
ほんとにあった! 呪いのビデオ53のレビューです。
各コーナーは新たな状況設定を打ち出して、メインエピソードは非常に前衛的なスタッフの動きが印象的であります。
ほん呪53の各章のレビュー
血だまりの女
冒頭で霊なのか人間なのか分からないというニュアンスのお断りナレーションが入る一風変わったコーナー。
確かにイマイチ心霊現象というには生々しい展開が印象的であるので、どこか都市伝説っぽい雰囲気がありますが、インパクトはかなりのレベルである投稿映像であると思います。
これ、フェイクで作ったにせよ、かなり手の込んだことをしなければ再現は難しいと思うのですが、どうでしょうねぇ。
初っ端のコーナーは視聴者を温めるために非常に仕上がりの高いものをもってくる傾向がありますが、充分過ぎる出来栄えであると思います。
復讐
イジメの様子を克明に捉えているという胸糞悪い投稿映像でありますが、肝心要の箇所の描写は非常に斬新であり不思議と言う言葉しか思いつかないものです。
ですが、あまりにもイジメの様子が陰惨すぎるので、これは鬱動画と言っても過言ではないものですね。
むしろどこかほん呪っぽくないというか、ふさわしくないという印象もあるそんな一本です。
岩澤が投稿者に軽く説教を入れるシークエンスもありますが、それでも投稿者なので霊能者に頼んで除霊をしてあげるというあたりは、いやはや何とも・・・。
シリーズ監視カメラ 地下駐車場
分かりやすいくらいの幽霊によるテレポートが映像に捉えられたという、こちらも少々、変わった演出が目立つ一本。
女の霊そのものは特に珍しくもなく、使い古されたネタとも感じますが、そういったものに従来とは違う出現方法などを加えることによって、全く新しいものに見えてしまうんですよね。
この辺はさすが新しいことを出来るだけ、昔の雰囲気を損なわずに取り入れようとする岩澤の成せる業でしょうかね。
失われた仔ども達 中編
新たな協力者である菅沼さんの取材から一気に、袋小路にはまったかのような安部さんの捜索に動きが出るという展開は疾走感があっていいですね。
演出補の押木大輔の何気ない岩澤とのやり取りも非常に生々しくって決して嫌味でもないし、ハナにつきもしない。
この押木という演出補は至って自然体で、見ていて心地が良いですね。
初見の頃もみているわけですが、全く印象に無かったんですよ。
しかし、改めて見るとかなりいぶし銀というか落ち着いている感じが好感触です。
井ノ上は相変わらず首を傾げてしまう部分もありますが、シリアスな展開ばかりのほん呪の中では癒し系として和ませてくれますね。
ここでの怖い映像として、カラオケボックス内の安部さんの顔に何かが映るってものですが、私にはお腹の中にいる胎児のようにも見えるんですけどねぇ・・・。
とにかくこのエピソードのテーマはタイトルでもあるように子供や出産という、マタニティ関連のものということで、なかなか重いテーマですわな。
続・中編の感想は後ほど。
寝言
初見の時、酔いつぶれて寝落ちしている友人が画面端に映ってる構図から見て、『これは分かりやすいな・・・』って思ってしまいましたよ(笑)。
問題の映像や収録されている声は、それなりに衝撃度も恐怖度もありますが、ちょっとパンチに欠けるところがありますね。
それにしても、出てくる投稿者と友人たちの様子そのものは、リアリティあるものには仕上がっているので、同年代の視聴者には割と感情移入して見えるのではないかと?
成人
個人的に凄く好きなエピソードですね。
決して恐怖度や衝撃度が強いという一本ではありませんが、そのストーリー展開が秀逸。
つまり、結論から言って呪縛に打ち勝ったという意味にとれるわけですよ。
どういう理由からかは分かりませんが、幼き時の投稿者には男の子の霊が憑りついてしまった。
それを除霊するのは危険である為に、そのまま放置することがベターである。
だけど、それを投稿者に気づかせないで、そのまま何も考えずに成人させるまで待つという両親の忍耐が感じられるストーリーがイイですね。
成人になってしまえば、憑りついている男の子は関心が無くなるから自然と抜けていくということなんでしょうね。
言ってしまえば、このコーナーに限ってはハッピーエンド的な終わりを迎えるという数少ない一本であり、稀なコーナーとも言えるわけですよ。
遺された呪いのビデオ
Part53のコーナーの中での白眉的コーナーであり、衝撃度、恐怖度は群を抜いている一本であると感じます。
これまでの呪いのビデオのコーナーの中でも、こちらもTOP10入りするくらいの恐怖度を誇っていると感じるものであり、夜中とかは一人で見れないレベルに達しています。
この位のレベルになるとフェイクであったにせよ、視聴するにはそれ相応の耐性が必要となるわけですが、かなりヤバい仕上がりを見せていますね、これは。
何で陸上競技中の映像なのか?とか、カメラに向かって近づいてくる女の存在、その女に謝っているかのような男の声など、不可解で意味の分からない状況設定が不気味さを増幅させている点もポイントであり、もはやこれは危険物レベルにまで仕上がっていますよ。
私はこれ、何度も見るのはシンドイなぁ・・・と感じて止まないコーナーですよ(笑)
失われた仔ども達 続・中編
マタニティ系の呪いが発動する可能性を懸念して、川居が調査から外れたいと願うのは至極、当然でありますよね。
ほん呪の世界では川居は何歳という設定なのかはよく分かりませんが、この当時はおそらく33歳くらいであると思われるので、無理もないことです。
余計なことをあまり言わずに、即答で調査を続行する気持ちを述べる押木が凛々しいし、もう怖い話を聞いてしまった井ノ上が迷いながらも調査を続ける意思表示をするのも、地味ではありますが、ストーリーを際立たせている演出となっているのも秀逸。
そして現れる安部さんですが、明らかに精神崩壊している状態の彼女に無理矢理にでも情報を引き出そうとする岩澤はまるで昭和の芸能レポーターの様にがっついていますね。
この辺のシークエンスは笑ってしまうわけですが、追跡中に転倒する井ノ上に対して叱責をするも、その後、自分もコケて安部さんを見失ってしまう辺り、相当、テンパっているというのが垣間見れるわけで、派手なアクションを盛り込んでいるなぁ・・・と感じるわけです。
こういう演出は後作にも踏襲されているわけで、本来のコンセプトとは関係のないエンターテイメント性が人気の一つなのかな?ってしみじみと感じたりしますよ。
結局、安部さんには逃げられてしまうのですが、彼女が井ノ上に渡したデータには、新たな男の存在と謎の赤ん坊の姿があるということで、その訳の分からない状況を視聴者に見せることで後編への期待感を強めるというのは、恐れいりますね。
怖い映像云々ではなく、もはや続きが気になって仕方がないという様な感じでした。
総評
呪いのビデオ・Part53はド派手な演出が多いエンターテイメント性が強い印象がありますね。
個人的には地味で淡々としていて、ドカーンと決めるという様な作風が好きなのですが、これはこれでアリだし、素直に面白いと感じます。
しかし、それ以上にヤバいのは【遺された呪いのビデオ】ですね・・・あれは何か浸食されていきそうな位の一本だな・・・と感じちゃうわけですが・・・。
☟ネタバレや内容は以下のリンクから☟
・ほんとにあった! 呪いのビデオ53の内容
・ほんとにあった! 呪いのビデオ53のネタバレ
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コメント
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復讐にてノイズが微かに「オマエタチノセイデシンダ」と繰り返し呟く男の声に聞こえる気がするのですが、気のせいでしょうか?