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ほんとにあった! 呪いのビデオ THE MOVIE2を視聴したレビューです。

前作はしんどいと感じたものでありましたが、MOVIE2はそんな前作とは裏腹に非常に素晴らしい仕上がりになっていたと思います。

今回は白石晃士は全く登場しておらずに、完全に演出と構成に回っていたようですが・・・。

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ほんとにあった! 呪いのビデオ -THE MOVIE2-レビュー

前作は要するにビデオシリーズの所謂、宣伝用チラシのようなクオリティしかなかったと感じています。

今回は劇場版2作目ということで明らかに力が入っていることが見受けられる内容になっています。

前回は監督の白石晃士が自ら登場していたわけですが、今回は通常ルートと同じ様に演出補をおいて、各コーナーを設けて投稿映像を紹介していくという構成を崩さずに表現している。

ほん呪のセオリーに準じている形でありながらも、メインエピソードに非常に力を入れ込んでいることが見て取れます。

やはり監督とか演出する人間が自ら出ていくというものではなく、裏方に専念して作っていた方が良い作品って撮れることが多い。

特に白石晃士の作品は、それが顕著に表れているなーと見ていて心底思うわけです。

今回は映像にも音声にも白石晃士はただの一回も登場していないわけであり、だからこそ完成度が高いものが創れたと思います。

携帯電話

投稿者であり今作の主人公ともいえる明日実ちゃんは、そこそこ可愛い女性。

そんな彼女が友人たちと以前から興味のあった滝のある土地に旅行に行った際に撮影してしまった黒い影。

それを撮影してしまったことで仲の良い友人たちに異変が起きるということで、積極的に取材に応じる姿はなかなか見応えがあるといえます。

問題の映像そのものは特に怖いとも不思議とも思えないものであるわけですが。

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首なし

投稿者の佐々木さんは取材には丁寧に応じているものの、友人を『こいつ』呼ばわりしているのがどうもハナにつき不快感がほのかに沸いてしまいましたよ。

まあ、何というかいくら友人同士で会っても、親しき中にも礼儀ありという人間関係の本質を理解できていない人間を目の当たりにすると、それ相応の人間にしかみえないということで。。

問題の映像は首なし地蔵と言われているものの、実際には地震などの自然現象などで崩壊した地蔵であることが伺えるものであります。

形ある物質は壊れるのが当たり前であり、それは特に不思議なことではないわけです。

その地蔵を撮影した際に現れる顔の様な物体は、どうもそう見えるだけという程度の代物であると・・・。

初見の時も現在改めてみても特に怖いと感じることは一分もありませんでした。

居酒屋

なんかやたらと垢ぬけている女子大生たちが集まる投稿映像がどういうわけか単なる飲み会なのにも関わらずに『レベルたか!』って少々、感じました(笑)

問題の映像はもうちょっとハッキリ映っててくれれば、より怖さが際立っていたと感じるわけです。

しかし、この問題の映像はどこかで見た記憶があります。

完全合致というわけではありませんが、このコーナーの霊に非常に似ているような気がするのですが、うーん・・・。

事故

このコーナーはMOVIE2のメインエピソードに重要な関わり合いを持つことになるわけですが、投稿者の豊田さんと石橋さんの事故映像を撮影する様子は、どこか琴線にふれるものがありました。

何となくリアリティあり、似たようなことを若い頃の私も友人としていたことあったなーという感じで、妙に懐かしく感じていたり・・・。

お互いに同じタイミングで撮影したのにも関わらずに、違う事象が起きているというそのものは正に不思議であり、よく出来た構成であると感じます。

また友達同士でありながらも、些細なことでイラっとして意地をはるという豊田さんの心理的描写も秀逸。

こんなことも若い年頃のときにはあるよねぇ・・・と感じて、非常に共感できる部分がもてました。

この後の感想はまた後で。

肝心要の映像、そのものは非常におどろおどろしくもあり、インパクトはありませんが怖い映像であると思います。

しかし、無理に向かいの民家の不気味さにこじつけている様に思える演出が、どうもしゃらくさい気がします。

余計なことですが投稿者の武藤さんはハーフなんでしょうかね・・・ブスなのか美人なのかよく分からないという目立つ顔立ちが凄く印象的だと本編とは関係ないですが感じました(笑)

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続・事故

豊田さんの友人の石橋さんが失踪する前日に撮られた映像が少々、痛すぎるものとして印象深い。

自分が何者であるか明言できない一般人が、何かを調査する際には非常に困難を極めることが容易にわかるものです。

例え下心なくてもどこの誰かも分からない人間に直撃をうけて、映像をみてくれといわれても、突っぱねられるのが当たり前なわけで・・・。

それをこの様な形で表現しているというのは面白いと素直に思います。

また、そんな石橋さんの残したビデオが次の展開のとっかかりになっているという繋げ方もまた絶妙に思えます。

更にここでテレビ番組の様な街頭アンケートの模様を作品にこめるというのは斬新であり、この作りはミーハーな演出が好きな白石晃士ならではのものと感じます。

ビデオやDVDパッケージには、ここで言われる『うしろにいくな』がキャッチコピーとして使われていますが、実はそれはフェイントであり、何気ない『うしのにくだ』が肝であったという見せ方もお見事。

続・携帯電話

問題の音声が『うしろにいくな』というのが答えであるかのように進むメインエピソード。

音声の意味が認識できた者には、何故か不幸な出来事が起きるという状態に気づきだしたわけであります。

これまで紹介していた別時系列で進んでいたと思われていたコーナーがドッキングされて一つになるという展開。

まるで交換殺人をテーマにしたサスペンスドラマのようで、個人的にはすごくワクワクする展開であると感じました。

更に新たな重要人物である明日実ちゃんだけが知っている老人の存在や、友人の発狂シーンなどはその後の展開に引き込む演出としては素晴らしくインパクトがあるものであると思います。

事故で亡くなったの遺族に

素人とプロの差があっさりと歴然しているということを暗に匂わせているかのような描写。

石橋さんが訪問した茂野さんは殆ど門前払いのような形で追い払われたものの、しっかりと順序立てて取材依頼をするという栗林たちに対する茂野さんたちの対応はまるっきりちがう。

当たり前といえば当たり前なんですが、こういう細やかな演出を見せてくれることはなかなか良いことであると感じます。

茂野夫妻に取材をしている最中、明日実さんの様子が徐々に変わっていく演出は、視聴者を釘付けにさせるという手法として評価できるものであると感じます。

あれ?この子、なんかおかしくね?』と感じることが容易く、間延びさせることなく最後まで飽きさせないようにしていることに成功していると思います。

劇場版ならではの演出なんでしょうねぇ。

廃村でかつて行われていたこと

郷土史家の村井さんが打ち明ける内容というのは、所謂、タブー系の話であり、歴史的に抹殺されている人の負の遺産ですね。

こういう歴史的に無かったことにされているものと、結び付けるというのは個人的には非常に好きな展開であります。

後のほん呪作品にも時折、踏襲されているものであり、云わばこれは制作側からすると小難しいことが好きな業の深いユーザーを虜にする必殺技的なものであると感じます。

実際に人は現代では最大の敵であった『飢餓』からは事実上、打ち勝っているわけですが、昔はそれに勝つことが出来なかったが故に悲惨な状態に陥っていたことは当然のことです。

しかしあまりにも凄惨であったから故に葬られている事実は確実にあるわけであり、それが脈々と怪談として受け継がれているというのは事実であると思います。

また『うしろにいくな』は『うしのにくだ』ということも明らかになり、ここで発音が殆ど同じであることに気づくわけで、少々、鳥肌が立つ気持ちにさせられます。

うしろにいくな=uioiiua

うしのにくだ=uioiua

殆ど同じですね。

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明日実さんの異変

ここまでくると明日実ちゃんの独壇場の展開となっているわけです。

そして既にスタッフも事態の収拾は明日実ちゃんにかかっていることを認めざる得ない状況に気づきはじめているわけです。

この辺からカメラを回していた見えないスタッフ磯井が声のみの登場で本編に参加してくるという展開にも注目。

フェイクメンタリーであっても、この辺の栗林や横田、磯井の明日実さんに対する受け答えは、とても芝居であるようには感じられずに見事に状況の生々しさを表現することに成功しているわけです。

疲労困憊のスタッフに、一見するとワガママとも取れる明日実ちゃんの要望に参ってしまう応答をするものの、それを承諾するスタッフの姿はリアルそのものと感じさせるのには充分です。

廃村へ・・・

明日実ちゃんの要望をきき、休むことなく廃村へ向かった一向の様子は壮絶そのものに感じます。

さすがに『いつ用意したんだ?』と、いう栗林をはじめとするスタッフ全員が登山用のいでたちになっているのが気になりますが・・・。

夜、撮影用のライトに群がる昆虫や、森に張り巡らされた蜘蛛の巣や、道の無い山を掻き分けて進む一向の様子は、それはガチそのものであると言えます。

栗林がいつもの穏やかで冷静なスタイルとは別の恐怖を感じて狼狽している様子も、当時の撮影現場がタダゴトではなかったことは確実であると見ているコチラは感じずにはいられません。

台本ありきで、これはヤラセであると分かっていたとしても怖いものは怖いというものは確かにあるわけですしね。

そして見つかる箱の中には牛の頭蓋骨と二本の刀。

ニトウ=二本の刀ということであることがここでわかり、明日実ちゃんが老人から聞かされていた意味不明の暗号めいた文言は、実は呪いを鎮める為の道筋を示したものであったことがここで分かるわけです。

謎を解いた一向が祠で祈りを捧げるシーンはどこか美しく、また汗だくになってシャツも汗で濡らしている横田の状態を見ても、このロケは過酷であったのだろうなぁ・・・と感じるわけです。

メール

最後のメールでは恐怖の余韻を視聴者に残すかのような終わり方をしていますが、これは何かいらん演出なんじゃないかな?って個人的には思っていたりします。

ハッピーエンドならばそれでいいんじゃないのかな?って思ってしまうので・・・。

これはまあ、個人的な好みではあるのでしょうけどね。

総評

前作のMOVIEが非常に残念無念な仕上がりだったからこそ、MOVIE2が非常に良作に見えてしまうというのもあるのかも知れません。

ですが実際に起きていたであろうタブー系の歴史を紐解いて、心霊が撮られた映像とくっつけて表現するという手法はストーリー展開としては非常に面白い物であります。

しかし、紹介されていた映像の全てが本来のコンセプトである怖いビデオというものの域には何一つ達していないという残念な点があります。

あくまで劇場版ということなので、そこが重要ではなくストーリーを楽しむという意味においては、非常に面白い作品であったとその点は素直に評価できます。

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☟内容やネタバレは以下のリンクから☟
ほんとにあった! 呪いのビデオ THE MOVIE2の内容とネタバレ

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