ほんとにあった! 呪いのビデオ40のレビューとなります。
今回は新鮮なテーマであるメインエピソードが印象的であり、一風変わった仕上がりを見せているのが特徴といえるでしょう。
ほん呪40の各章のレビュー
社員旅行
肝心要の映像はいわば初期の頃の定番であった白い着物の女のような霊の映像。
もちろん、こちらのほうがよりハッキリと映っているもので、インパクト&恐怖度も高いものに仕上がっています。
初っ端、視聴者の気持ちを高める為に、割とインパクトがあるものをもってくる傾向にありますが、充分、それに即したレベルには達していると思います。
硫化水素
投稿者が自身の女を連れて、友人の家を突然、押し掛ける様子が投稿映像に込められているのですが、そこはどうも無神経さを感じたり・・・。
明らかに面を喰らっている投稿者の反応には、非常にリアリティがあるわけで、全て台本であるならば、これらをひっくるめて秀逸であると感じます。
問題の映像は取材映像などをひっくるめて長い尺をとっていた割には、どうも私的にはパンチに欠けるものであるかと・・・。
映り込む女性の顔だけではなく、胴体までも映っていたのであれば、かなり強烈な印象を与えることに成功できたのではと思うのですがね。
うつりこむ眼
眼鏡に反射している眼というのが、このコーナーの問題の映像ですが、こちらもどうも刺激が足りない。
それ自体は非常に不思議な映り方をしているとは思いますが、語られる投稿者のエピソードは『だから、なんなの?』程度の薄い内容である為に、こちらもパンチに欠けるわけです。
眼鏡に映り込んだ目がまばたきの一回でもしていたならば、また違った印象があったわけですが・・・。。
自然発火
Part40のメインエピソードで、個人的には非常に新鮮であると感じるものです。
これまではあくまで人間の霊というものが、生きている人間に災いをもたらすというテーマでしたが、今回は少々、違う。
前編は少々、見ていて怠く感じてしまうわけですが、徐々に物品である椅子に問題があるということが分かってくるわけです。
これまでにも物に何か宿ってしまっているという展開はあるのですが、大体、それは中古品であり前の持ち主に原因があるというもの。
しかし、今回は新品であったということが一つのポイントであり、先を読ませないための仕掛けと言ってもいいものです。
怒涛の後編の感想は後ほど。
夏の川原
投稿者の若者グループの非常に楽しそうな様子が映る映像は微笑ましいのですが、楽器を鳴らして騒ぐその様子には若干、狼藉を働いている様にも思えたり(笑)
周りにもしも住宅街があるならば、警察を呼ばれるレベルであると感じますが、問題の映像は口を開けた女性のような不気味な顔が映り込んでいるということで、なかなかのインパクトと恐怖度があると思います。
コーナー上の設定では近隣住民の遊び場にもなっているが、様々な事件の現場にもなっているというようなニュアンスで語られる公園ですが、人が集まるところは楽しいことと対照的に犯罪が行われるという別の側面もあったりするものです。
ハウススタジオ
大学の映画サークルの撮影模様ですが、どうも投稿映像はハナにつくんですよね・・・。
女性監督の偉そうな声と相まって、役者の学生たちもマスクはそれなりにいいものの、どこか良い雰囲気に見えないわけでして・・・。
加えて問題の映像ですが、それだけを見れば確かに怖いものの、ヤラセMAX感が拭い去れないわけです。
これ自体が完全に作られたフェイクメンタリーと言えなくもないですが、夢見が悪いことを投稿者に語りながら、取材を拒否するという女性監督の存在もまた微妙に思えたり・・・。
と、いうか、この程度の心霊映像は、正直、誰にでも作れるものであったりするので、怖いというよりは、しゃらくさいと感じる一本でした。
シリーズ 監視カメラ レンタルオフィス
肝心要の映像は私は然程、怖いとは思いませんでしたが、少々、深く掘り下げて見ると、ちょっと薄気味の悪い映像であると感じます。
と、いうのもレンタルオフィス内で電気をつけて仕事をしているリーマン達が終業し、帰るときに電気を消す。
その時に現れるということは、常に仕切り板には、タダゴトではない顔が映り込んでいたとも考えられるわけで、それならば薄気味悪く感じます。
夜の池
楽しく遊んでいる投稿者の若者グループが少々、悪そうに見えて、それはそれで生々しく感じます。
ですが、そんな中、突然、仲間が何かに憑りつかれるかのように、池にダイブするという常軌を逸した行動そのものが怖いプロットであると感じます。
更に放り出したカメラに映り込むのは、明らかにカメラの存在を意識しているかのような女の顔。
何か過去には事件を連想させるような、その構成には別の恐ろしさを感じさせるわけですよ。
あくまでこのコーナーはメインエピソードではないので、そこまでは作りこむ気持ちは無かったと思いますが、私が問題の映像をみて連想するストーリー展開としては、かつてこの池の付近で深夜、女性が若者たちに集団暴行されて殺された。
そして、その怨念が似たような若者たちに憑りついて、不幸を巻き散らかすというようなプロットでも面白かったとは思います。
映像そのものは非常にインパクトがあるものでしたので、プロットが惜しいな・・・と感じる一本でした。
続・自然発火
木の椅子こそが不可解な映像が映った原因に繋がるという展開ですが、秀逸なのは新品の椅子そのものではなく、材料にあると感じて調査するという進行ぶりが素晴らしいですね。
こういった展開は非常に斬新であり、ありそうでないという具合に感じました。
材料を提供した材木会社に目を付けて、そこが倒産した理由というのは、よくある資金繰りの悪化ではなく、親族経営している首脳が病に倒れて死んだことというのも、なかなかのストーリーと感じます。
要するにストーリーの仕立てが安易ではないんですよね。
更にそこから掘り下げて、鎮守の霊樹を切り落とし、それを材料として材木会社が使ってしまったという展開も、よく考えついたな・・・と感心するものです。
ちょっと細かすぎるわけですが、その着眼点は非常に評価できるものであると感じます。
問題の映像も単なる自然発火だけではなく、神木に宿っていた存在が現れるという具合で、衝撃的なものに仕上がっています。
更にダメ押しと言わんばかりにお札というアイテムをトリに持ってきて〆るという構成も、お見事であると思います。
まとまっているストーリー展開と映像の絡みなどを含めて、非常に完成度が高い一本であったと感じます。
総評
各コーナーは少々、解せないものも多かったPart40ですが、メインエピソードが非常に優れていると感じた為に、面白く見れた巻です。
次回作でこれまでほん呪シリーズを牽引してきた児玉和土は離脱するのが残念ですが、それはまた次回のレビューで熱く書かせてもらいます。
☟ネタバレや内容は以下のリンクから☟
・ほんとにあった! 呪いのビデオ40の内容
・ほんとにあった! 呪いのビデオ40のネタバレ