
ほんとにあった! 呪いのビデオ37の視聴レビューですが、非常に演出が優れていると感じる巻です。
2010年夏の定番の三部作の続き物として、児玉の気合がいつも以上に感じられるそんな雰囲気が色濃く出ている作品です。
ほん呪37の各章のレビュー
呪いのわら人形
心霊現象が映り込んだとは言い難いものでありますが、非常に怖くもあり面白い映像であると感じます。
実際に呪いのワラ人形という呪殺方法を行っていた人間がいる時に、たまたま訪れた若者たちが遭遇してしまったケースという様にも見て取れますね。
おぼろげな知識ですが、確かワラ人形を打ち付けているところを、第三者に見られると効果が薄れるという説を聞いた事があります。
だとすれば、この映像でいうのであれば、尚更、ワラ人形をやっていた女?が怒って襲い掛かって来るというのは分かる気がします。
映像が怖いというよりは、突然の展開に吃驚して怖いというような一本ですね。
隣人の声
個人的にはPart37の中で白眉的コーナーであるといえます。
マンションやアパートに住んでいて、他の階、或いは隣の部屋で男女が凹凸している声って、非常にテンションが上がるというのは分かりますね。
別にそれで自分も興奮してくるというテンションの上がり方ではなく、どこかそんなカップルをからかいたくなるという様なテンションの上がり方(笑)
しかしよく出来ていると感じるのは、その後の展開ですね。
あくまで音声だけのことですが、その声は次第に別のものを連想させるものへと変わっていく移り方がヤバすぎます。
流れ的には『普通にヤッてる』→『ピーク』→『野郎がエキサイティング』→『女が怖くなり退き出す』→『野郎は止まらずに別の欲望爆発』→『女が死ぬ』という感じ。
それを音で認識してドン引きしている投稿者と友人であるけど、その背後に現れるプレイで死んだと思われる女性の顔。
この流れが絶妙であり、非常に完成度が高い怖いコーナーであると断言できます。
二つの眼
肝心要の映像は非常に生々しい。
かつてPart14のコーナーで紹介されたものと少々、似ていると感じる投稿映像。
目が映るというのは、これまでに何度もあるのですが、まばたきをするという何気ない細かい描写が異常にリアリティを出しているんですよね。
それがあるか無いかで格段に怖さが違うというのは、不思議なものです。
狂死のビデオテープ 胎動
ついにこれまで伏線の様に散りばめられていた心霊博士がメインとなる初コーナー。
実際に心霊博士と繋がる点は別の投稿映像の取材からと言う展開が素晴らしいです。
個人的に言えばコーナーを予め心霊博士の前置きの解説をいれるのではなく、突然、予備校講師の証言の時に繋がった!という感じで構成していれば、更にインパクト絶大だったのに・・・と思うところです。
ちなみにこのコーナーのタイトルを見た時は、狂死のビデオテープという狂死という部分に『いちびってて、逆にカッコ悪い。』と感じて、鼻で笑ってしまいましたけど、何気に教師(浅野講師)=狂死(きょうし)とかけていると分かって、なるほど・・・と感じたり。
にしても、もっと別のタイトルは無かったのかと感じましたよ・・・。
投稿映像のベッドの下に現れている男性の顔(浅野講師の顔)は非常に恐ろしく、怖いものであると素直に感じます。
続く感想は後ほど。
海岸の洞窟
私のあまり好きじゃない身体の部位系ですね・・・。
しかし、これは結構、手がしっかりと作りこまれているのが、これまでと違って評価に値するかと。
手の質感が生々しく感じる出来栄えでありますが、やはり怖いとは全く思わないもので・・・。
まあ、尺稼ぎにはいいコーナーであったのかな?というレベルです。
シリーズ 監視カメラ 自動車
こちらも身体の部位系ですが、非常に面白いコーナーですね。
確か稲川淳二、桜金造の怖い話でも、手の脂が話の中のスパイスに盛り込まれているものがあったんですが、それを映像化にしたという感じですかね。
おそらく、こういうシチュエーションを映像化したのって、ほん呪が最初であると感じるのですが、非常に興味深い映像でナイスという具合です。
私は初見の時も、改めて見た時も怖いとは思いませんでしたが、なかなか出来が良い一本と断言できます。
誕生日ケーキ
ロウソクを消す男性が非常にブサイクだなぁ・・・と恐ろしく下衆なことを思ってしまいましたが、それはさておいて・・・。
問題の箇所に映り込む女性のシリアスな顔は普通に怖いと感じるものであり、ロウソクの火の色と相まって、恐ろしく不気味にも思えます。
ですが、この映り込んだ女の顔は歪んではいるものの、おそらくは非常に顔の作りがいいことが伺えるわけで、男性の顔と女性の顔のアンバランスさに変な印象が感じられる摩訶不思議な一本であると私は感じましたよ。
狂死のビデオテープ 続・胎動
【シリーズ 監視カメラ 自動車】の取材中に呼び出されるというシークエンスが非常に新鮮な演出と感じますね。
明らかに常軌を逸した事が起き出したと視聴者にもそれとなく分かるものであり、事態がタダゴトではないという雰囲気が如実に伝わってきますよ。
スタッフルームでの何気ないやり取りである『俺、警察嫌いなんですよね。』という伊月に対して『でも、そういう問題じゃないから』と切り捨てる児玉の会話が笑ってしまいます。
岩澤は警察に届けると厄介になって取材に影響が出るから、なるべく届けないということであったのに、伊月は個人的な感情で警察イヤという気持ちを出すあたり、仕事に対する姿勢が両者明らかに違うことを仄めかしている描写が面白いですね。。
そして、出てくるのが心霊博士の娘と言われる不気味な女性。
言葉巧みに分断される取材班ですが、伊月が見つける女性は、何故か足が不自由で杖をついているという設定が、意味深すぎて不気味な感覚を与えてくれます。。
このコーナーを見た後は絶対に先が気になるという感じにさせられるので、児玉の演出が神がかっていたなーと感じて止みません。
総評
Part37は前述した通り、児玉の演出能力が爆発している非常に展開が洗練されている巻に仕上がっている良作であると思います。
Part41で児玉はほん呪から退くことになるわけなので、最後が近いということで、巻が進むにつれて気合の入り方が違っているのかな?と邪推してしまうのですが(笑)
☟ネタバレや内容は以下のリンクから☟
・ほんとにあった! 呪いのビデオ37の内容
・ほんとにあった! 呪いのビデオ37のネタバレ
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