
ほんとにあった! 呪いのビデオ51のレビューです。
これまで神がかり的な活躍を見せてきたスタッフの菊池宣秀が失速する切欠になるコーナーが印象的であり、それはまるでかつての岩澤を踏襲する演出であるのも注目です。
ほん呪51の各章のレビュー
夜警
Part51、初っ端のコーナーでありがなら、今作の白眉的一本。
もはや言うまでもなく衝撃度、恐怖度、完成度供に文句なしの代物であると思います。
トンネル内にとてもいるとは思えない警備員の姿を捉えたことで、動揺が走るわけですが、追い打ちをかけるように突然、車に向かって突進してくるこの世ならぬ警備員の霊。
その表情は明らかに尋常ではない恐ろしい形相であります。
突進してくるということに加えて、雄叫びの音声も映像内に入っているということで、もはやお腹いっぱいの一本です。
数あるほん呪作品の投稿映像の中でもベスト10に入る位の仕上がりであると私は思っています。
悪戯
ゴミを散乱させるという非常に悪質で陰険なイタズラをする少年をとっ捕まえる投稿者たちの様子が生々しくていいですね。
しかし、そんな少年に憑りついているかのように現れる霊の姿のインパクトも申し分ありません。
だれることなく普通に見れることからも、完成度も高い一本であると感じます。
空中楼閣
肝心要の映像そのものは特に恐怖度が高いものではありませんが、あまりにも斬新な映像の紹介ということでは非常に見ているコチラとしては新鮮な気持ちにさせてくれます。
ストーリーの背景にある20年前の事件というのは、伏せられたままなので、何を言わんとしているのかがよく分かりません。
しかし、この巻がリリースされたのは2013年ということで、そこから約20年前というと1990年代ですが、この頃は幼児を殺害して遺棄する事件が多いわけですよ。
一瞬、宮崎勤事件かと思いきや、古すぎることと山中に幼児を遺棄するということには合致していないので、別の事件であるようですね。
むげねぇ
廃墟の中で霊が映り込むというのは、これまでのほん呪投稿映像の中には沢山ありましたが、今回のコーナーはある特徴があります。
それは出てくる女の霊が非常に美しいということですね。
顔はぼやけているのでよく分かりませんが、それを踏まえても奇麗な女性であるということで、どこか怖いという印象は薄く、むしろ神秘的にも感じたりします。
『むげねぇ』という言葉の意味からして、色々と想像できますが、それはそれとして。
溶怪 前編
投稿映像に出てくる〇〇〇後と思われる女性の表情を捉えた様子が不気味すぎるのが特徴ですね。
顔が溶けていく様子よりも、この女性がカメラをガン見している映像、そのものが凄まじい恐怖度があると言えます。
取材に応える投稿者のどこかたどたどしい受け答えも、どこか首を傾げたくなる印象がすでに出ているのもうまい演出であると感じたり。
これまで作品に多大な貢献をしている菊池が自ら進んで、そんな投稿者の検証に乗り出すわけですが、それが仇となってしまうというストーリー展開も後作のことを考えてのことなんでしょうかね?
実際には菊池は他の作品の製作の為に製作委員会を離れざる得ないという大人の事情があったとは感じますがね。
後編の感想は後ほど。
シリーズ監視カメラ 古本屋
このコーナーの映像も個人的には意味深で印象が深いものとして、よく覚えています。
Part22~からはあまり初見の頃の感想は憶えていなかったしている私ですが、これは今でも覚えているものです。
改めて見てみるとやはり意味深すぎて、怖いとは思いませんが、斬新と言わざる得ないですね。
黒い和服の女性が二方向から後ろ姿しか見せないというその構図は、正面は一体どうなっているのかと考えさせる意味深なものに仕上がっています。
決して衝撃度・恐怖度は高いものではありませんが、非常に不思議な気持ちにさせてくれるそんな一本ですよ。
ベッドの下 開かずの部屋
基本的に床下が凄く綺麗であると感じてしまう投稿映像ですが、今のアパートってそういう感じなんですかね?
しっかりと床下の地面にもフローリングが敷かれていることから、このアパートは床下収納というオプションが付いていたのですかね?
それにしては広すぎると感じますが、肝心要の映像は非常にインパクトが高く、恐怖度も高いものに仕上がっています。
ですが、開かずの部屋のことに関しては存在を匂わすだけで、特に何も触れられていないのが全く納得いかないと感じますよ。
話だけでも不気味さは伝わってきますが、その点では片手落ちの印象を拭えません。
溶怪 後編
投稿者の身の起きている事の検証を買って出た菊池が大失態をやらかすというのが肝のコーナーですね。
いつも冷静な菊池が狼狽する今まで見たことが無い姿を、微妙な面持ちで見つめる川居の様子も印象的。
かつて岩澤が製作委員会を離れた際は、この菊池を探すという理由で児玉和土に申し入れして脱退したわけですが、今回の菊池はそうではなく、修行し直すという意味での離脱。
それは過去を踏襲しているかのような流れであり、少々、状況は違いますが岩澤が辿った道をこれから菊池も辿るということを連想させるに充分なわけです。
しかし、正直なところ、本当に責任をとるならば辞めるのではなく、その後の仕事で責任を果たすという方が大人であり男らしいと感じるわけですけどね・・・。
あくまでほん呪の世界においての設定ということですけど、この辺も非常にリアリティを感じさせる演出と言う意味で面白いと感じます。
単なる心霊フェイクメンタリーだけではなく、ドラマ性を盛り込んでいる辺りがいいですよね。
菊池と井ノ上の前から消え去った投稿者の小野寺さんの最後の様子に映り込んだ女性の霊は不気味ではありますが、少々、パンチが弱い。
更に、女性の正体や溶怪というタイトルとの結びつきは特に語られることは無く、この辺は少々、解せないところがあるとは思います。
どうも私からすると、収拾がつかなかったのかな?と感じずにはいられない仕上がりとなっています。
総評
ほん呪Part51は各コーナーやメインエピソードもそれなりに仕上がっていますが、どこか片手落ちなところも目に付くものとなっています。
ですが、これまで活躍していた菊池宣秀の失態とその狼狽ぶりが見れるということで、普段はお目にかかれない演出とストーリー設定が垣間見れる数少ない作品と感じます。
☟ネタバレや内容は以下のリンクから☟
・ほんとにあった! 呪いのビデオ51の内容
・ほんとにあった! 呪いのビデオ51のネタバレ
関連コンテンツ一覧
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。