ほんとにあった! 呪いのビデオ11のレビューと相成ります。
坂本一雪が松江哲明から引き継いで、その手腕を発揮しており、見応えの多いコーナーに満ちていると感じます。
それでは、いってみましょう。
ほん呪11の各章のレビュー
線路に佇む影
投稿者と思われる女の子がなかなか可愛い顔をしているのが印象的(笑)
それはどうでもいいことですが、問題の映像はこれまでによくある白い影とは少々、違い、よく見てみるとその顔立ちまでよく分かるものになっています。
インパクト的には然程、強力ではありませんが、耐性の無い方であれば、初っ端から充分に背筋がゾクっとするものであると言えるレベルではないかと感じます。
公衆トイレ
何となくではありますが、投稿者の藤野さんはレポーターの北川のタイプなのかな?と勝手に勘ぐってしまう取材模様。
本来は真夜中の曰く付きの心霊スポットに一人で行ってしまう男性はキモいと女性ならば感じるのでしょうが、それにしては非常に親しみのあるに言葉掛けをしているように思えるんですよね。
と、まあ、これもどうでもいいことなんですが、正直、引っ張ったわりには肝心要の映像は薄味そのもの。
むしろ、焼身自殺の後である個室の壁が黒焦げになっている写真の方が素直に怖いと感じるわけです。
映像よりも写真の方が衝撃度合いが勝ってしまうという、少々、コンセプトからズレた展開を見せる稀なコーナーであると感じます。
エレベーター
個人的にほん呪11においての映像のインパクトからいって、ダントツではないでしょうか?
しかし、投稿者がカメラを回している構図が明らかに不自然なんですよね。
自分のカメラの懐や足元などを敢えて撮らないように気をつけている様に見えてしまうんですよね。
実際に投稿者自身が心霊ものの映画とかに影響されてと、取材の時に言っている辺りでガチの投稿映像であったとしてもフェイクである可能性が極めて高いと思います。
しかし、映像そのものは確かに怖いと感じさせるものであるので、その点では破壊力は絶大ではないかと感じます。
曰くの物件
私はそもそも事故物件などは一切、信じていないタイプの人間です。
むしろずっと住み続ける家の賃料が、前に人が死んでいるというだけで格安になるならば願ったり叶ったりと感じる位の図太い人間です。
そうはいっても、いざ下見しにいったときにお札が発見されづらいところに貼ってあったりするのは、確かに不快感は起きてしまうと感じます。
どこか全体的な作りも生活感が漂うリアリティのあるコーナーに仕上がっており、人々の小さな営みの中に不思議なことがあると表現しているという意味では良作であると感じます。
しかし、天袋にうつった細長い男の映像は、どこか溶け込んでいないようにも感じて、合成である可能性が大だなぁ・・・と思ってしまうものでした。
謎の影
多分、私も投稿者と同じ様な状況下ならば、わんこそばにトライしている様子は絶対に映像にとってしまうだろうなーと思っちゃいます。
肝心要の心霊映像は単純に黒い影がうつっているわけではなく、やはり凝視してみると完全に人の目までハッキリしているというクオリティであり、普通に気持ち悪い映像であると言えるでしょう。
しかし、ガチであったとしたら、何故、わんこそば屋に霊が出現するのか???と、そちらの方が非常に謎が多いのですがね。
ランドセルの少女
尻に敷かれているかのような投稿者の黒崎さんの様子が、どこか馬鹿らしく微笑ましいのが印象的です。
彼女のミホさんもブーたれてはいるのですが、冗談交じりであり、よくある仲の良い若者カップルの光景と言う意味で、微笑ましく見れるものに仕上がっています。
ただ、黒崎さんが聞いた先輩の話というのは、非常にえげつないイジメであり、それはもはや殺人じゃないかと突っ込みたくなるレベルです。
ちなみにこの【ランドセルの少女】は、後作の伏線となるコーナーであり、初見の時は、これは続編あるな?と何となく気づいてしまった一本でした。
夜に現れる手
寝ている時の自分は何をどうやってもコントロールすることは出来ませんよね。
この映像を初見の頃に見た時、私も寝ている時の自分がどういう状態なのかが気になりやってみようと思ったことはありましたよ。
心霊とかその類はあまり信じない太刀なのですが、別の意味で衝撃的な光景がうつったら嫌だなと思い、思っただけで行動は現在に至るまで一回もやっていませんが(笑)
問題の映像は非常によく出来ていると感じます。
首に巻き付いた手という映像そのものは怖くもなんともない。
ですが、実際に加藤さんの寝ている時の息づかいや、寝返りの打ち方など非常に細部まで練り込まれて作られている様に思うので。
廃線トンネル
レポーターの仁科芳子のデビューコーナーと言えるもの。
明らかにこれまでの女性スタッフの中では抜群にマスクの良い顔立ちであるわけで、何気に積極的な印象もあります。
もっと継続してほん呪シリーズに登場していたならば、間違いなく人気が出ていたと感じるわけですけどね。
と、問題の映像というか心霊の音声は、こちらも引っ張った割には薄味であり、太田さんの不幸を重ねることでそれをカバーしているかのようにも思えます。
に、しても、脳に風邪がうつって云々という理屈は、少々、説得力がないなーと感じもしますし、トリのコーナーとしては少々、パンチに欠けてしまっている残念なものになっているかと・・・。
総評
ほんとにあった! 呪いのビデオ11は、トリ以外はコーナー全てが秀作であると感じます。
さすが坂本一雪とでも言うべきか、晩年に比べて過剰過ぎる演出もなく丁度よい塩梅であるかなーと思ったりします。
当時は色んな演出をしてみようと、実験のつもりもあったのかも知れませんが、この作品から取材映像の質感に凝ったり、色もまぶしてみたりという特異な演出は光っていると感じます。
☟ネタバレや内容は以下のリンクから☟
・ほんとにあった! 呪いのビデオ11の内容
・ほんとにあった! 呪いのビデオ11のネタバレ