
ほんとにあった! 呪いのビデオ47のレビューです。
各コーナーもメインエピソードも良質であると感じますし、岩澤宏樹、菊池宣秀、川合尚美の黄金トリオの織り成す流れが見れる回であるとも言えます。
ほん呪47の各章のレビュー
泥人形
初っ端には刺激の強い投稿映像という、これまでの傾向をなぞるように今回も一発目から刺激的なものが投入されています。
コーナー内で語られている様な泥人形というような雰囲気は正直、肝心要の箇所に映る霊には感じられませんでしたが、インパクトはかなりのものに仕上がっています。
また友人の携帯電話にかかってきた着信が、投稿者からであるものの、投稿者からは電話は離れている為に、操作をしていないという細かな事象は、得体の知れない気持ち悪さを視聴者に植え付けることに成功していると言えます。
云わば前座の映像としては充分過ぎる位にクオリティが高いものに仕上がっているでしょう。
マヨヒガ
遠野物語に書かれた伝承の一部と絡めたストーリー背景ですね。
私的には稲川淳二さんの古典的怪談【メリーさんの館】を思い出してしまったわけですが、実際には遠野物語で似たような話があるというのは、何気にここで知りました(笑)
問題の映像は、二段階で視聴者を驚かせるという念の入れようであり、こちらもインパクトの高い映像となっています。
ちなみにマヨヒガというのは『迷い家』を昔読みしたもののようですね。
63,64話目に書かれている伝承説話であり、実際のマヨヒガはホラーではなく、訪れた者を裕福にする素晴らしい家だそうです。
ただし、無欲な人間にのみ発動する様であり、欲を持ってしまった人間は失敗するという説話。
シリーズ 監視カメラ 公衆トイレ
どこにでも監視カメラがついているという現代。
既に2012年当時でも数百万台が各地に設置されているわけであり、日本全国が監視社会といってもいいくらいのものになってますよ。
それが犯罪の防止や犯人の特定につながるのならば良いのですけどね。
と、戯言はさておき、問題の映像ですが、悪くはないのですが、少々、薄味ですね。
何かの影が映り込むというのは、あらゆる面で進化してるほん呪作品の中では既に刺激が足りないものになって、形骸化してるのではないかと感じますよ。
漫才の練習
私は学生漫才とか全く興味がなく、むしろ恥ずかしくないのかな?って半ば小馬鹿にしているタイプの下衆な人間ですが、このコーナーの映像は強烈です。
相方の身体が消えていくのですが、実はその背後には恐ろしくヤバい表情をしている女がいたということが分かるものであり、恐怖度はかなり高いものに仕上がっています。
身体が消えるだけでも充分だと思いきや、そこに更に畳みかけるように女の映像を挿入するというのは、演出としてはかなり見事であると感じます。
これも所謂、コンボ技のような組み合わせ手法ですね。
心の闇
ある筈のものが消えているというものに近い手法の心霊映像ですが、土台のストーリーのおかげで、かろうじて怖いコーナーに仕上がっているという感じです。
ですが、問題の映像の男性の直立不動のその姿がどういうわけか非常に気持ち悪いわけであり、その方が私は不気味に感じるわけですよ。
これ、頭が消えているとかではなく、その男性の頭部を残して、その顔や後頭部に何かおかしなものが映り込んでいるという方が衝撃度は高かったと思うのですがね。
廃墟の演奏会
Part47の中で白眉的作品であり、インパクト&恐怖度は桁違いの仕上がりを誇るものです。
廃墟で拾ったビデオテープを再生すると映り込んでいるのが、ピアノの演奏会であり、壇上の子供の背後からドレスをきた女が異様な格好で忍び寄る姿。
これだけでも怖いのですが、まだ畳みかけるように続くのですよ。
本編では指摘されていませんが、これはおそらくステージ上のおかしいドレス女を視認した撮影者(多分、親)が、そちらにカメラを向けれないという状況になり、足元を映しているのです。
しかし、子供の演奏(多分、娘)に合わせるように別の美しい旋律が混じり、追い打ちをかけるかのように、ドレスの女とおぼしき顔がカメラの前に現れるという代物。
この映像がガチであったと仮定すると、完全に娘はかつて凄腕であったピアニストに魅せられて連れて行かれているわけであり、最後の顔が映り込むものが暗に示しているのは、『娘はもらった』という現れと私は解釈してしまいます。
ストーリーも娘が幻聴を苦にしてハサミで耳を突いて自殺するという設定も、話的にはヤバすぎるインパクトです。
コーナーの完成度、恐怖度、衝撃度は、私がみた数多くのほん呪作品の中でも、間違いなくTOP10に入る代物です。
死返 まかるがえし 前編
同時刻というのが前提のテーマになっている投稿映像。
鈴川さんと斉木さん、お互いのカメラで撮った映像は同時進行であり、それは映像が切り替わる別の箇所でも同時進行と言う奇怪なものが印象的。
岩澤、菊池、川居のゴールデントリオが織りなす取材模様も、見ていて『これだよ、これ!』という具合であり、何のストレスも無く釘付けにさせてくれるのがイイですね。
とりあえず【死返 まかるがえし】は前編だけ見ても、ただ怖い映像と不可解な謎ばかりが残るだけで、あまり感想というものは出てこないのですが、紹介される二つの映像の恐怖度やインパクトはこちらも桁違いにレベル高いものであると私は思っています。
斉木さんに嫌なことをさせた田沼さんという人物が、スタジオ内に残したカエルの死骸というのも、この時点では黒魔術的なことをさせたということが容易に分かるものであり、それは視聴者におぞましいことが背景にあるということを暗に匂わせるには充分なストーリーであると言えます。
岩澤政権下のほん呪スタッフの本領発揮が始まるといった期待が高じるコーナーであり、面白いと素直に感じました。
総評
メインエピソードも去ることながら、各コーナーも非常に質の高いものに仕上がっていると感じるPart47。
オカルト好きで尚且つ刺激物が大好きという業の深いファンは、何度見ても面白いと思う位の完成度は誇っていると思うのですが、どうでしょうか?
☟ネタバレや内容は以下のリンクから☟
・ほんとにあった! 呪いのビデオ47の内容
・ほんとにあった! 呪いのビデオ47のネタバレ
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