノ上。
誰がいなくなった?の続き
数日後、菊池を交えた岩澤、阿草は、桜井さんの協力を得て、廃墟に向かうことにする。
日の明るい内に、廃墟近くに来た岩澤は阿草を車で待機させて、菊池と供に周辺住民に聞き込みをすることにする。
しかし、岩澤や菊池の聞き込みに対する周辺住民の反応は冷たいものであった。
地道に聞き込みを続ける岩澤と菊池。
その時、農作業をしている老婆から10年前に潰れた牛舎があるということを聞かされる。
その牛舎はかつて家族で経営していたが、夫と子供が亡くなって、妻が一人で切り盛りしていたという場所であった。
日が落ちてから、阿草と合流し、桜井さんの案内で廃墟に入る岩澤たち。
廃墟のカレンダーは1976年からめくられておらずに、散乱している遺物の中には平成六年の賞状などもあった。
菊池が熊井さんの投稿映像に映っていた廃墟と同じ場所を見つける。
桜井さんの案内で、松本さんが発狂した箇所も見つけることができた。
岩澤は廃墟を探索した後、メシを食おうと言い、皆を牛舎の廃墟から外へ連れ出す。
外に出てから林道を歩いている途中、『おい! おまえら何やってるん?!』と怒鳴る男性がやってきた。
男性は地元の人間であり、取材を行っている岩澤たちのことを他の住民から聞きつけて、様子を見に来たということであった。
岩澤が経緯を説明すると、笑いながら男性はいった。
『いやいや、まあまあ、知らへんことも無いけど、みんな教えてくれへんで? この・・・』
と、言いながら、カメラのライトが眩しいと軽く文句をいう男性。
すると、スタッフ達にタバコをせがんでくる男性。
菊池は持っていたセブンスターを男性に差し出しすと、男性はそれを吸いながら牛舎に関して知っている事を岩澤に話しだした。
10年位前には酪農をやっていた人間はいなくなっており、牛舎の近くには経営していた家族の家もあったという。
男性の案内で牛舎を経営していた家族の家が建っていた更地にきた岩澤たち。
そして、男性は言い辛そうにしながらも、経営していた主の娘が男性と付き合いだしたが、うまくいかずにストーカーになったという。
結局、それを苦にして娘は家で焼身自殺をしたという。
経営者の家はそれで火事になり全焼したが、両親は命をとりとめて別の場所で暮らしているという。。
娘は自殺する際、彼氏に電話をかけており、自分が死んでいく様子を電話越しに伝えていたという。
更に娘は電話だけではなく、自分の死に際をビデオに記録しながら焼身自殺をしたという話も男性は聞いた。
そのビデオを見た人間は呪われて死ぬという噂もあるという。
岩澤は男性の話の矛盾点を突く。
それは火事で全焼したならば、そのビデオは残っていないだろうと男性に確認を求めると、男性も聞いた話だからといい苦笑いする。
岩澤は話の出処の人間に電話をかけてもらって、電話取材をさせてくれないか?と、男性に頼む。
男性は相変わらずスタッフにタバコをせがむが、菊池も煙草を切らしてしまい、岩澤も車に置いてきたという。
すると桜井さんが自分の煙草を男性に差し出した。
岩澤が桜井さんに『ありがとね』と言い、桜井さんは微妙な面持ちで『大丈夫っす・・・』と答える。
男性は煙草をふかしながら、噂の出処の知人に電話をかけて、菊池がそれに応答する。
呪いのビデオ製作委員会と聞いたことで、知人は怪訝でぶっきらぼうな応答で菊池に噂のことを話す。
知人も友達に聞いただけということを告げて、語り始める。
それによると娘の自殺後、その恋人も死んだと証言するが、その後の調査は堂々巡りとなってしまう。
ここで桜井さんの投稿映像が公開される。
桜井さんが撮影者であり、嫌がる松本さんを引っ張る伊藤さんの様子が映し出される。
そこで桜井さんが憮然とする松本さんに罰ゲームと称して、カメラを持たす。
テンション高く、桜井さんが先頭になり、それに続く形で伊藤さんと撮影者となった松本さんが付いていく。
撮影しながらも嫌がる松本さんを笑いながら、肝試しを続けさせようとする桜井さんと伊藤さん。
廃墟内を進むにつれて、ある部屋に差し掛かった時、突然、周りで話しながら探索する桜井さんと伊藤さんの声がなくなり、動揺する松本さんのカメラ映像が流れる。
無人の廃墟映像が流れる中、突然、目を見開いた真っ黒い女の様な者がカメラの前に立ちはだかる。
カメラは異音を上げて、そこから黒い画面が30分流れ続ける。
次のカットではカメラを持ったまま倒れる松本さんの姿が映し出されている。
カメラは地面に放置されて、その前で松本さんが発狂しながら悶絶している様子が流れる。
そこに桜井さんと伊藤さんが駆けつけて、連れ出すという映像であった。
その後、スタッフは松本さんについて調べていたが、松本さんの名前を検索した菊池が過去の交通事故のニュース記事を発見する。
記事には松本さんは意識不明の重体になり、両親と兄弟は死亡していると情報が掲載されていた。
川居は柿崎さんに電話を入れて、事故について松本さんから何かを聞いていないかを確認する。
柿崎さんは松本さんの胸に傷跡があることを話し、それは事故の時についたものであると本人から聞いたということを川居に打ち明けた。
松本さんと知り合ったのは一年前であり、その時にしていたアルバイトが一緒だったことから関係が生まれたと語る柿崎さん。
その後、松本さんが柿崎さんの家に転がり込んできて、同棲生活がはじまったという。
松本さんは元々、自分の話をあまりしないタイプの人間であるといい、川居が事故のことを柿崎さんにそれとなく聞いて欲しいと頼むと難色を示すが、承諾する。
飛ぶカメラ
投稿者の長谷川さんが自宅で職場の友人たちと、たこ焼きパーティーをした際に撮影された映像。
たこ焼きを作りながら談笑して、楽しんでいる長谷川さん達であるが、カメラを落としハンガーラックの下に潜り込んでしまう。
すると、映像には青白い顔が映り込んでいるのであった。
撮影していた長谷川さんによると、この時、カメラが一人でに手元から離れて飛んで行ったという。
飛んだカメラが映し出した青白い顔は眉毛がなく目だけが異様に見開かれた女性の半面のアップ映像であった。
落ちたカメラを拾うと、引いた画面には髪の長い細面の女性の顔がしっかりと現れていたのだった。
悪人
岩澤の回すカメラには夜の街中を走る菊池と川居の姿が映り込んでいる。
スタッフが向かった先は柿崎さんの自宅である。
柿崎さんから差し迫った電話がスタッフルームにかかってきた為に、岩澤たちは柿崎さんの家を訪れたのだった。
自宅のドアから出てきた柿崎さんは髪を振り乱し憔悴しきっていた。
柿崎さんは自宅に岩澤たちを引き入れて、状況を説明する。
それによると、二日前に松本さんが失踪した。
その前に、それとなく柿崎さんは松本さんに事故のことを聞くと急に怒り出し、喧嘩になったという。
次の日、仕事から帰ってくると既に松本さんはいなくなっていたという。
貴重品などの荷物は全部無くなっており、ポストの中には合鍵があったという。
知り合いに松本さんのことを聞いて回った柿崎さんであるが、松本さんとよく似た人間を渋谷で見たという証言だけで、全く他に手掛かりはなかったという。
柿崎さんはそれを打ち明けると泣き出してその場に崩れ去る。
川居がなだめるように柿崎さんの身体に触れる。
松本さんを心配して泣きながら悔む言葉を吐く、柿崎さんに菊池は松本さんが残していった荷物の中に手掛かりがあるかも知れないといい、それを調べる承諾をとる。
菊池がロフトを調べると、そこには松本さんのズボンがあり、中からリストが出てきた。
そのリストは某掲示板で流出した個人情報のリストであった。
それを持ち帰り調べると、リストは二種類あり、その内の一つは某掲示板で流出した七名の個人情報がかかれたもの。
もう一つは掲示板のスレッドの書き込みであった。
そのスレッドは松本さんがかつて起こした事故を掲示板内で語るスレッドの書き込みであり、書き込みの中には個人情報にある七人が書いたと思われる投稿があった。
投稿内容は松本さんや家族に対して批判めいたことを書いているものであった。
スレッドの内容は被害者である松本さんに対する同情というよりは、事故内容を批判する内容の方が多かった。
そして、松本さんが特定した個人情報の七人の中の内、三人がここまでに紹介された【銅像】【タイムラプス】【飛ぶカメラ】の投稿者であった。
川居はそれら三人の投稿者に電話をかけるが、【銅像】の投稿者・葛城さんは行方不明。
【タイムラプス】の投稿者・萩野さんは交通事故に遭い、【飛ぶカメラ】の投稿者・長谷川さんは脳梗塞になり生死の境を彷徨っていた。
ここで【銅像】の葛城さんの取材映像が流れ、そこには行方不明になっている内村さんが何故、いなくなったのかの推測を葛城さんが語る様子が映っている。
カードを解約したりしてヤバいといっていたという内村さんは失踪する前に焦っていたという。
内村さんが個人情報が掲示板で流出したことにより、犯罪に巻き込まれるということを懸念していたのが伺える内容であった。
また川居は【タイムラプス】の萩野さんに粘り強く交渉をしてみると、掲示板に書き込んだことは認めたというが、それに対しての取材は拒否ということであった。
菊池は個人情報の他の四人の方を調べていたが、個人情報流出の影響で携帯電話自体が解約されていたということを突き止めた。
ここまでの情報からスタッフは以下の様に推測する。
松本さんは自分の起こした事故に対して、批判的なことを言った不特定多数の人物に対し、やり場のない怒りを感じていた。
そんな時、偶然に某掲示板の流出事件が起きる。
そこから松本さんは批判的な書き込みをした人間の個人情報を手に入れ、何らかの霊的な力をもって彼らに制裁を加えた。
更に言うと、【ロールシャッハ】に映った幾つもの顔と言うのは、あの廃墟にある呪いによって命を落とした犠牲者たちの顔であると考えられる。
その後、買い物から帰ってきた井ノ上が製作委員会のポストから封書を岩澤に渡す。
それは一枚のメモリースティックと手紙であった。
”悪人は俺か それとも他人か”
手紙には大きく手書きでそう書かれていた。
菊池が井ノ上が持つ手紙をとり、リストにメモ書きされた松本さんの筆跡と見比べると、手紙の筆跡は非常に似通っていた。
封書には差出人も宛先も書かれていない為、直接、ポストに投函されたものであると考えた。
すると井ノ上がスタッフルームに帰って来る前、建物から一人の男がでていき、浅草方面に歩いていくのを見たといった。
窓を監視しているカメラ映像を確認すると、確かに帽子をかぶった男がポストに何かを投函する様子が記録されていた。
井ノ上に対して岩澤は『おまえそれ、早く言えつーの! チッ!』と怒鳴る。
すると、川居は松本さんを渋谷で見たっていう証言を思い出し、浅草から銀座線で一本と言う。
つまり松本さんは近くにいるということに気づいたスタッフは急いで外に出て、追跡を始める。
岩澤、菊池、川居、井ノ上が街中を走りながら探す様子が流れる。
街中を走り回るスタッフ達の様子の後、井ノ上がさっき見た男を見つけたと岩澤に告げる。
改札を抜けると丁度、電車は動き出してしまったが、車内には帽子をかぶった松本さんが乗っていた。
電車を走って追う岩澤と菊池だが、電車は走り去っていく。
『くっそぉ・・・』という岩澤の声が聞こえる。
地下鉄から出ると、そこには川居と井ノ上がおり、岩澤に謝る様子が流れる。
まるでさっき怒鳴ったことをフォローするかのように岩澤が井ノ上にメシでも食うかという言葉を投げかける。
後日、スタッフルームに桜井さんを呼び、ある映像を見てもらう。
それは投稿映像の一部分、松本さんが発狂しているときの映像であり、その時、松本さんが手に持っているデジカメの確認であった。
桜井さんによると、松本さんが肝試しの際に持っていたデジカメは多分、拾ったものであるということであった。
桜井さんはそのデジカメと投稿映像に映るデジカメはよく似ているけど、同じ者であるかは分からないと川居に伝えた。
その後、松本さんがポストに投函したメモリースティックを溶けたデジカメにいれてみると、しっかりと形状が合うものであった。
更にかつて井ノ上はスタッフルームのドアの前に立っている男を見ており、話しかけたことがあるということを語った。
しかし男は帽子をかぶっており、顔を隠していた。
井ノ上の問いかけに逃げるようにして立ち去った男であるが、その男がかぶっていた帽子と電車に乗って姿を消した松本さんの被っていた帽子が似ていると岩澤に語った。
このことから、松本さんは問題のデジカメを廃墟で入手した後、悩みを打ち明ける為にスタッフルームを訪れていたのではないか?という見解に行き着く。
しかし、その時に何らかの心境の変化が起きて、三階の窓からデジカメを投げ捨て、メモリースティックだけを持ってその場を後にした。
そのデジカメにはある念が残っており、それがスタッフルームでの怪奇現象を引き起こしていたのではないのか?という推測をスタッフはもっていた。
井ノ上の証言から最初に帽子の男がスタッフルームの前に現れたのは8月26日のことであり、その日は某掲示板の個人情報が流出したのが表沙汰になった日と同じ日であった。
松本さんが何故、改めてポストにメモリースティックを投函してきたのか?
それはスタッフがおそらくそれを公開するであろうということを予想したから。
松本さんの真の目的・・・怒りの対象はこの映像を見た全ての人間に向けられているからである。
そしてスタッフは視聴者に恐怖を届ける為に、この映像を公開するしかないのであるという前置きのあと、メモリースティック内の映像が公開される。
『これ見てる視聴者も結局、同じでしょ? おまえらなんかぁ・・・おまえらなんか、呪われて死んでしまえばいいんだよ。』
と、かつて取材中に岩澤に向けて怒鳴った松本さんの様子が映り込む。
警告
これからご覧頂く映像は非常に危険であり
強い霊障を引き起こす可能性があります。
気が進まない方は視聴を止めてください。
こちらでは一切の責任を負いかねます。
と、いう警告テロップの後に10秒のカウントダウンタイマーが流れる。
一人の女性が電話で喋っている様子が流れる。
その音声は柿崎さんの元にかかってきていた悪戯電話の内容によくにたものである。
女性は立ち上がり傍に遭ったポリタンクの栓を開けて、中の燃料を自ら浴びる。
笑い声をあげながら、女性はそのまま部屋の電気を消す。
真っ暗な室内の中、女性の奇声とも笑い声ともつかない声が響き渡り、『死んじゃえぇ!!!』という声の後、マッチに火がつけられる。
マッチの火は女性の足元に投げられ、下から女性が燃え広がる様子が映し出される。
女性の絶叫がずっと映像内には収録されており、炎の中、立ちながらもがく女性の様子の中、【ロールシャッハ】で流れたサイケデリックなノイズが映像に入り込む。
音声は突然、プツリと途切れたあと、床に微かに火が残っている様子が映し出される。
ゆっくりと画面左端から横向きの女性の顔がまるでカメラのレンズを睨みつけるかのように下に降りていく様子が流れる。
画面は茶色くなり、そこで映像は終わり、本編は終了する。
☟内容やレビューは以下のリンクから☟
・ほんとにあった! 呪いのビデオ55のレビュー
・ほんとにあった! 呪いのビデオ55の内容