
ほんとにあった! 呪いのビデオ15のレビューに入ります。
坂本一雪の最後の作品となる回であり、素晴らしく完成度の高い作品であると思う仕上がりを見せています。
それではいってみましょう。
ほん呪15の各章のレビュー
ほん呪シリーズは全部、見ている私ですが、坂本一雪が監督を務めた回が非常に好きであります。
この辺りは好みになるかも知れませんし、後期からほん呪を見始めたファンにとっては、この辺のほん呪作品は見応えが薄いと感じるかも知れませんけどね。
何というか虚無感やドライな雰囲気を感じさせつつ、肝心要の心霊映像や構成が全力でぶち抜きにかかっているという様な感じでして。
事故
肝心要の心霊映像は特に怖いとは感じなかったわけですが、全体のインパクトが凄まじい仕上がりを見せています。
まず投稿者の同僚が車道に出て車に轢かれるという演出?が、見ているコチラに衝撃を与えるには充分なわけです。
しかし、それだけでは終わらずに道に転がっているカメラは2度目の追撃を捉えているわけです。
更にダメ押しで3度目が来るという状態で、映像には轢かれた女性の姿は全く映っていないのですが、その状態を連想させるには充分過ぎるほどの衝撃を与えられてしまいます。
正直なところ、本当に車が追突してきてカメラが放り出されたならば、道に落下した時点で映像が録画され続けていることはないでしょうし、擦り切れたミニDVテープという状態ではなく、砕け散っていて再生が出来ない状態になっているはずです。
なので、当然、このコーナーはフェイクであるのは明白ですが、それにしても怖いと感じさせるにはあまり余る描写に素直に戦慄をおぼえます。
初っ端からこれかよ!って感じですが、これを補うだけの後に続くコーナーがあるのは驚きでしたね。
責任
ほん呪・リング編で大活躍であった横田直幸が登場し、どこかほんのりとする気分が味わえるコーナー。
藤屋敷も登場しており、横田さんを先導している姿が印象的でしたが、前作の悪評がたたってか今作は割と落ち着いた印象がみてとれます。
車の中での取材シーンもどこか映画を思わせる風合いを残しながらも、妙に色気を感じるわけです。
廃屋に入ったスタッフらの様子も何処か笑いを誘う描写もあるわけですが、別に違和感も無く雪に囲まれた古びた廃屋はどこか美しさも感じてしまうわけです。
夜の買物
酔っ払った勢いとはいえ、アダルト雑誌やビデオのキャッチコピーなどを朗読する投稿者たちの様子は笑えるものがあります。
これは心霊ドキュメントだよね?と確認したくなるくらいに、男でないと分からない下衆な笑いが込み上げてくるのは、どこか親近感を覚えるからでしょうね。
肝心要の映像は見ようと思えばそう見えるという位のレベルであり、少々、完全に心霊映像とするには無理があるとは思いました。
新年鍋
鍋の材料を出す奥さんの手伝いをするためにカメラをおくと、間近にあるボウルに反射している箇所に黒い人影がいるというもの。
よく出来ていると感じながらも、ボウルにうつっている2体の人影が消えた後、何故か意味も無くカメラが動くわけです。
それは人影がいたとされる箇所には何もないんだよ?と案に見ている人間に分からせるかのような余計な挙動が個人的には減点対象というか(笑)
その時点でリアリティもへったくれも無くなってしまうわけで、それが無ければ興冷めな気分も起きなかったのですが・・・。
夜釣り
初見の時に確実に見ている筈なんですが、全く忘れていたコーナー。
しかし、今、改めて見ると、これって凄くよく出来ているというか、好きなコーナーです。
今までの心霊映像はガチっぽいものであっても、フェイクと一発で分かる様なものでも、必ず心霊映像までにはタメがあるわけです。
ところがこれはタメらしいタメもなく、ずっと映り続けているわけであり、投稿者のお父さんのリアクションも非常に自然に見えるわけです。
心霊というよりはなんかUFO映像を紹介するような作りにも見えますが、斬新に感じます。
作品を見る視聴者の中だるみをとるという意味では良い構成のものであったと思います。
責任の続き
投稿者の先輩が撮影したビデオ映像は特に怖いと感じることはありませんでした。
しかし、やはり不気味な印象は感じるわけで、無理矢理、廃墟探索に連れてこられて『責任・・・』と意味不明に呟く先輩に嫌気がさして不気味さを感じる投稿者の心理が伝わってくるようです。
にしても、この廃墟を探索する藤屋敷と横田さんを映し続ける明るい映像は怖いというよりも、どこか綺麗で切なさを感じる云わばイメージビデオっぽい印象が強く持てる感じです。
落書きなどは下品極まりないのですが、それをさっぴいて綺麗に丁寧に撮られていると感じます。
自転車置場
音楽のアルバムでいうならば、このコーナーは尺合わせの捨て曲という具合なのでしょうかね・・・。
逆さまの女が映り込んでいるという形でしたが、そう見ようと思えば見えなくもないという具合で、制作者側の示すものが無ければ、それがおかしい映像であるとは誰も気づかないくらいの代物ですね。
だとすると、これは本当にガチの投稿映像であった可能性もあるのですが・・・。
豪雪
特に怖いわけでもない心霊映像ですが、5体の白い影は人間と言うよりも、グレイタイプの宇宙人に見えたりしたのは私だけでしょうか・・・。
明らかにフェイクであると感じるわけですが、極めてうまく映像に溶け込んでいるようにも思えるので、はっきりと指摘できるところもないという感じです。
トンネル
心霊スポット大好きな投稿者二人組が捉えたとされる女の佇む霊。
新しく作った完成間近のトンネルだが、何故か使われることなく廃れたというエピソードも相まって、純粋に怖いと感じるコーナーです。
個人的にほん呪で紹介される数々の投稿映像の9割以上は全部、作り物のヤラセと思っているわけですが、これはガチであっても・・・と感じるくらいの一本でした。
ニューロシス-Neurosis-
まず印象は投稿者の女の子二人が本当に可愛い子であるということ(笑)
そんな二人組がはしゃぎながらビデオを撮ってるシーンは非常に見ていて『なんかいいなぁ・・・』とスケベ心をくすぐられるわけです(ぶw)が、肝心要の問題のシーンは凄まじい。
ちなみに初見の時は女房と一緒に見ていたわけですが、現在に至るまで私の女房はニューロシスが一番、怖かったと断言しています。
特に怖い顔や物体が映るわけでもなく、凄まじい虐待を連想とさせるの音声が鏡張りの空間に響き渡るというおぞましさが展開されるわけで、脳髄が浸食されていく気分に駆られるわけです。
心霊とか呪いというオカルティズムというよりは、人間の怖さを感じさせるようなものであり、ほん呪の数あるコーナーの中でも恐怖度は凄く高いものに仕上がっているかと。
また藤屋敷が虐待されていた子供であったということも、それとなく込められています。
だからこそあれだけ変わった人間になってしまったということを暗に匂わせている辺りは、少々、過剰な演出にも思えます。
が、トリとしては申し分ない破壊力のあるものであったと断言できるコーナーでした。
総評
全体通しての仕上がりは他作品と比べても、圧倒的に高い作品であると思います。
Special6は、今回のPart15を制作している段階で企画には上がっていたようです。
しかし、現在に至るまでSpecial6はリリースされていないところをみると、坂本一雪の離脱と供に流れてしまったということになるのでしょう。
個人的には非常に残念なのですが、それでも有終の美を飾ったといえるくらいの作品に仕上がっていることは非常に評価できるところです。
現在は坂本一雪さんは映像制作というよりは、ゲームやアプリの制作者として活躍しているらしいですが、またほん呪の制作に復活してくれればとほんの少しの期待感を持っていたりするのですが・・・難しいんでしょうね。
☟ネタバレや内容は以下のリンクから☟
・ほんとにあった! 呪いのビデオ15の内容
・ほんとにあった! 呪いのビデオ15のネタバレ
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