ほんとにあった! 呪いのビデオ50のネタバレです。
今作もスタッフの岩澤宏樹、菊池宣秀、川居尚美のゴールデントリオの活躍がふんだんに見れるメインコーナー【アフンルパロを視る女】が素晴らしい仕上がりを見せています。
他コーナーも非常に仕上がりの高いものが目白押しとなっています。
ほん呪50の各章のネタバレ
今回は唐突に本編は始まる。
呪いのビデオ製作委員会スタッフルーム、演出補の菊池宣秀と川居尚美の作業風景が流れる。
菊池が一本のVHSをテレビデオに挿入し、確認を始まる。
13年の呪い
コンパクトビデオカセットと供に一通の手紙が添えられていた。
それは降旗英雄さんという人物で13年前に呪いのビデオ製作委員会に、ある映像を投稿した降旗祐介さんの父親にあたる人物からの投稿だった。
手紙には
降旗祐介が亡くなりました。
これは持っている必要がないものなので
お送りします。降旗祐介の父 〇〇
演出の岩澤宏樹は投稿映像を確認する菊池と川居、そして同じく横田季幸にも降旗さんのことを尋ねる。
しかし、知っている者はおらずに、その場にいた一同は困惑の表情を浮かべる。
川居がデータベースを調べると、確かに13年前に降旗祐介さんからの投稿があったことを示す記録が残されていた。
それによると未採用の投稿映像であり、倉庫にその映像があるかどうかを確認することになる。
横田が倉庫から沢山の段ボールに入ったテープをスタッフルームに出す。
その中から菊池が一本のビデオテープを発見。
ケースに【視聴厳禁】という張り紙がついたものであり、岩澤は一同に、このテープの存在を知っていたかを確認するが、皆は知らないという。
張り紙の言葉に不安を感じた岩澤は、13年前に【ほんとにあった! 呪いのビデオ】の初代構成を担当した中村義洋をスタッフルームに招き、問題のテープについての話をきく。
中村義洋は鈴木謙一と供に初期のほん呪Part1から7、Special 1を手掛けた人物である。
視聴厳禁のその投稿を中村は今でもよく覚えていた。
それによると、その映像は製作委員会が発足した間もなく送られてきた投稿であるという。
他の投稿映像と比べても、怖いと感じたので、映像確認後、すぐに投稿者の祐介さんに電話したという。
留守であったが、折り返し電話をかけてきた祐介さんは病院から、中村のもとに電話をかけてきていた。
階段から転落して足を骨折してしまった為に、入院をしているのだという。
中村と祐介さんが電話で会話した際の音声が残っており、それが公開される。
オーディオテープが再生されるシーンと供に中村と祐介さんの会話内容が流れる。
投稿映像は祐介さんが子供の頃に住んでいたアパートで撮影されたものであり、その後に両親が離婚。
離婚後は祐介さんは父親に引き取られたが、別れた家族とも連絡がつかなくなり、交通事故などに遭うことも多くなったという。
祐介さんは問題の映像を撮影してしまった為に、次々と不幸が起きていると感じて、助けを求めるという意味でも製作委員会に投稿してきたということであった。
現在、送られてきたコンパクトビデオカセットは、13年前に祐介さんが投稿してきたビデオのマスターテープであることが分かる。
中村は岩澤に当時の様子を再び語り始める。
祐介さんにインタビューをとってから2,3日後に映像の編集作業を開始したが、祐介さんの父である英雄さんからの連絡があった。
それによると祐介さんが病院の屋上から転落したということであった。
英雄さんは祐介さんから投稿のことを聞いており、採用を見合わせて欲しいと中村に頼んできたという。
中村はすぐには承諾はしなかったが、スタッフの一人がある推測を中村に告げた。
祐介さんが怪談から落ちて足を骨折したと思われる時刻と、中村たちスタッフが投稿映像を確認したタイミングが一緒であること。
投稿映像の編集作業に入ったタイミングで、祐介さんが病院の屋上から落ちたということ。
これらのことから、映像を第三者が見ると、祐介さんに不幸が起きてしまうという推測が成り立つ。
中村はパッケージ化しないまでも、こちらで祐介さんの送ってきた映像を見てしまったら、彼に不幸が降り注ぐと感じたので、視聴厳禁という張り紙をして保管して封印したという経緯だった。
病院の屋上から落ちた祐介さんは障害は残ってしまったが、命は取り留めたという。
その後、中村は降旗さんたちとは連絡を取っていない為に、現在はどうなっているかは分からないと岩澤に告げた。
岩澤や菊池、川居は過去の情報からあらゆる手を尽くして降旗さんに連絡をとろうとするも繋がらずに、13年前に彼らが住んでいたところにいっても、既にそこは更地となっていた。
興信所に頼み、降旗さんを調査してもらった結果、祐介さんの死亡届が2011年に出されていることが判明。
結局、父親の英雄さんの消息を掴むことは出来なかった。
祐介さんの死亡が確認された現在、製作委員会は問題の映像の解禁に踏み切り、公開される。
映像には綺麗に片づけられた小部屋で祐介さんの母親と思われる女性がソファーに座り、生まれたばかりの祐介さんの弟をあやす様子が捉えられている。
撮影しているのは英雄さんであり、傍には幼い頃の祐介さんも映っている。
ソファーの向う、カーテンが空いており、窓が映っているが、半透明の着物姿の女性がゆっくりと横切っていく。
その後、窓の下から家族団欒の様子を覗き見るように、老婆とおぼしき、ただれた女の顔がゆっくりと現れる。
ちなみに興信所は住民票などを頼りに、英雄さんを尋ねてみたが、そこには降旗英雄さんの名前を借りた全くの別人が暮らしていたという。
それは即ち英雄さんが何かの手段を用いて、自分の戸籍を他人に売ったことを意味していることであった。
降旗親子の13年間の歩みは壮絶を極めることであったことは想像に難くない。
降旗さんの父親から連絡があることを期待し
あえて本人の了解なしに降旗さんのお名前を
実名で公表させて頂きました。
ご了承ください。
というお断りのテロップが流れて、コーナーは終了する。
警官人形
投稿者の小出さんが友人たちとドライブに出かけ、その帰り道に撮影した映像。
夜が明ける前、帰宅しようと車を走らせていた際、助手席にいた女友達が悲鳴を上げたという。
女友達が言うには、道路脇に備え付けられた警官の人形の首が動いたということであった。
小出さんは女友達の言う警官人形の前まで戻り、確かめて見ることにした。
不安がる女友達の制止をよそに小出さんと他の友人は半ば馬鹿にするかの様に警官人形を様に扱うのだが、その人形の後ろには馬頭観音と書かれた石碑があった。
そちらを気にする友人とカメラ。
再び警察人形の方にカメラを向けると、頭上から何者かが唸っているかのような声が轟く。
それに気づいたカメラが警官人形の顔を映すと、のっぺらぼうの様な状態になっており、その横に警官人形の顔がずれ込む様な形で現れている。
更にその目は明らかにカメラの方を睨みつけていたのだった。
馬頭観音とは運搬作業などで馬を使う様になった江戸時代以降、馬が突然死した場所などに供養の意味を込めて建てられたものである。
そんな場所に警察官の人形が設置されていることからみて、小出さんが撮影した場所は交通事故が多いところであると考えられる。
アフンルパロを視る女 1
投稿者の宇佐美さんが友人たちと酒を飲み交わしている様子を撮影した携帯電話映像である。
宇佐美さんによると、酔った勢いに任せて、路上に座っていた一人の女性をナンパしたという。
投稿映像はその女性をメインに撮影しているものであるが、これを見たスタッフは驚きを隠せなかった。
何故ならば、半年前、突然、スタッフルームに現れた女性と同一人物であったからだ。
半年前の様子を語る川居によると、その日、他のスタッフは取材で外に出ており、一人でスタッフルームで仕事をしていたという。
するとノックもせずにいきなり女性がスタッフルームに入ってきたという。
その女性は酔っ払っているかのような挙動であり、フラフラしながら独り言をつぶやいていた。
川居が何を聞いても、彼女が繰り返し呟いていたのは『私じゃないんです・・・』という言葉だった。
収拾がつかないと思った川居は電話をかけるために奥へいくと、女性はその場から立ち去ったという。
岩澤と菊池は投稿者の宇佐美さんと公園で落ち合い、取材インタビューをとる。
今回は菊池がインタビュワーとして宇佐美さんに質問を投げかける。
宇佐美さんによると、三か月前、大学時代のアルバイト仲間の金澤貴一さんと久しぶりに会い、酒を飲むことになったという。
二軒目に行こうとした際、路上に座っていた女性がいたのでナンパをし、三人で店に入った。
ところがその女性とは会話が成立せずに、分かったのは名前くらいで、他は一切、話が弾むことはなかった。
女性の名前は押野妙子さんという。
しかし、押野さんはいきなり金澤さんの方を向き、『近いうちに死ぬ』と言い出したという。
特に気にすることなくその場で解散したが、一か月後、宇佐美さんの元に連絡が入る。
それは金澤さんの訃報であった。
建築関係の仕事をしていた金澤さんは、現場で資材が頭に直撃するという事故に遭い命を落としたのであった。
ここで半年前に撮影されたスタッフルームの監視カメラの映像が公開される。
映像には、松葉杖をつく川居と、挙動不審の押野さんの姿が記録されていた。
千鳥足のようにフラついた押野さんと、それに対応しようとしている川居の様子が流れる映像であるが、サブリミナル映像の様に何かが映像内に入り込んでいる奇妙な現象が現れている。
それはまだら模様の閃光のような不可思議な画像が挿入しているようである。
このカメラの異常は押野さんが訪れた時のみに発生していた。
ここでコーナーは一旦、停止する。
河原の狂気
投稿者の都筑さんが大学のサークル仲間と供に河原でキャンプをした際に撮影したビデオ。
男女が複数の人間が映像内に映っているが、その中でオレンジ色のTシャツを着た男性にいる。
その男性はヤスと呼ばれているが、仲間たちの囲いを離れて、フラフラとあさっての方向へ歩き出す。
不可解な行動を取るヤスさんを追って、仲間たちは走り出す。
ヤスさんは河原に入水しようとしていたので、必死に仲間たちが彼を引き上げた。
投稿映像にはその様子が記録されているのだが、ヤスさんがおかしくなり始める直前に、車座になり談笑している映像に奇妙な事象が現れている。
ヤスさんの首から上が明らかにヤスさんの顔ではなく、年老いてシミだらけの男性の頭に変化しているのであった。
都筑さんによると、河原の向こうには滝があるのだが、そこは自殺の名所として知られている曰くつきの場所であったという。
アフンルパロを視る女 2
岩澤はまず押野さんの調査を進めることにし、宇佐美さんの協力を経て、彼らが押野さんをナンパした場所を案内してもらう。
辺りで押野さんの映像を見せながら聞き込み調査をすると、押野さんを知っているという男性を発見。
飯島剛史さんはいかつい容貌の男性であり、界隈で風俗関係の仕事をしている人物。
喫茶店で岩澤の取材をうける飯島さんによると、押野さんは近辺では有名な風俗嬢であったという。
飯島さんの店でも短期間ではあるが、働いていたことがあるという。
当時から押野さんの周りでは人が死んだり不幸に遭うことが多かったと言い、他の風俗嬢からも怖がられていたという。
更に情緒不安定になったり、幽霊が見えるといったりする女性であり、まともに仕事をすることは出来ない性格であった。
風俗店を転々としていたという押野さんだが、最近では売春をしていたと飯島さんは語る。
岩澤が押野さんの連絡先や住所は知らないかと、飯島さんに尋ねると、現在の連絡先などは分からないが、押野さんがブログをやっていたことを打ち明ける。
飯島さんも店で働いている風俗嬢から聞いたのだが、以前は頻繁に更新していたが、最近は更新が滞っていると話し、更新が止まっているから殺されたんじゃないのか?と話し合っていたという。
岩澤が殺されたということに疑問を持つと、飯島さんは押野さんは更に語った。
押野さんは薬をやっていたりヤバい人間と付き合っていたから、その関係で殺された可能性もあると岩澤に話した。
しかし、それらはあくまで噂であるが、飯島さんも二、三か月前から押野さんをみかけてはいないと証言。
飯島さんは店の風俗嬢たちに現在の押野さんのことを聞いてみると岩澤に約束してくれた。
その後、スタッフルームでは押野さんのブログの調査を開始する。
菊池がアメーバ検索をかけて、すぐに押野さんのものと思われるブログに行き着く。
だが、2012年6月28日から更新が止まっていたが、過去記事を調べてみると、自傷行為や売春を仄めかす内容が書き連ねられていた。
押野さんの二年前のブログに気になる箇所があると菊池が岩澤に報告。
それは地元に帰ったという記事であり、画像と供に投稿されていたが、それは北海道の某所を示していた。
岩澤は北海道が出身である為に、その場所はよく知っていると呟く。
押野さんの実家がある場所は北海道の太平洋沿岸にある港町であった。
ここで宇佐美さんから送られてきた投稿映像が公開される。
押野さんに合わせようと宇佐美さんと金澤さんが色々、語りかけているものの、押野さんは挙動がおかしく突然、大声で笑ったりする様子が映し出されている。
そんな中、押野さんを映した際、画面が突然、静止する。
すぐに映像は動くが、押野さんを捉えた映像は絵残りし、それが徐々に消えていくと、金澤さんの横に巨大な顔が浮かび上がるのだ。
その巨大な顔は金澤さんを睨みつけているように見える。
紹介映像が終わってから、空港の場面に切り替わる。
岩澤と菊池と川居は北海道へ向かうことになり、押野さんに焦点を絞った調査を続けることになる。
ここでコーナーは一旦、停止する。
貸切風呂
投稿者の橘さんが友人と恋人ともに関西地方の温泉宿に宿泊した際、撮影したビデオ。
酒に酔った勢いもあって、貸切風呂の中でふざけながらビデオカメラを回していたのだが、問題の映像は不意に現れる。
カメラの撮影を男性から橘さんに変わり、湯船に男性二人が酒を飲みながら入浴した際、内一人の肩や手に紫色のアザが浮き上がってくるのだ。
更に湯船の端には透けた青白い男性の上半身が湯の中に浮いているような様子が現れている。
また、この映像が撮られた翌日、橘さんは身体中に原因不明の発疹がでて、一週間近く消えることがなかったという。
不気味な置物
投稿者の藤枝さんにファミレスで岩澤が取材を行う様子からコーナーは始まる。
藤枝さんの実家は千葉県にあり、そこには大きな蔵があるのだという。
2011年3月の震災の影響で蔵の壁にヒビが入ったことで、改築する必要が生じた。
藤枝さんの家族は一旦、蔵に保管されていた荷物を母屋に運び出したが、その際、8ミリビデオテープが出てきたのだという。
ラベルには1990年5月と書かれており、落ち着いてから、その映像を見てみることに。
映像は西洋の人形をただ延々と映しているだけのものであった。
藤枝さんはその人形に見覚えがあったという。
それは子供の頃、実家に飾られていた西洋の置物で、陶器で作られていたものであった。
その置物の人形は首のとれた人形を抱いているという不気味なものであった。
置物を延々と映している問題の映像であるが、最初と最後では明らかに人形の表情が変化しているのが分かるものであった。
ラベルに書かれた日付けの筆跡が藤枝さんの父のものと同じであることから、映像を撮影したのは父親であると藤枝さんは考えている。
父親は1990年6月に亡くなっており、死因は自殺であった。
夜、線路内に侵入して、電車に撥ねられたという。
その際、頭と胴体が切断された状態で発見されたというのだ。
映像が撮られた一か月後に父親が亡くなっている事から、人形が何かそれに関係していると感じている藤枝さん。
岩澤は人形が現在、実家にあるのかを藤枝さんに尋ねる。
藤枝さんは映像を見てから、人形を探してみたそうだが、実家には既に無かったという。
おそらく父親が処分していたのでは?と、藤枝さんは考えていた。
問題の映像は一時間近くに渡って撮影されていた長いものである。
コーナーでは早送りで紹介されているが、無表情であった人形の顔は、映像の最後にはカメラに視線を向けて、口元が笑っている様な表情に変わっているのだった。
アフンルパロを視る女 3
千歳空港に降り立った岩澤と菊池と川居。
押野さんのブログに掲載されていた画像の海岸に向かうことに。
前もって川居がその海岸を調べていたが、それによると地元住民も立ち寄らないマイナーな場所であるとのこと。
更に電話帳で調べた限りでは、押野という家は、その地域には存在していないということであった。
海岸周辺の地域で押野さんの映像を使って、聞き込み調査をするスタッフだが、思う様に情報は得られない。
どこか意図的に本当のことを隠している様な不穏な雰囲気を感じられるというナレーションが語られる。
川居が聞き込みをすると、そそくさと立ち去っていく地元住民。
そんな様子に苦笑いを浮かべるしかない川居の表情。
夜になり車内で休息をとる岩澤と菊池と川居であるが、進まない調査に川居が疑問を岩澤に投げかける。
岩澤『全然、集まらないねぇ・・・情報・・・もう少し、聞き込みするしかないか・・・。』
菊池『そぉ・・・ですねぇ・・・。』
川居『なんか、このやり方って・・・ちと効率悪くないですか? 時間も限られてるじゃないですか?』
岩澤『いあ、ま、限られてるけど、だからこそ、こうやってずっと聞き込みして頑張ってんじゃん!』
川居『このままやっててホントに分かるのかなぁ?って思って・・・』
岩澤『いあ、わかんないけど!こうやって今までだってやってきたわけだからさ・・・』
言いようのない苛立ちが言葉に出る岩澤と川居のやり取り。
菊池『わかりました。じゃあ、今日一杯、ま、聞き込み続けて、ま、それでダメだったらまた考えましょうか。』
菊池は車のドアを開けて、岩澤に言う。
菊池『じゃあ、ちと聞き込みいってくるんで、また何かあったら連絡します。』
岩澤『おう、じゃあ、また交代で、なんかあったら電話して。』
しかし、深夜になり聞き込み調査もここまでかとスタッフは考え始めていた頃、思わぬ情報がもたらされる。
川居の元に菊池から電話がかかってくる。
菊池の電話は押野さんを知る人物を発見したという報告であった。
菊池の元に合流した岩澤と川居は、押野さんを知る地元住民の西村隆弘さんにインタビューをすることに。
西村さんによると、押野さんとは同級生であり、小学生の頃に近所に住んでいたが、15年前位に押野さんの実家が火事に見舞われ、父親と息子が亡くなった。
母親と押野さんが助かったが、放火で火事になったのではないか?と、噂になっていたという。
実は押野さんはアイヌの家系であり、押野家は差別されていたこと雰囲気があったという。
(アイヌ民族とは日本とロシアをまたぐ北方先住民族の総称。北海道には現在も尚、多くのアイヌ民族の子孫が暮らしている。)
その様な背景があり、押野さんは子供の頃、イジメを受けていた。
川居は西村さんに聞き込みをしたが、火事のことを話してくれる人がいなかったことを告げると、あまりいい話じゃないから、喋りたがらないのでは?と返す。
西村さんは更に続ける。
押野さんと母親は火事があってからは、市営住宅に住んでいたが、半年ほど住んだ後に出ていったという。
火災後は押野さんは小学校に登校することはなかったが、西村さんの友人の話だと、海岸近くの洞窟で一人で遊んでいる押野さんの姿を見たと聞かされていたという。
海岸の洞窟は波が押し寄せる為に子供が入ることは禁じられていた場所であった。
更に西村さんは押野さんに対するイジメには、ある切欠があったことを語る。
西村さんの友人が幽霊が映っているというビデオを小学校に持ってきたことがあった。
みんなでそれを見ようとした際、押野さんがそれを呪われたビデオだから見るなと言い出した。
その後、階段でビデオを持ってきた友人が溺れて亡くなったのだが、それで押野さんを気持ち悪がり、アイヌの呪いだと言いイジメるようになったという経緯があったという。
西村さんの話から、ある推測がスタッフの間に持ち上がる。
それまでは押野さんが金澤さんの死に何か関係していると感じていたが、しかし金澤さんの死は突発的なもので、押野さんはただそれを予言しただけだったのではないか?と、いうことであった。
また飯島さんの証言に出ていた押野さんの周りで死んだりする人間が多かったのも、そんな押野さんの予知能力が誤解を招いたからではないのか?と、いうこと。
アイヌの言い伝えによると、誰にでも「トゥレンカムイ -憑き神- 」呼ばれる霊が付着しているといい、中には巫術行為(予知や降霊を行うこと)をさせるものもいるそうで、この憑き神を所有している者は、アイヌ語でトゥスクルと呼ばれるという。
押野さんにはそんな能力があり、宇佐美さんの投稿映像に映った顔は、そんな憑き神の姿が映り込んだものであったのではないか?と、推測した。
岩澤と菊池と川居は深夜になっているものの、押野さんが小学生の頃に一人で遊んでいた海岸の洞窟にやってきた。
菊池は洞窟の場所は、押野さんのブログ画像に映る海岸から程近いことを指摘。
この時に洞窟の入り口には奇妙な発行体が飛び交う様子が確認できる。
更に川居は洞窟横に立てかけられている解説文が記載されている看板を見つける。
そこには”アイヌ伝承の洞穴 『アフンルパロ』”と書かれていた。
川居が解説文を読み上げる。
昔、奥さんに先立たれた一人の老人が、ある日の朝浜で昆布拾いをしていたところ、遠くの方で自分の奥さんも昆布を拾っていた。 そこで声をかけようとしたところ、そのおばあさんは浜辺にある大きな穴の中へ入って行きました。 おじいさんも追いかけようとしましたが、穴はすぐ行き止まりとなり、人間は入ることができないのに、亡くなった人は出入りできるのを見て、この穴があの世への入り口だとわかったそうです。
と、書かれていた。
菊池が呟く。
『押野さんは、この洞窟で何を思って遊んでたんですかね・・・』
アフンルパロとはアイヌ語で『あの世の入り口』と言う意味。
スタッフはその後も調査を続けて分かったことは、押野さんと母親は市営住宅から引っ越した後は札幌市に引っ越し、5年前(2007年)に母親が亡くなっているという事実。
幻想的な海岸の光景をただ見つめる川居の姿。 岩澤が声をかけるというシークエンスが流れる。
東京に戻り、数週間が経過した後、編集作業中にあることを発見する。
それは川居が留守番をしている際に押野さんが押し掛けてきた際の監視カメラに入り込んだ閃光の全てがある意味をもっていたということ。
菊池はその閃光はパズルの様になっていて、それを全部繋げると一つの絵になるのでは?と岩澤に報告。
岩澤は『やるねぇ! よく見つけたね。』と菊池を褒めて、全ての閃光を抜き出して画像にすることにする。
プリントアウトした全ての閃光の画像を菊池と川居と横田がパズルの様に組み合わせていく。
そこに現れたものは、海岸の洞窟【アフンルパロ】の外観であった。
更に、そこには三人の人影も確認できる。
それは、岩澤、菊池、川居がアフンルパロを訪れた際の様子にも思えるものであった。
ここでアフンルパロにスタッフが到着した際の発行体の映像が流され、川居の押野さんがスタッフルームにやってきたときの証言が再生される。
押野さんが川居に呟いていた『私じゃないんです・・・』というのは、金澤さんを死なせたのは私じゃないという意味であると思われる。
更に押野さんは宇佐美さんたちに会う三ヶ月前に金澤さんの死や、スタッフがアフンルパロに調査に向かうことも予知していたのではないのか?という憶測が流れる。
そして、取材を始めてから数か月後のある日、押野さんのブログが削除されていたのだった。
呪われたホーム・ムービー
スタッフが北海道で会い取材を受けてくれた西村さんから連絡が入る。
取材後に小学生の頃の友人に連絡をとると、押野さんがイジメられる切欠になった呪われたビデオが現存していたということであった。
友人はビデオをダビングしたものの、持ち主の友人が亡くなった為に、ダビングしたビデオを実家にずっと隠していたという。
ちなみにこの映像を見た三日後、取材先で追突事故に遭遇してしまった。
警告
これからご覧頂く映像は個人差があるものの
人によっては何らかの霊障を引き起こす
可能性があります。
気が進まない場合は映像を止めてください。
こちらでは一切の責任を負いかねます。
と、いうテロップが挟み込まれて、カウントダウンの後に、問題の映像が紹介される。
それは古い映像でアリ、公園で子供が遊んでいる様子を捉えたもの。
父親が撮影している様であり、子供が回転ジャングルジムで遊んでいるのを見守る母親。
回転ジャングルジムの中心の柱にしがみついている子供をアップで撮影している映像だが、その際、不意に人影が柱の背後に現れ、子供の顔になる。
その顔の目は釣り上がり、子供を睨みつけているように映っている。
そして、映像は急停止し、機械音が突然、鳴り響き子供を睨みつけていた目はカメラに向かって大きく見開いているというものであった。
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